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がんの悪性度の診断方法

国内特許コード P130009396
整理番号 P11-022
掲載日 2013年6月18日
出願番号 特願2011-112067
公開番号 特開2012-239416
登録番号 特許第5942340号
出願日 平成23年5月19日(2011.5.19)
公開日 平成24年12月10日(2012.12.10)
登録日 平成28年6月3日(2016.6.3)
発明者
  • 齋藤 正夫
  • 宮澤 恵二
  • 藤井 秀樹
  • 宮園 浩平
  • 堀口 華奈
出願人
  • 国立大学法人山梨大学
発明の名称 がんの悪性度の診断方法
発明の概要 【課題】本発明は、組織や細胞に特定されないがんに共通する悪性度の指標として、EMT
(Epithelial-mesenchymal Transition;上皮間葉転換)様の形質獲得を評価する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】EMT様の形質獲得を、EMTを誘導する複数の転写因子の共通標的遺伝子であるESRPを指標として評価することにより、がんの悪性度を診断する方法を提供する。また、制がん剤のスクリーニング方法を提供する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


選択的スプライシングは、一つの遺伝子から複数の異なる転写産物を生成して、タンパク質の多様性を生み出す重要な機構のひとつである。選択的スプライシングは発生段階や組織などに応じ、時間的・空間的に厳密に制御されている。この制御の破綻はがんをはじめとする様々な疾患につながることが知られており、近年、がん細胞での異常なスプライシングバリアントの発現が、がんの発生や進行に大きく関与することが報告されてきている。



がんの悪性度とは、がんが宿主である患者に及ぼす影響の度合いを示し、治療方法の選択基準となる。がんの悪性度を決める要因としては、予後不良や転移性が高いなどがあるが、同じがんであっても悪性度は一様ではない。悪性度の診断が適切に行われれば、患者一人ひとりに合った最適な治療方法を行うことができ、質の高い医療が可能となる。具体的には、手術後に抗がん剤を用いるか否か、副作用が強くても効果の高い治療薬を用いるかどうかなどの検討を、患者に合わせて行うことが可能となる。



がんの悪性度の指標として、EMT(epithelial-mesenchymal transition;上皮間葉転換)
の獲得が着目されている。EMTは、上皮細胞が上皮としての形質である接着性や細胞骨格
成分を失い、間葉系様細胞に形態的及び機能的に変化する現象のことである。EMTは本来
、発生過程で観察された現象であったが、それ以外にも、悪性度の高いがん細胞、再発したがんや遠隔転移したがんでEMT様の形質を獲得していることが明らかとなってきた。



これまでに、EMTががん細胞を低分化型の形質に変化させて浸潤・転移能を亢進させる
ことや、同じくがんの悪性度を亢進させる要因であるがんの微小環境における線維芽細胞の生成にもEMTが関与していることがわかっている。よって、がん細胞におけるEMTの獲得を評価することができれば、がんの悪性度の診断が可能になると考えられる。



EMTを誘導する転写因子として、Snailファミリー、δEF1ファミリー、Twistなどの複数の因子が知られている。病理学的研究により、EMTを誘導する転写因子の発現が高いがん
ほど悪性度が高く、転移や再発したがんでもその発現が高いことが明らかとなっている(非特許文献1~3)。



しかし、これらの転写因子はがんの組織や細胞により様々に異なった発現をしている。よって、EMT誘導因子を、各種のがんのEMT獲得に共通の指標とするには十分ではない。他にも特定のがんに特異的な悪性度の診断指標は存在するが(特許文献1~3)、各種がんに共通に用いることのできる確立された悪性度の診断方法はない。

産業上の利用分野


本発明は、がんの悪性度の診断方法に関するものである。さらに詳しくは、がんの悪性度の診断において、EMT(Epithelial-mesenchymal transition;上皮間葉転換)を指標とする診断方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
がんの試料において、ESRPの発現が抑制されていることと、EMT誘導転写因子δEF-1及び/又はSIP1が上昇していることとを組み合わせて指標とする乳がん細胞の悪性度を検出する方法。

【請求項2】
がんの試料において、ESRPの発現が抑制されていることと、EMT誘導転写因子Snailが上昇していることとを組み合わせて指標とするすい臓がん細胞の悪性度を検出する方法。

【請求項3】
制がん剤のスクリーニング方法であって、in vitroにおいて候補物質をがん細胞またはがん組織に投与し、その後ESRPの発現と、EMT誘導転写因子δEF-1又はSIP1の発現を検出して、候補物質を投与する前よりもESRPの発現量が増加し、δEF-1又はSIP1の発現量が低下することを指標とする、乳がんの制がん剤のスクリーニング方法。

【請求項4】
制がん剤のスクリーニング方法であって、in vitroにおいて候補物質をがん細胞またはがん組織に投与し、その後ESRPの発現と、EMT誘導転写因子Snailを検出して、候補物質を投与する前よりもESRPの発現量が増加し、Snailの発現量が低下することを指標とする、すい臓がんの制がん剤のスクリーニング方法。

【請求項5】
がんの試料において、ESRPの発現が低く、EMT誘導転写因子δEF-1又はSIP1の発現が高いほど、乳がんの悪性度が高いことを特徴とする乳がん細胞の悪性度を検出する方法。

【請求項6】
がんの試料において、ESRPの発現が低く、EMT誘導転写因子Snailの発現が高いほど、すい臓がんの悪性度が高いことを特徴とするすい臓がん細胞の悪性度を検出する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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