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B型肝炎発症ヒト肝細胞キメラモデル動物の作製方法

国内特許コード P130009367
整理番号 11003
掲載日 2013年6月14日
出願番号 特願2011-189317
公開番号 特開2013-048606
登録番号 特許第5888668号
出願日 平成23年8月31日(2011.8.31)
公開日 平成25年3月14日(2013.3.14)
登録日 平成28年2月26日(2016.2.26)
発明者
  • 茶山 一彰
出願人
  • 国立大学法人広島大学
発明の名称 B型肝炎発症ヒト肝細胞キメラモデル動物の作製方法
発明の概要 【課題】実際のヒト肝細胞でのB型肝炎ウイルス感染からB型肝炎発症までの新規な免疫機構を解明し、B型肝炎発症ヒト肝細胞キメラモデル動物の作製方法、ならびに、作製したB型肝炎発症ヒト肝細胞キメラモデル動物を利用するB型肝炎治療および/または進行抑制化合物のスクリーニング方法を提供する。
【解決手段】B型肝炎発症ヒト肝細胞キメラモデル動物の作製方法は、B型肝炎ウイルスを感染させたヒト肝細胞キメラモデル動物に抗アシアロGM1抗体を投与する抗アシアロGM1抗体投与工程と、B型肝炎ウイルスを感染させたヒト肝細胞キメラモデル動物にクロドロネートを投与するクロドロネート投与工程と、抗アシアロGM1抗体投与工程の後、かつクロドロネート投与工程の1日後ないし4日後に、ヒト末梢血単核球を、B型肝炎ウイルスを感染させたヒト肝細胞キメラモデル動物に投与するヒト末梢血単核球投与工程と、を含む。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


肝炎ウイルス感染によって引き起こる肝炎は、時に慢性化、重症化する予後不良の病症である。当該病症の病態の解明および治療のためには、肝炎ウイルス感染モデル動物、特にB型肝炎ウイルス感染モデル動物が必要とされている。B型肝炎ウイルスは、ヒトおよびチンパンジーにのみ感染可能であり、チンパンジーは優れたB型肝炎ウイルス感染モデル動物となり得る。しかし、倫理的、経済的に問題があるとされている。



ヒト肝細胞キメラマウスとは、肝臓が部分的にヒト肝細胞に置換されているマウスのことである。近年、肝臓が高度かつ安定的にヒト肝細胞に置換されたヒト肝細胞キメラマウスが多く利用されている。このようなヒト肝細胞キメラマウスの作製方法を具体的に説明すると、まず、免疫不全マウスと肝不全マウスとを掛け合わせ、uPA/SCIDマウス(重度免疫不全肝障害マウス)を作製する。次いで、当該uPA/SCIDマウス(重度免疫不全肝障害マウス)にヒト肝細胞を移植し作製する。ヒト肝細胞キメラマウスは成熟したT細胞およびB細胞の欠損した重症免疫不全マウスである。しかし、マウス樹状細胞やNK細胞は存在するため、前処置を行わずにヒト末梢血単核球を投与するとこのヒト末梢血単核球はこれらの細胞により排除されてしまう。そのためヒト末梢血単核球を生着させるためには、細胞移植前に、マウス樹状細胞およびマウスNK細胞を排除しておく必要があり、これらの排除には、例えば、クロドロネートまたは抗アシアロGM1抗体等が利用され得る(非特許文献1および非特許文献2)。



クロドロネートと種々の細胞(樹状細胞およびマクロファージも含む)との代謝メカニズムの詳細については、非特許文献3および非特許文献4に記載されている。また、抗アシアロGM1抗体によるマウスNK細胞の排除は、マウスのリンパ球系組織の全てからアシアロGM1陽性細胞が消失し、マウスNK細胞活性が除去されるということである。



なお、このような肝臓が高度かつ安定的にヒト肝細胞に置換されているヒト肝細胞キメラマウスは、B型肝炎ウイルスを接種することにより、B型肝炎ウイルスを感染させたヒト肝細胞キメラマウスとすることが可能となる。さらには、当該B型肝炎ウイルスを感染させたヒト肝細胞キメラマウスの肝臓内においてB型肝炎ウイルスを増殖させることも可能である(非特許文献1および非特許文献5)。そのため、現在、このようなヒト肝細胞キメラマウスは、B型肝炎ウイルス以外にも最も有効な肝炎ウイルス感染モデル動物として多く利用されている(非特許文献5ないし非特許文献9)。

産業上の利用分野


本発明は、B型肝炎ウイルス感染および発症の際における免疫応答に関連する、B型肝炎発症ヒト肝細胞キメラモデル動物の作製方法、ならびに、作製したB型肝炎発症ヒト肝細胞キメラモデル動物を利用するB型肝炎治療および/または進行抑制化合物のスクリーニング方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
B型肝炎ウイルスを感染させたヒト肝細胞キメラモデル動物に抗アシアロGM1抗体を投与する抗アシアロGM1抗体投与工程と、
前記B型肝炎ウイルスを感染させたヒト肝細胞キメラモデル動物にクロドロネートを投与するクロドロネート投与工程と、
前記抗アシアロGM1抗体投与工程の後、かつ前記クロドロネート投与工程の日後ないし4日後に、ヒト末梢血単核球を、前記B型肝炎ウイルスを感染させたヒト肝細胞キメラモデル動物に投与するヒト末梢血単核球投与工程と、
を含み、
前記ヒト肝細胞キメラモデル動物は、ヒト肝細胞が移植された免疫不全マウスと肝不全マウスとの掛け合わせのuPA+/+/SCID+/+マウスであることを特徴とする、B型肝炎発症ヒト肝細胞キメラモデル動物の作製方法。

【請求項2】
前記B型肝炎ウイルスは、B型肝炎ウイルス-A型、B型肝炎ウイルス-B型、B型肝炎ウイルス-C型、B型肝炎ウイルス-D型、B型肝炎ウイルス-E型、B型肝炎ウイルス-F型、B型肝炎ウイルス-G型およびB型肝炎ウイルス-H型、からなる群より選ばれる1以上のウイルスであることを特徴とする、請求項1に記載のB型肝炎発症ヒト肝細胞キメラモデル動物の作製方法。

【請求項3】
前記B型肝炎ウイルスは、HBe抗原、および/または、HBs抗原を発現することを特徴とする、請求項1または2に記載のB型肝炎発症ヒト肝細胞キメラモデル動物の作製方法。

【請求項4】
前記クロドロネートは、前記B型肝炎ウイルスを感染させたヒト肝細胞キメラモデル動物に対し、6μL/gないし14μL/g投与することを特徴とする、請求項1ないしのいずれか1項に記載のB型肝炎発症ヒト肝細胞キメラモデル動物の作製方法。

【請求項5】
前記クロドロネートは、前記B型肝炎ウイルスを感染させたヒト肝細胞キメラモデル動物に対し、8μL/gないし12μL/g投与することを特徴とする、請求項1ないしのいずれか1項に記載のB型肝炎発症ヒト肝細胞キメラモデル動物の作製方法。

【請求項6】
前記抗アシアロGM1抗体、前記クロドロネートおよび前記ヒト末梢血単核球は、腹腔内投与することを特徴とする、請求項1ないしのいずれか1項に記載のB型肝炎発症ヒト肝細胞キメラモデル動物の作製方法。

【請求項7】
記ヒト末梢血単核球は、2×10cells/mouseないし6×10cells/mouse投与することを特徴とする、請求項1ないしのいずれか1項に記載のB型肝炎発症ヒト肝細胞キメラモデル動物の作製方法。

【請求項8】
記ヒト末梢血単核球は、3×10cells/mouseないし5×10cells/mouse投与することを特徴とする、請求項1ないしのいずれか1項に記載のB型肝炎発症ヒト肝細胞キメラモデル動物の作製方法。

【請求項9】
請求項1ないしのいずれか1項に記載のB型肝炎発症ヒト肝細胞キメラモデル動物の作製方法によって作製されることを特徴とする、B型肝炎発症ヒト肝細胞キメラモデル動物。

【請求項10】
請求項に記載のB型肝炎発症ヒト肝細胞キメラモデル動物に被検化合物を投与する工程と、
前記被検化合物を投与された前記ヒト肝細胞キメラモデル動物のB型肝炎の病症の程度を測定する工程と、
前記被検化合物を投与しない場合と比較して、前記B型肝炎の病症の程度が緩和する化合物を選択する工程と、
を含むことを特徴とする、B型肝炎治療および/または進行抑制化合物のスクリーニング方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011189317thum.jpg
出願権利状態 登録


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