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遺伝子導入効率を高めたウイルスベクター及びその利用 コモンズ

国内特許コード P130009433
掲載日 2013年6月25日
出願番号 特願2012-168861
公開番号 特開2013-048618
登録番号 特許第6099121号
出願日 平成24年7月30日(2012.7.30)
公開日 平成25年3月14日(2013.3.14)
登録日 平成29年3月3日(2017.3.3)
優先権データ
  • 特願2011-167316 (2011.7.29) JP
発明者
  • 本田 謙一
  • 梶谷 耕二
  • 延山 裕之
  • 石河 修
出願人
  • 公立大学法人大阪市立大学
発明の名称 遺伝子導入効率を高めたウイルスベクター及びその利用 コモンズ
発明の概要 【課題】細胞(特に、癌細胞)に対する遺伝子導入効率を高めたウイルスベクターを提供することである。
【解決手段】エストロゲン応答配列を付加した外来遺伝子を組み込んだウイルスベクターは、細胞(特に、癌細胞)に対する遺伝子導入効率が顕著に向上しており、遺伝治療等の有用である。外来遺伝子が癌抑制遺伝子のp53遺伝子又はその変異体であり、ウイルスベクターがアデノウイルスベクターであり、エストロゲン応答配列が直接又はリンカー配列を介して付加。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


子宮体癌は、世界的にも発生患者数が増加しており、術後に有効な補助療法が必要とされる一方、若年者や未産婦に対しては手術以外の治療法の開発も望まれている。妊孕性の温存希望の患者の場合には、黄体ホルモン剤が使用され、十分な治療効果が得られるケースが多くないが、腫瘍が消失してその後に出産し再発も見られず経過した患者では、黄体ホルモン投与中の子宮体癌組織にがん抑制遺伝子産物p53が増加していることが確認されている。p53の生体内でのメカニズムについては十分に解明されておらず、p53が抗腫瘍効果に直接的に関与しているか、或いはp53によって黄体ホルモンの作用が抗腫瘍効果を奏しやすいものに変化したのかは、明らかではないが、p53の発現が癌の治療効果に関わっていると考えられている。



黄体ホルモンが、エストロゲンの作用で増殖した正常の子宮内膜組織を分泌期の状態に変化させて細胞増殖を止める役割を果たすことが知られているが、子宮内膜細胞が癌化してできたと考えられる子宮体癌が黄体ホルモンによって増殖を停止する程度に影響を受ける場合は、培養細胞でも実際の症例検討でも稀である。黄体ホルモンの正常子宮内膜に対する増殖抑制と分泌期への移行作用には、エストロゲンが先に作用している条件下で現れることからも、ホルモンだけの作用でなく、細胞周期の制御を担っているp53も関与していると考えられている。



一方、癌の治療の試みとして遺伝子治療が1990年代からなされている。特に、アデノウイルスベクターを使用することにより、挿入遺伝子の発現量が他のベクターに比べて多く、また細胞の染色体に組み込まれないため安全性が高いと評価されている(非特許文献1-3参照)。しかしながら、遺伝子治療は、癌の治療への臨床的応用では期待されたほど効果が得られ難く、抗癌剤による化学療法との併用効果が報告されているものの(非特許文献4参照)、単独療法として確立するに至っていないのが現状である。有効な遺伝子治療が確立されていない要因として、癌細胞に対する遺伝子導入効率が低く、治療有効量の導入遺伝子を細胞内で発現できないことが挙げられる。このような従来技術を背景として、細胞内への遺伝子導入効率に優れ、遺伝子治療に有効なベクターを開発することが切望されている。



なお、従来、エストロゲン応答配列をアデノウイルスベクターに組み込むことにより、挿入遺伝子の発現をコントロールできることが報告されている。例えば、非特許文献5には、エストロゲン応答配列を含むプロモーターを導入したアデノウイルスベクターを使用することにより、エストロゲンレセプターを発現する細胞において挿入遺伝子の転写活性を向上できることが報告されている。また、特許文献1には、エストロゲン応答配列を組み込んだベクターを利用することによってベクターに挿入されたレポータータンパク質の発現量からエストロゲンの量を定量評価できることが報告されている。しかしながら、これらの技術において、エストロゲン応答配列は、挿入遺伝子の発現を制御するプロモーターの上流に配置されており、ベクター内で挿入遺伝子に付加された状態で存在するものではない。また、これらの技術は、あくまでエストロゲンレセプターの存在下でエンハンサーとして機能させる目的でエストロゲン応答配列を使用しているに過ぎず、エストロゲンレセプターの有無に拘わらず遺伝子導入効率を高めるために、エストロゲン応答配列を使用できるか、或いはどのような態様で使用できるかを示唆するものではない。

産業上の利用分野


本発明は、細胞(特に、癌細胞)に対する遺伝子導入効率を高めたウイルスベクターに関する。また、本発明は、当該ウイルスベクターを用いた、遺伝子治療用の医薬組成物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
エストロゲン応答配列を付加した外来遺伝子がプロモーターに作動可能に連結されているウイルスベクターを含み、前記外来遺伝子が、コドン72がアルギニンをコードしているp53遺伝子であり、エストロゲン受容体を発現していない癌細胞又は前癌腫瘍を保有する患者に対して適用される、医薬組成物。

【請求項2】
ウイルスベクターが、アデノウイルスベクターである、請求項1に記載の医薬組成物。

【請求項3】
外来遺伝子の5’末端にエストロゲン応答配列の3’末端が直接結合している、請求項1又は2に記載の医薬組成物。

【請求項4】
遺伝子治療に使用される、請求項1乃至のいずれかに記載の医薬組成物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録


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