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円偏光発光性希土類錯体

国内特許コード P130009437
整理番号 S2012-0153-N0
掲載日 2013年6月27日
出願番号 特願2011-269916
公開番号 特開2013-121921
登録番号 特許第5849255号
出願日 平成23年12月9日(2011.12.9)
公開日 平成25年6月20日(2013.6.20)
登録日 平成27年12月11日(2015.12.11)
発明者
  • 湯浅 順平
  • 上野 紘史
  • 長谷川 靖哉
  • 河合 壯
出願人
  • 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
発明の名称 円偏光発光性希土類錯体
発明の概要 【課題】セキュリティー技術分野について十分に応用可能な円偏光発光性を有する希土類錯体、並びにそれを利用した光学機能材料及びセキュリティー技術を提供する。
【解決手段】式(7)



で代表される、7配位型の円偏光発光性希土類錯体
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


近年、円偏光発光性を示す光学機能材料を有機EL素子と組み合わせることにより、光学機能材料を3次元表示ディスプレイや電子ペーパーに応用することが期待されている。また、円偏光発光性を示す光学機能材料は、通常の可視光の中に右円偏光及び左円偏光をセキュリティー情報として付与することができることから、セキュリティーマーカーや不可視性インキの原料としても注目を集めている。



このような光学機能材料の一つに希土類錯体がある。例えば、BINAPOをはじめとするビナフチル構造配位子と、facam(3-trifluoroacetyl-D-camphorate)誘導体の両方が希土類イオンに配位した希土類錯体、TPPOをはじめとするホスフィンオキシド誘導体とfacam誘導体の両方が希土類イオンに配位した希土類錯体が報告されている(特許文献1~3)。これらの希土類錯体は、ビナフチル構造配位子やホスフィンオキシド誘導体のジアステレオマー構造に由来する不斉配位子場により、右円偏光及び左円偏光を選択的に発光する、即ち円偏光発光性を有することが分かっている。一方、4個のhfbc(3-hepatafluoro-butylryl-(+)-camphorate)が希土類イオンに配位した希土類錯体や、不斉配位子場環境下における希土類錯体が、円偏光発光性を示すことが報告されている(非特許文献1及び2)。これらの希土類錯体は8配位の構造となっている。また、不斉ビスオキサゾリンピリジン骨格配位子とアセチルアセトン誘導体が配位した希土類錯体が報告されているが(特許文献4)、この希土類錯体は9配位の構造となっている。希土類錯体は、一般に8配位又は9配位の構造をとることが多い。



分子の円偏光発光性はg値(異方性因子)で示すことができる。g値は次のように定義される値である。
CDスペクトルからのg値=Δε/ε=2(εL-εR)/(εL+εR)
(式中、εLは左円偏光における吸収係数、εRは右円偏光における吸収係数を表す。)
CPLスペクトルからのg値=ΔI/I=2(IL-IR)/(IL+IR)
(式中、ILは左回りの円偏光発光強度、IRは右回りの円偏光発光強度を表す。)
なお、g値をCDスペクトルから求める場合及びCPLスペクトルから求める場合のいずれにおいても、理論上、g値の最大絶対値は2である。



従来の有機化合物のCPLスペクトルにおけるg値は0.001程度である。これに対して、ビナフチル構造配位子とfacam誘導体の両方が配位した希土類錯体のg値は0.01程度であり、ホスフィンオキシド誘導体とfacam誘導体の両方が配位した希土類錯体のg値は0.44であることが報告されている。なお、希土類錯体が示すg値の世界最大値は約1.3である(非特許文献1参照)。
従って、これら希土類錯体のg値は従来の有機化合物のg値に比較すると格段に高く、円偏光発光性に優れているといえる。

産業上の利用分野


本発明は、円偏光発光性を示す希土類錯体、並びにそれを利用した光学機能材料及びセキュリティー技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
7配位型の円偏光発光性希土類錯体であって、
一般式(7)
【化7】


(式中、Ln(III)は3価の希土類イオンを表す。
で表されることを特徴とする円偏光発光性希土類錯体。

【請求項2】
8配位型の円偏光発光性希土類錯体であって、
一般式(11)
【化11】


(式中、Ln(III)は3価の希土類イオンを表す。
で表されることを特徴とする円偏光発光性希土類錯体。

【請求項3】
前記希土類イオンが、Nd、Sm、Eu、Tb、Ybのいずれかのイオンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の円偏光発光性希土類錯体。

【請求項4】
請求項1~のいずれかに記載の円偏光発光性希土類錯体を含むことを特徴とする光学機能材料。

【請求項5】
請求項1~のいずれかに記載の円偏光発光性希土類錯体を含むことを特徴とする円偏光フィルタ。

【請求項6】
請求項1~のいずれかに記載の円偏光発光性希土類錯体を含むことを特徴とするセキュリティーインク。

【請求項7】
請求項に記載の7配位型の円偏光発光性希土類錯体及び請求項に記載の8配位型の円偏光発光性希土類錯体から選ばれる少なくとも一種の円偏光発光性希土類錯体を、ケトン系の第1溶媒及び非ケトン系の第2溶媒を0:10~10:0の割合で混合した析出溶媒に溶解し、前記析出溶媒を除去することによって、前記7配位型の円偏光発光性希土類錯体及び前記8配位型の円偏光発光性希土類錯体を所望の比率で含む円偏光発光性希土類錯体群を得る方法。

【請求項8】
前記第1溶媒は、
一般式(12)
【化12】


(式中、E1~E2は同一又は異なる炭素数1~5の基を表す。)
で表される鎖状又は環状のケトン系溶媒であることを特徴とする、請求項に記載の円偏光発光性希土類錯体群を得る方法。

【請求項9】
前記第2溶媒はニトリル系溶媒又はハロゲン系溶媒であることを特徴とする、請求項7又は8に記載の円偏光発光性希土類錯体群を得る方法。
産業区分
  • 半導体
  • 固体素子
  • その他無機化学
  • 塗料・接着剤
  • 事務用
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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