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コンドロイチンまたはコンドロイチン硫酸を分解する分解方法、高硫酸化オリゴ糖の製造方法、ならびに組成物 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P130009419
掲載日 2013年6月20日
出願番号 特願2012-006544
公開番号 特開2012-175969
登録番号 特許第5977949号
出願日 平成24年1月16日(2012.1.16)
公開日 平成24年9月13日(2012.9.13)
登録日 平成28年7月29日(2016.7.29)
優先権データ
  • 特願2011-018625 (2011.1.31) JP
発明者
  • 杉浦 信夫
出願人
  • 学校法人 愛知医科大学
発明の名称 コンドロイチンまたはコンドロイチン硫酸を分解する分解方法、高硫酸化オリゴ糖の製造方法、ならびに組成物 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】コンドロイチン硫酸に対する反応の特異性が高いコンドロイチン硫酸分解用酵素を提供する。
【解決手段】コンドロイチン分解用またはコンドロイチン硫酸分解用の酵素は、下記の(a)、(b)または(c)のアミノ酸配列を有する。
アクセッション番号AAA81587のアミノ酸配列(a);
前記アミノ酸配列(a)の部分アミノ酸配列(b);
前記アミノ酸配列(a)または前記部分アミノ酸配列(b)をコードするDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAによってコードされるアミノ酸配列(c)
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


コンドロイチン(chondroitin:CH)は、アミノ糖誘導体とヘキソース誘導体の繰り返し構造を有する直鎖状の多糖体であるグリコサミノグリカン(glycosaminoglycan)の1つであり、N-アセチルコンドロシンのポリマーである(図1)。また、コンドロイチン硫酸(chondroitin sulfate:CS)は、コンドロイチンが硫酸化されたグリコサミノグリカンの1つである。コンドロイチン硫酸は、コアタンパク質に結合したプロテオグリカンとして動物組織に広く分布しており、動物の発生、分化、成長および再生に重要な役割を担っている。コンドロイチン硫酸は、たとえば軟骨中の主要成分として、水和力や弾性に寄与して軟骨組織形成に役立っている。また、コンドロイチン硫酸は、多様な生理活性分子との結合性を示し、生理活性分子の貯留、安定化あるいはマスキングの役割を持ち、細胞膜受容体と協働して、シグナル伝達機構を制御している。また、コンドロイチン硫酸は、神経系においては神経細胞の軸索の伸展促進や阻害効果を示し、免疫系細胞においては顆粒に存在し、免疫物質の蓄積や放出を制御している。マラリヤ原虫やウイルスなどの感染においては、コンドロイチン硫酸は、受容体となるとともに、感染阻害効果を示すことが知られている。



コンドロイチン硫酸は、分子量数万(糖鎖数20~400個)の直鎖多糖体構造を有する。この構造は、グルクロン酸(GlcA)とN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)とがβ1-3およびβ1-4で交互に結合した二糖の繰り返しを基本構造とする。コンドロイチン硫酸は、コンドロイチンが、たとえば図1に示すような多様な硫酸基修飾を受けた物質である。



具体的には、コンドロイチン硫酸は、上記GlcA-GalNAcのコンドロイチン二糖単位(0S構造ともいう)を基本とし、GalNAc残基4位が硫酸化(4S)されたA構造(4S構造ともいう)、GalNAc残基6位が硫酸化(6S)されたC構造(6S構造ともいう)、GlcA残基2位とGalNAc残基6位の二糖単位のうち2カ所が硫酸化(2S,6S)されたD構造(SD構造ともいう)、GalNAc残基の4位と6位の2カ所が硫酸化(4S,6S)されたE構造(SE構造ともいう)、GlcA残基2位、GalNAc残基4位および6位の計3カ所が硫酸化(2S,4S,6S)されたtriS構造など、様々な修飾二糖単位を含む。コンドロイチン硫酸は、図1に示した硫酸基修飾構造が組み合わさった、きわめて複雑な多糖体構造を有する。



グリコサミノグリカンには、コンドロイチン硫酸(CS)に加え、デルマタン硫酸(Dermatan sulfate:DS)、ヒアルロン酸(hyaluronic acid:HA)、ヘパラン硫酸、ヘパリン、およびケラタン硫酸(Keratan sulfate:KS)が含まれる。デルマタン硫酸は、GalNAcの4位が硫酸基修飾されGlcAの5位がエピメリ化してイデュロン酸(IdoA)になった構造(B構造)を含む、コンドロイチン硫酸と類似の糖鎖である(図1)。ヒアルロン酸(HA)は、コンドロイチンと類似の糖鎖結合を有するが、GalNAcに代えてN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)残基を有する(図1)。ヒアルロン酸は、非常に長い直鎖多糖体構造(分子量80~200万)を有する、硫酸化されていない多糖体である。ヘパラン硫酸(およびヘパリン)は、GlcAとGlcNAcの繰り返し構造を基本とするが、結合様式がβ1-4およびα1-4であり、GlcN残基の2位アミノ基、6位および3位水酸基、GlcAの2位水酸基が硫酸化され、GlcAがIdoAにエピメリ化された複雑な構造を有する。ケラタン硫酸は、他のグリコサミノグリカンとは異なり、ウロン酸に代えてD-ガラクトースを有する。



コンドロイチン硫酸分解用酵素は、コンドロイチナーゼとも呼ばれている。コンドロイチン硫酸分解用酵素には、主に動物細胞由来の加水分解酵素と、主に微生物由来の切断糖鎖の非還元末端が不飽和グルクロン酸残基となるリアーゼ(lyase)とがある。これらのコンドロイチン硫酸分解用酵素は、コンドロイチン硫酸構造解析用途や組織微細構造解析用途の試薬として市販されており、椎間板ヘルニアや脊椎損傷治療薬として臨床開発も展開されている。



リアーゼ活性を示すコンドロイチン硫酸分解用酵素として、Proteus vulgaris由来のコンドロイチナーゼABC、Flavobacterium heparinum由来のコンドロイチナーゼACIやコンドロイチナーゼB、およびArthrobacter aurescens由来のコンドロイチナーゼACIIなど、原核生物である真正細菌(バクテリア)由来の酵素が知られている。なお、ウイルス由来の酵素は知られていなかった。



コンドロイチン硫酸分解用酵素のリアーゼ活性には、基質特異性があることが知られている。つまり、コンドロイチナーゼABCは、A構造(4硫酸)およびC構造(6硫酸)をはじめ、ほとんどのコンドロイチン硫酸とB構造のデルマタン硫酸を切断する(特許文献1)。一方、コンドロイチナーゼACIおよびACIIは、A構造(4硫酸)およびC構造(6硫酸)のコンドロイチン硫酸を切断するが、イデュロン酸を持つデルマタン硫酸は切断しない。なお、Streptomyses hyalurolyticus由来のヒアルロニダーゼは、ヒアルロン酸を切断するが、コンドロイチン硫酸は切断しない。

産業上の利用分野


本発明は、コンドロイチンおよびコンドロイチン硫酸の分解技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記の(a)または(b)のアミノ酸配列を有するコンドロイチン分解用またはコンドロイチン硫酸分解用の酵素を用いてコンドロイチンまたはコンドロイチン硫酸を分解する分解方法。
配列番号のアミノ酸配列(a);
前記アミノ酸配列(a)をコードするDNAと高ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAによってコードされるアミノ酸配列(b)

【請求項2】
分解時のpHが4~9である請求項1に記載の分解方法。

【請求項3】
分解時の温度が30~60℃である請求項1または2に記載の分解方法。

【請求項4】
500mM未満のNaCl濃度にて分解する請求項1~3のいずれか1項に記載の分解方法。

【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の分解方法にてコンドロイチン硫酸を分解してオリゴ糖を生成する高硫酸化オリゴ糖の製造方法。

【請求項6】
請求項5に記載の製造方法によって得られる高硫酸化オリゴ糖を含む組成物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012006544thum.jpg
出願権利状態 登録


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