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植物の生育促進およびバイオマス量の増加に関与する遺伝子ならびにその利用方法 外国出願あり

国内特許コード P130009383
整理番号 F09078-JP
掲載日 2013年6月14日
出願番号 特願2011-546121
登録番号 特許第5804420号
出願日 平成22年12月13日(2010.12.13)
登録日 平成27年9月11日(2015.9.11)
国際出願番号 JP2010072413
国際公開番号 WO2011074553
国際出願日 平成22年12月13日(2010.12.13)
国際公開日 平成23年6月23日(2011.6.23)
優先権データ
  • 特願2009-288518 (2009.12.18) JP
発明者
  • 高橋 美佐
  • 森川 弘道
  • 江面 浩
出願人
  • 国立大学法人広島大学
発明の名称 植物の生育促進およびバイオマス量の増加に関与する遺伝子ならびにその利用方法 外国出願あり
発明の概要 本発明は、植物の生育促進、および植物のバイオマス量の増加に関与する遺伝子(Vita1遺伝子)およびその利用方法を提供する。本発明に係る形質転換体によれば、細胞の分裂・拡大および組織の分けつを促進させることができる。特に、形質転換植物体によれば、植物の生育が促進され、かつバイオマス量が増加する。本発明に係る形質転換植物体の作出方法は、植物細胞においてVita1遺伝子の発現を増強し、該植物細胞から植物体を再生することによる。さらに、本発明に係る生育促進植物体のスクリーニング方法は、Vita1遺伝子の発現量を検出することにより、生育促進植物体を選別することができる。
従来技術、競合技術の概要


農作物および園芸作物等の収穫量を増加させるために、植物の生育を促進させる多くの試みが行なわれている。例えば、シュードモナス・フルオレッセンスSC-29株を植物に供給することにより、植物の栽培期間の短縮化及び収穫量の増大を行いうることが報告されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、植物が植えられている土地の気候および土質が本株に適しているとは限らず、適用対象の土壌に生育する微生物との生存競争により、生存し続けることができない場合がある。このように、この方法では、本株が安定に作用し、生存し続けることができないと欠点があり、さらに散布に労力を要するという欠点がある。



また、磁力又は電気による周期的な刺激を植物に付与することにより、植物中のリン濃度や植物の生育量を増大させうることが報告されている。(特許文献2参照)。しかしながら、広大な土地に適用する場合の装置のコストが高く、土中のイオン量、水分量、土質自体に依存して磁力又は電気の条件は異なるため条件設定が難しく、実用性に乏しいという欠点がある。



ヨウ素-シクロデキストリン包接化物を植物に供給することにより、発芽後の植物を良好に生育させうることが報告されている(特許文献3参照)。しかしながら、このヨウ素-シクロデキストリン包接化物を用いた場合、種子の発芽が抑制されるという欠点があり、また、散布に労力を要するという欠点がある。



本発明者らは、窒素酸化物(NOx)が植物の生育に関連するシグナルとして働き、植物の生育を促進することを報告している(特許文献4参照)。特許文献4には、植物の生育環境を、NOx濃度5~200ppbの環境に調整することによって、植物の生育を促進し、且つバイオマス収量を増加させることができると記載されている。具体的には、NOx濃度5~200ppbの環境下で生育させることにより、ニコチアナ・プランバジニフォーリア(Nicotiana plumbaginifolia)及びシロイヌナズナC24(Arabidopsis thaliana C24)の生育が促進され、それらの作物の収量を増加させることができることが記載されている。



また、レタス(Lactuca sativa)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、キュウリ(Cucumis sativus)、及びカボチャ(Cucurbita moschata)を、NOx濃度5~200ppbの環境下で生育させることにより、生育が促進され、作物の収量が増加することが報告されている(非特許文献1)。



さらに、ケナフ(Hibiscus cannabinus)をNOx濃度5~200ppbの環境下で生育させることにより、生育が促進され、バイオマス収量が増加することも報告されている(非特許文献2)。



大気中のNOxの主な発生源は自動車の排気ガスであるが、現在の実際の大気中の平均NOx濃度は20ppb程度と考えられる。また、NOx(NO、NO等)は、光化学スモッグや酸性雨などを引き起こす大気汚染原因物質であるため、特に毒性の高い二酸化窒素(NO)は、大気汚染防止法によって環境基準が定められている。そのため、NOxの濃度を最も好ましい100~200ppbの範囲にするためには、NOxボンベ、燃焼させる灯油およびエンジン等によるNOx発生装置と、NOxの除去手段と、これらを制御することにより所定のNOx濃度に調整する制御装置とが必要となってくる。このため引用文献4に記載の方法では、莫大なコストがかかるという欠点がある。

産業上の利用分野


本発明は、植物の生育促進およびバイオマス量の増加に関与する遺伝子、ならびに該遺伝子を利用した形質転換体、特に形質転換植物体、形質転換植物体の作出方法、および、生育促進植物体のスクリーニング方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
植物体の生育を促進し、かつ植物体のバイオマス量を増加させる機能を有するタンパク質をコードする、以下の(a)ないし()のいずれかに記載のDNAを含む特定の遺伝子の発現が増強された形質転換植物体であって、
内在性の該特定の遺伝子とは別に1コピー以上の該特定の遺伝子を導入すること、および/または、該特定の遺伝子を含むベクターを導入することにより、該特定の遺伝子の発現が増強され、
植物体の生育が促進し、かつ植物体のバイオマス量が増加したことを特徴とする、形質転換植物体。
(a)配列番号1または配列番号2に示す塩基配列からなるDNA。
(b)配列番号1または配列番号2に示す塩基配列からなるDNAに相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA。
(c)配列番号1または配列番号2に示す塩基配列に対して0%以上の同一性を有する塩基配列からなるDNA。
(d)配列番号3に示すアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA。
(e)配列番号3に示すアミノ酸配列において1から5個のアミノ酸が欠失、置換、付加もしくは挿入またはこれらの組合せにより配列に変異が生じているアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA

【請求項2】
前記形質転換植物体は、キク科植物、ナス科植物、アカザ科植物、イネ科植物、アブラナ科植物、マツ科植物、スギ科植物、トウヒ科植物、ヒノキ科植物、フトモモ科植物、ヤナギ科植物、ウリ科植物またはアオイ科植物のいずれかの植物に由来することを特徴とする、請求項に記載の形質転換植物体。

【請求項3】
請求項に記載の形質転換植物体の子孫またはクローン。

【請求項4】
植物体の生育を促進し、かつ植物体のバイオマス量を増加させる機能を有するタンパク質をコードする、以下の(a)ないし()のいずれかに記載のDNAを含む、植物細胞中の特定の遺伝子の発現を増強する工程であって、植物細胞に、内在性の該特定の遺伝子とは別に1コピー以上の該特定の遺伝子を導入すること、および/または、該特定の遺伝子を含むベクターを導入することにより、該特定の遺伝子の発現を増強する工程と、
該植物細胞から植物体を再生または育成する工程と、
を含むことを特徴とする、植物体の生育促進およびバイオマス量増加方法。
(a)配列番号1または配列番号2に示す塩基配列からなるDNA。
(b)配列番号1または配列番号2に示す塩基配列からなるDNAに相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA。
(c)配列番号1または配列番号2に示す塩基配列に対して0%以上の同一性を有する塩基配列からなるDNA。
(d)配列番号3に示すアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA。
(e)配列番号3に示すアミノ酸配列において1から5個のアミノ酸が欠失、置換、付加もしくは挿入またはこれらの組合せにより配列に変異が生じているアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA

【請求項5】
植物体の生育を促進し、かつ植物体のバイオマス量を増加させる機能を有するタンパク質をコードする、以下の(a)ないし()のいずれかに記載のDNAを含む、植物体の一部における特定の遺伝子の発現量を検出する工程を含む生育促進植物体のスクリーニング方法。
(a)配列番号1または配列番号2に示す塩基配列からなるDNA。
(b)配列番号1または配列番号2に示す塩基配列からなるDNAに相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA。
(c)配列番号1または配列番号2に示す塩基配列に対して0%以上の同一性を有する塩基配列からなるDNA。
(d)配列番号3に示すアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA。
(e)配列番号3に示すアミノ酸配列において1から5個のアミノ酸が欠失、置換、付加もしくは挿入またはこれらの組合せにより配列に変異が生じているアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA
産業区分
  • 微生物工業
  • 農林
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録


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