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赤色発光半導体素子とその製造方法

国内特許コード P130009439
整理番号 S2011-0889-N0
掲載日 2013年6月27日
出願番号 特願2011-268141
公開番号 特開2013-120847
出願日 平成23年12月7日(2011.12.7)
公開日 平成25年6月17日(2013.6.17)
発明者
  • 藤原 康文
  • 西川 敦
  • 寺井 慶和
出願人
  • 国立大学法人大阪大学
発明の名称 赤色発光半導体素子とその製造方法
発明の概要

【課題】EuイオンやPrイオンの発光遷移効率を増大させ、優れた発光強度の赤色発光半導体素子とその製造方法を提供する。
【解決手段】GaN、InN、AlNまたはこれらのいずれか2つ以上の混晶を用いた赤色発光半導体素子の製造方法であって、GaN、InN、AlNまたはこれらのいずれか2つ以上の混晶を母体材料として、有機金属気相エピタキシャル法を用いて、900~1100℃の温度条件の下で、EuまたはPrを、Ga、InあるいはAlと置換するように添加した活性層を、p型層とn型層の間に、p型層とn型層の形成と一連の形成工程において形成するに際して、EuまたはPrと共に、MgまたはAlを添加する赤色発光半導体素子の製造方法。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


窒化ガリウム(GaN)などの窒化物半導体は、青色発光デバイスを構成する半導体材料として注目されており、近年では、GaNにインジウム(In)を高濃度添加することにより、緑色さらには赤色発光デバイスを実現できると期待されている。しかし、高In組成になるに従い、In組成の揺らぎやピエゾ電界効果が顕著になるため、窒化物半導体を用いた赤色発光デバイスの実現には至っていないのが現状である。



一方、窒化物半導体のワイドギャップに着目し、GaNを添加母体としてユーロピウム(Eu)やプラセオジム(Pr)が添加された半導体が赤色発光デバイスとして有望視されている。



このような状況下、本発明者らは、世界に先駆けてEuまたはPr添加GaNを活性層とする赤色発光ダイオード(LED)の実現に成功した(特許文献1)。



そして、このような赤色発光ダイオードの実現により、既に開発されている青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードと併せて、同一基板上に窒化物半導体を用いた光の三原色の発光ダイオードを集積化することが可能となるため、小型で高精細なフルカラーディスプレイや、現在の白色LEDには含まれていない赤色領域の発光が加えられたLED照明などの分野への応用が期待されている。



しかしながら、前記した赤色発光ダイオードの光出力は、現状では50μW程度に留まっており、実用化には発光強度(光出力)の更なる向上が求められている。



光出力の向上を図るためには、前記した活性層の発光中心であるEuイオンやPrイオンの発光遷移確率を高めることが必須である。しかし、EuイオンやPrイオンの発光は4f殻内遷移によっており、これらの希土類元素における4f殻内遷移は禁制遷移であるため、発光遷移確率を高めて、高い発光強度を得るためには結晶場内にEuやPrを取り込むことにより、結晶場におけるEuイオンやPrイオンの周辺局所構造の対称性を低下させる必要がある。



しかし、単にEuやPrを添加した場合には、EuイオンやPrイオンの周辺局所構造の対称性が充分に低くなっているとは言えず、発光強度(光出力)が低く抑えられていた。



従って、EuやPr以外の不純物を意図的に共添加することにより、EuイオンやPrイオンの周辺局所構造を制御することができれば、EuイオンやPrイオンによる高い発光強度(光出力)が実現できる可能性がある。



例えば、非特許文献1には、Eu添加GaN作製時にSiを意図的に共添加することにより、高い発光強度のEu、Si共添加GaNを得ることが報告されている。しかしながら、このような高い発光強度が得られているのはSi濃度が0.06原子%程度のときのみであり、また、その発光強度も充分とは言えない。



このように、不純物(共添加不純物)の添加により発光輝度の向上を図ることが一部試みられているが、不純物の添加が発光輝度に与える影響については、未だ充分に解明されていない。

産業上の利用分野


本発明は赤色発光半導体素子とその製造方法に関し、詳しくはGaN、InN、AlN等の特定の母体材料(母材)にEuまたはPrが添加された活性層をn型層とp型層との間に設けた優れた発光特性を備えた赤色発光半導体素子とその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
GaN、InN、AlNまたはこれらのいずれか2つ以上の混晶を用いた赤色発光半導体素子の製造方法であって、
GaN、InN、AlNまたはこれらのいずれか2つ以上の混晶を母体材料として、有機金属気相エピタキシャル法を用いて、900~1100℃の温度条件の下で、EuまたはPrを、Ga、InあるいはAlと置換するように添加した活性層を、p型層とn型層の間に、p型層とn型層の形成と一連の形成工程において形成するに際して、
EuまたはPrと共に、MgまたはAlを添加する
ことを特徴とする赤色発光半導体素子の製造方法。

【請求項2】
前記母体材料に添加される元素が、Euであることを特徴とする請求項1に記載の赤色発光半導体素子の製造方法。

【請求項3】
Euが、Eu{N[Si(CHまたはEu(C1119により供給されることを特徴とする請求項2に記載の赤色発光半導体素子の製造方法。

【請求項4】
GaN、InN、AlNまたはこれらのいずれか2つ以上の混晶を母体材料に用いた赤色発光半導体素子であって、
基板上に、p型層とn型層に挟まれた活性層を有しており、
前記活性層は、GaN、InN、AlNまたはこれらのいずれか2つ以上の混晶に、E
uまたはPrが、Ga、InあるいはAlと置換するように添加して形成され、さらに、EuまたはPrと共に、MgまたはAlが添加された活性層である
ことを特徴とする赤色発光半導体素子。

【請求項5】
前記活性層において、Mgの添加量が、1×1018~1×1020cm-3であることを特徴とする請求項4に記載の赤色発光半導体素子。

【請求項6】
前記活性層において、Alの添加量が、0原子%を超え40原子%を超えないことを特徴とする請求項4に記載の赤色発光半導体素子。

【請求項7】
光出力が、100μW以上であることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載の赤色発光半導体素子。

【請求項8】
GaN、InN、AlNまたはこれらのいずれか2つ以上の混晶を用いた赤色発光半導体素子であって、
基板上に、p型層とn型層に挟まれた活性層を有しており、
前記活性層は、GaN、InN、AlNまたはこれらのいずれか2つ以上の混晶に、EuまたはPrが、Ga、InあるいはAlと置換するように添加して形成され、さらに、EuまたはPrと共に、Mgが1×1018~1×1020cm-3添加された活性層であり、
光出力が100μW以上であることを特徴とする赤色発光半導体素子。

【請求項9】
GaN、InN、AlNまたはこれらのいずれか2つ以上の混晶を用いた赤色発光半導体素子であって、
基板上に、p型層とn型層に挟まれた活性層を有しており、
前記活性層は、GaN、InN、AlNまたはこれらのいずれか2つ以上の混晶に、EuまたはPrが、Ga、InあるいはAlと置換するように添加して形成され、さらに、EuまたはPrと共に、Alが0原子%を超え40原子%を超えない量添加された活性層であり、
光出力が100μW以上であることを特徴とする赤色発光半導体素子。
産業区分
  • 固体素子
  • その他無機化学
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011268141thum.jpg
出願権利状態 審査請求前
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