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安定であるπ電子共役系化合物およびその製造方法 コモンズ

国内特許コード P130009313
整理番号 2012-043
掲載日 2013年6月7日
出願番号 特願2013-018557
公開番号 特開2014-148483
登録番号 特許第6012012号
出願日 平成25年2月1日(2013.2.1)
公開日 平成26年8月21日(2014.8.21)
登録日 平成28年9月30日(2016.9.30)
発明者
  • 手木 芳男
  • 品田 哲郎
  • 川中 優輔
  • 清水 章皓
出願人
  • 公立大学法人大阪市立大学
発明の名称 安定であるπ電子共役系化合物およびその製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】減圧昇華法のみならずウェットプロセスに適用可能で、かつ光ならびに酸素および/またはオゾンに対して安定であるπ電子共役系化合物およびその製造方法の提供。
【解決手段】式(I):



[ラジカル基-Y・は、以下の:



を表す]で表されるペンタセンのラジカル誘導体。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



近年、電界効果トランジスタや薄膜トランジスタ等の電子デバイスの分野において、従来用いられてきたシリコンに代表される無機半導体材料に代わり、有機半導体材料が注目されている。





これは、シリコン半導体材料に比べ有機半導体材料が、安価に製造することが可能であること;薄膜を用いた大面積の電子装置にも容易に使用できること;有機半導体を用いる製造工程において高温プロセスを必要としないことからプラスチック基板上への薄膜の形成が可能であること;機械的な折り曲げに対し素子特性を劣化させずにフレキシブルな大面積な装置に使用できることなどの特性を有していることに基づくものである。

より具体的には、有機半導体材料を用いた電子素子では、耐衝撃性、軽量、柔軟性、低コストおよび大面積化といった特徴を発揮させることができる。





そして、有機半導体材料は、有機エレクトロルミネセンス素子のような有機発光デバイス、有機電界効果トランジスタ、有機太陽電池など、および正孔注入輸送層を有する量子発光素子、電子写真感光体およびモバイル情報端末機用の電子素子などの広範な種々の有機電子デバイスに用いられ得る。





二重結合と一重結合が交互に並んだ形の部位を有するπ電子共役系化合物として、ペンタセン等のアセン系材料は高度に拡張されたπ電子系を有するため、ホール輸送、電子輸送性に優れ、例えば、有機半導体材料(特許文献1、特許文献2、非特許文献1および非特許文献2)、エレクトロルミセッセンス材料、有機色素、および有機顔料等に広く応用が検討されている。





このように有機半導体材料としてπ電子共役系化合物が広く用いられる中で、障害となるのはπ電子共役系化合物の多くが、平面性が高く剛直であるものが多いため、分子間の相互作用が非常に強固であり、水や有機溶媒への溶解性が乏しいことが挙げられる。





例えば、π電子共役系化合物を有機顔料として用いる場合には、顔料が凝集し易くなり分散が不安定となる。

また有機半導体材料およびエレクトロルミネッセンス材料を例に取ると、難溶であるため溶液プロセスの適用が難しく、真空蒸着等の気相製膜が必要になるなどの問題があり、製造コストの増加や、製造プロセスが煩雑になるといった問題が挙げられる。





また、近年、π電子共役系化合物である有機半導体材料の真空蒸着法による有機薄膜の形成方法および有機薄膜形成装置も提案されている(特許文献3)。

しかしながら、有機半導体材料でもアセン系材料、特にペンタセンは、水や有機溶媒に対して溶解度が極めて低く、真空蒸着工程が必須であり、また、光ならびに酸素および/またはオゾンに対し安定性が低いことが知られている(特許文献4)。





これに対して、近年レトロディールスアルダー反応を利用して、溶媒可溶性の高いペンタセンのビシクロ化合物から脱離反応により、ペンタセン等へと変換する方法が提案されている(特許文献5)。しかしながら、この方法では煩雑な合成ならびに脱離基の除去工程を必要とするため適用範囲が狭く、より簡便に合成可能な可溶性ペンタセン誘導体の開発が必要とされている。





また、ペンタセンの可溶性前駆体を塗布し、加熱等により製膜する方法も提案されている(非特許文献3)。しかしながら、この方法では、この前駆体から脱離するテトラクロロベンゼン分子を系外に除去することが困難であり、かつテトラクロロベンゼンの毒性も問題となる。





さらに、ペンタセン等のベンゼン環を有するπ電子共役系化合物に脱離性置換基を導入した化合物を製膜後に脱離性置換基を脱離させてπ電子共役系化合物の膜状体の製法が提案されている(特許文献6)。しかしながら、この方法では、ペンタセンの製膜は可能と思われるが、ペンタセンの光ならびに酸素および/またはオゾンに対する安定性の改善についてはなんら考慮されていない。





したがって、光ならびに酸素および/またはオゾンに対して安定で、かつ有機溶媒に可溶で、スピンコート塗布、ブレードコート、グラビア印刷、インクジェット塗布、ディプコーティング塗布などのウェットプロセスへの適応可能なペンタセン誘導体が求められている。

産業上の利用分野



本発明は、安定であるπ電子共役系化合物およびその製造方法に関する。より具体的には、本発明は、安定ラジカルを利用した拡張π電子共役系化合物の光、酸素および/またはオゾンに対して安定なペンタセンのラジカル誘導体およびその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の、一般式(I):
【化1】


[式中、基-X-は、以下の:
【化2】


を表し、ラジカル基-Y・は、以下の:
【化3】


を表す]
で表されるペンタセンのラジカル誘導体。

【請求項2】
前記基-X-が、以下の式:
【化4】


で表されるフェニレン基である、請求項1に記載のペンタセンのラジカル誘導体。

【請求項3】
前記一般式(I)の化合物が、以下の:
【化5】


である、請求項1または2に記載のペンタセンのラジカル誘導体。

【請求項4】
前記一般式(I)の化合物が、以下の:
【化6】


である、請求項1または2に記載のペンタセンのラジカル誘導体。

【請求項5】
前記ペンタセン誘導体が、有機半導体材料である請求項1~4のいずれか1つに記載のペンタセンのラジカル誘導体。

【請求項6】
請求項1~3または5のいずれか一つに記載のペンタセンのラジカル誘導体を得るために、次の式(8):
【化7】


で表される4-(ペンタセン-6-イル)ベンズアルデヒドに、以下の式(9):
【化8】


で表される1,3-ジアミノ-1,3-ジメチルウレアと反応させて、以下の式(1b):
【化9】


で表される2,4-ジメチル-6-(4-(ペンタセン-6-イル)フェニル)-1,2,4,5-テトラジナン-3-オンを得、これをセライト担持Ag2CO3で処理して、以下の式(1a):
【化10】


で表される2,4-ジメチル-6-(4-(ペンタセン-6-イル)フェニル)-ヴァーダジル-3-オンを得ることを特徴とする、ペンタセンのラジカル誘導体の製造方法。

【請求項7】
請求項1、2、4または5に記載のペンタセンのラジカル誘導体を得るために、次の式(8):
【化11】


で表される4-(ペンタセン-6-イル)ベンズアルデヒドに、アルカリの存在下に、2,3-ビス(ヒドロキシアミノ)-2,3-ジメチルブタン サルフェートを反応させて、以下の式(2b):
【化12】


で表される4,4,5,5-テトラメチル-2-(4-(ペンタセン-6-イル)フェニル)イミダゾリジン-1,3-ジオールを得、酸化剤で処理して、以下の式(2a):
【化13】


で表される4,4,5,5-テトラメチル-2-(4-ペンタセン-6-イル)フェニル)イミダゾリジン-1,3-ジオキシルを得ることを特徴とする、ペンタセンのラジカル誘導体の製造方法。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2013018557thum.jpg
出願権利状態 登録


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