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Rhoキナーゼ阻害剤を含むビタミンA付加リポソーム製剤 UPDATE 新技術説明会

国内特許コード P130009365
整理番号 12043
掲載日 2013年6月12日
出願番号 特願2012-240426
公開番号 特開2014-088357
登録番号 特許第6067330号
出願日 平成24年10月31日(2012.10.31)
公開日 平成26年5月15日(2014.5.15)
登録日 平成29年1月6日(2017.1.6)
発明者
  • 田代 裕尊
  • 木村 康浩
  • 大段 秀樹
出願人
  • 国立大学法人広島大学
発明の名称 Rhoキナーゼ阻害剤を含むビタミンA付加リポソーム製剤 UPDATE 新技術説明会
発明の概要 【課題】肝虚血再再灌流障害を処置するための、Rhoキナーゼ阻害剤を肝星細胞に特異的に送達できる製剤の提供。
【解決手段】Rhoキナーゼ阻害剤を含み、Rhoキナーゼ阻害剤とビタミンAの比率がモル比で1:3~1:5であり、構成脂質の総脂質量とビタミンAとをモル比で1:0.03~1:0.3の比率で混合したビタミンA付加リポソーム製剤およびその製造方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



肝癌に対する肝切除、肝不全や肝細胞癌などに対する生体肝移植は、今日日常の診療として行われているが、今尚いくつかの解決すべき課題が残されている。その中で、術後肝不全は極めて重大な問題である。大量肝切除また過小グラフトや脂肪肝を移植肝に用いた生体部分肝移植では、術後肝不全に陥ることがしばしば見られ、その肝不全のメカニズムには肝虚血再潅流障害が大きく関与している。





肝星細胞(Hepatic stellate cell: HSC)は、ディッセ腔と呼ばれる肝細胞と肝類洞内皮細胞の間隙に存在しており、アクチンやミオシンといった収縮性タンパク質を含んでいる。細胞内シグナルであるRhoシグナルの制御下にエンドセリンや一酸化窒素(NO)に反応し、その収縮活動と緊張状態により類洞血流を調節していることが知られている。また、低分子GTP結合タンパク質であるRhoファミリーは、アクチン細胞骨格の再編成を通じて細胞の形状や運動性を調節することが知られている。Rho標的タンパク質の1つであるRhoキナーゼ(Rho-associated coiled-coil forming kinase: ROCK)は、ミオシン軽鎖(myosin light chain: MLC)のリン酸化を増大させることにより、平滑筋の収縮や細胞骨格の制御に関与する。リン酸化ミオシン軽鎖(phosphorylated myosin light chain:P-MLC)の増大により、アクトミオシンの収縮性は増大し、結果として平滑筋が収縮する。





温阻血肝移植モデルを用いた肝虚血再潅流障害の研究において、Rhoキナーゼに対する阻害剤の投与により移植肝の虚血再潅流障害が軽減されることが報告されている(非特許文献1,2)。すなわち、肝類洞内皮細胞とそれを裏打ちする星細胞が虚血再潅流により活性化・収縮することで類洞が狭小化し、肝血流障害が引き起こされること、Rhoキナーゼ阻害剤により星細胞の活性化が抑制され、肝組織中の末梢循環の改善が得られ、肝虚血再潅流障害が軽減されることが明らかとなっている。





Rhoシグナルは、体細胞においては細胞の運動、接着、分裂などに、がん細胞においては浸潤、転移などに中心的な役割を果たすシグナル伝達系である。また、血管平滑筋収縮に関しても、Caシグナルによりミオシン軽鎖リン酸化酵素(myosin light chain kinase: MLCK)を介してミオシンのリン酸化レベルを制御することにより、血圧の維持に貢献している。そのため、全身投与では低血圧などの副作用が報告され、より選択的なドラッグデリバリーシステム(DDS)が求められる。





一般的に、肝星細胞は、類洞循環の調節作用としての機能以外にも、レチノール結合タンパク質の受容体を発現し、ビタミンA貯蔵細胞としても作用する。この特性を利用し、肝硬変治療にコラーゲン特異的シャペロンであるヒートショックプロテイン47に対するsiRNAをビタミンA付加リポソームに封入し、肝硬変ラットに投与し、肝硬変の進行を軽減できることが報告されている(非特許文献3)。しかしながら、Rhoキナーゼ阻害剤を封入したビタミンA付加リポソームにより肝疾患を治療した例は報告されていない。

産業上の利用分野



本発明は、Rhoキナーゼ阻害剤を含むビタミンA付加リポソーム製剤およびその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
Rhoキナーゼ阻害剤を含む、ビタミンA付加リポソーム製剤であって、Rhoキナーゼ阻害剤がY-27632である、肝虚血再灌流障害を処置するための、製剤。

【請求項2】
リポソームの構成脂質の総脂質量とビタミンAの比率がモル比で1:0.01~1:0.03である、請求項1に記載の製剤。

【請求項3】
Rhoキナーゼ阻害剤とビタミンAの比率がモル比で1:3~1:5である、請求項1または2に記載の製剤。

【請求項4】
リポソームが中性荷電リポソームである、請求項1~3のいずれかに記載の製剤。

【請求項5】
リポソームの構成脂質の総脂質量とビタミンAの比率がモル比で1:0.01~1:0.03であり、Rhoキナーゼ阻害剤とビタミンAの比率がモル比で1:3~1:5であり、かつリポソームが中性荷電リポソームである、請求項1に記載の製剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録


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