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13Cメチル基標識したタンパク質を合成する方法 コモンズ

国内特許コード P130009432
掲載日 2013年6月25日
出願番号 特願2012-151942
公開番号 特開2013-034475
出願日 平成24年7月6日(2012.7.6)
公開日 平成25年2月21日(2013.2.21)
優先権データ
  • 特願2011-152215 (2011.7.8) JP
発明者
  • 大木 進野
  • 竹内 誠
  • 森 正之
出願人
  • 国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学
発明の名称 13Cメチル基標識したタンパク質を合成する方法 コモンズ
発明の概要

【課題】大腸菌、酵母のタンパク質合成系等では、安定同位体を標識したタンパク質自体が合成できない又はリフォールディングしていない状態の安定同位体を標識したタンパク質が発現されることが多数報告されている。
【解決手段】13C標識したα-ケトイソ吉草酸又はα-ケト酪酸を含む培地を用いて本発明の合成系でタンパク質を発現させたところ、他の合成系では困難であった立体構造を維持した13Cメチル基標識したバリン、ロイシン及び/又はイソロイシンを含むタンパク質を合成できることを新規に見出し、本発明を完成した。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


{核磁気共鳴(NMR)について}
原子レベルの解像度でのタンパク質の構造、動力学、相互作用、立体構造変化等の研究には、NMRが使用されている。1980年代末まで、H-NMR実験を使用するタンパク質の構造決定は小分子(<10kDa)に限定されていた。しかし、最近では、均一な13C及び/又は15N標識法、並びに多次元的NMR技法が、20~25kDaの分子量も解析することができ、特に、NMRでの大型のタンパク質及びそれらの複合体(>25kDa)の構造及び動力学を研究するための、H、13C、および15Nを使用する高性能で安定した同位体標識法が提案されている。



初めての三重共鳴三次元NMR実験の証明の試料として、大腸菌系で発現する、均一に13C-及び15Nで二重標識したCa2+-結合タンパク質カルモジュリン(CaM)が使用された。それ以来、新規なNMR実験の開発と並行して、大腸菌を使用した様々な改変改善された試料調製法が提案されている。



大腸菌を使用したタンパク質合成法(大腸菌合成系)は、NMR試料調製には非常に一般的となった。しかし、大腸菌合成系により合成できるタンパク質は制限されている。特に、大腸菌合成系で発現する多くの真核生物タンパク質は、正確に折り畳まれず、本来の翻訳後修飾ができない、さらには大腸菌合成系では真核生物タンパク質自体が合成できないという問題があった。



(タバコBY-2懸濁液培養細胞)
タバコBY-2懸濁液培養細胞は、基礎および応用植物科学で使用される最も人気がある植物細胞系の一つである。タバコBY-2懸濁液培養細胞の特性は、幅広く活用されており、NMR試料の調製に適している。BY-2用Linsmaier-Skoog培地は調製が容易であり、動物細胞および無細胞抽出物に使用される培地よりもはるかに経済的である。
しかし、タバコBY-2を使用する既知のタンパク質発現方法は、タンパク質の生産性に関して重大な問題があった。タバコBY-2細胞によって得られる外来タンパク質の発現レベルは低く、NMR試料への使用は制限されている。



本発明者の1人である森正之博士らは、ウイルスベクターを使用することによって、懸濁液培養BY-2細胞のタンパク質の生産性を著しく改善することに成功した(参照:非特許文献1)。この改善したタンパク質合成系では、煩雑なウイルス接種手順は不要である。エストラジオールを該系に添加することで、効率良くウイルスRNAの蓄積が誘導される。さらに、該誘導に続いて、タバコBY-2懸濁液培養細胞で組換えタンパク質が効率良く大量に合成される(参照:特許文献1~4)。



また、本発明者らは、上記タバコBY-2懸濁液培養細胞を使用したタンパク質合成系を用いて15N標識タンパク質を合成できたことを報告している(参照:非特許文献2)。 しかし、該文献は、「13Cメチル基標識したバリン、ロイシン及び/又はイソロイシンを含むタンパク質を合成する方法」の開示又は示唆がない。

産業上の利用分野


本発明は、立体構造が維持された13Cメチル基標識したバリン、ロイシン及び/又はイソロイシンを含むタンパク質を合成する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の工程を含む13Cメチル基標識したバリン、ロイシン及び/又はイソロイシンを含むタンパク質の合成方法:
(1)ホルモンによって活性化される性質を有する転写因子をコードする遺伝子と、転写因子発現用プロモーターとが連結されてなる転写因子発現用DNA断片を宿主細胞に導入する第一形質転換体を作成する工程;
(2)RNAを遺伝子とするウイルスに標的タンパク質をコードする遺伝子を挿入したウイルスベクターのcDNAと、該転写因子で転写誘導される転写誘導型プロモーターとが連結されてなる目的タンパク質発現用DNA断片を、該第一形質転換体に導入して第二形質転換体を作成する工程;
(3)該第二形質転換体をα-ケトイソ吉草酸及び/又はα-ケト酪酸を含む培地で培養して、13C標識タンパク質を得る工程、ここで、該ホルモンは培養前及び/又は培養中に該培地に添加されている。

【請求項2】
前記α-ケトイソ吉草酸及び/又はα-ケト酪酸を含む培地において、α-ケトイソ吉草酸及びα-ケト酪酸の濃度が、それぞれ、100mg~1000mg/Lである請求項1の合成方法。

【請求項3】
前記α-ケトイソ吉草酸及び/又はα-ケト酪酸を含む培地において、α-ケトイソ吉草酸及びα-ケト酪酸の濃度が、それぞれ、150mg~350mg/Lである請求項1又は2の合成方法。

【請求項4】
前記標的タンパク質が、分子内にジスルフィド結合を有する請求項1~3のいずれか1の合成法。

【請求項5】
分子内にジスルフィド結合を有するタンパク質が、以下のいずれか1から選ばれる請求項4の合成方法。
(1)単鎖抗体
(2)分泌タンパク質
(3)膜タンパク質

【請求項6】
前記標的タンパク質が、以下のいずれか1から選ばれる請求項1~3のいずれか1の合成法。
(1)ウシ膵臓トリプシン阻害薬(BPTI)
(2)ストマジェン(stomagen)
(3)EPF2(EPIDERMAL PATTERNING FACTOR 2)
(4)ストレプトマイセス・スブチリシン阻害剤(SSI)
(5)AFP1(alpha-fetoprotein)

【請求項7】
前記ホルモンが、エストロジェンまたはステロイドホルモンである請求項1~6のいずれか1の合成法。

【請求項8】
前記エストロジェンで活性化される性質を有する転写因子としてLexA-VP16-hERを用い、前記転写誘導型プロモーターとしてOLexA-46を用いる請求項7の合成法。

【請求項9】
前記ウイルスベクターが、植物ウイルス由来である請求項8の合成法。

【請求項10】
前記宿主細胞および形質転換体が、植物体又は植物由来培養細胞である請求項1~9のいずれか1の合成法。

【請求項11】
前記ホルモンがエストロジェンであり、
前記宿主細胞がタバコBY2細胞であり、
前記転写因子がLexA-VP16-hERであり、
前記転写誘導型プロモーターがOLexA-46であり、
前記ウイルスベクターがトバモウイルス属に属するウイルス由来である、ことを特徴とする、請求項1~10のいずれか1の合成法。

【請求項12】
以下を含む13Cメチル基標識したバリン、ロイシン及び/又はイソロイシンを含むタンパク質の合成用キット。
(1)形質転換したBY2細胞
(2)α-ケトイソ吉草酸及び/又はα-ケト酪酸
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 審査請求前
※ 上記の特許・技術に関心のある方は、下記問合せ先にご相談下さい。


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