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電解液用溶媒、電解液、及びゲル状電解質

国内特許コード P130009470
掲載日 2013年7月4日
出願番号 特願2011-533083
登録番号 特許第5725510号
出願日 平成22年9月28日(2010.9.28)
登録日 平成27年4月10日(2015.4.10)
国際出願番号 JP2010066853
国際公開番号 WO2011037263
国際出願日 平成22年9月28日(2010.9.28)
国際公開日 平成23年3月31日(2011.3.31)
優先権データ
  • 特願2009-223373 (2009.9.28) JP
発明者
  • 藤波 達雄
  • 田中 康隆
  • 入山 恭寿
出願人
  • 国立大学法人静岡大学
発明の名称 電解液用溶媒、電解液、及びゲル状電解質
発明の概要 耐酸化性及び難燃性に優れた電解液用溶媒、電解液、及びゲル状電解質を提供する。
下記式(I)で表されるホウ酸エステルから選ばれる少なくとも1種と、下記式(II)で表されるホウ酸エステルとを含み、これらのホウ酸エステルに含まれる-ORf及び-OCHCHCNの少なくとも一部がエステル交換されている電解液用溶媒。
B(ORf) (I)
B(OCHCHCN) (II)
(式(I)におけるRfは、それぞれ独立してCH(CFCF又はCH(CFを表し、nは0以上6以下の整数である。)
従来技術、競合技術の概要


リチウム二次電池は放電電圧及びエネルギー密度が高いことから、ノートパソコンや携帯電話などの携帯電子機器用の電源として広く普及している。また、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車用電源としての開発が進められている。プラグインハイブリッド車や電気自動車の一充電あたりの走行距離を伸ばすことが重要課題であり、また、HEV(ハイブリッド電気自動車)でも蓄電池の軽量化及び出力を高くすることが求められている。



車載用リチウム電池のエネルギー密度(Wh/Kg=VAh/Kg)を大きくするためには、電極活物質の容量(Ah/Kg)を大きくすることと、放電電圧(V)を高電位化する二つの方法があり、これらを併用することが望まれている。また、現在用いられているコバルト酸リチウム正極では、4.2Vの充電では約半分のリチウムしか利用されていないが、高電位化してリチウムイオンの利用率を高めることができればエネルギー密度の向上が可能となる。



従来、リチウムイオン二次電池の電解質は、非プロトン性有機溶媒にリチウム塩を溶解させた液体電解質、または、それらをPVDF-HFP(多孔性ポリビニリデンフッ化物‐ヘキサフルオロプロピレン)などの多孔性構造材料に含浸させたゲルポリマー電解質から構成されているが、可燃性の有機溶媒の使用は電池が大型化するほど安全上の問題が大きくなり、電解液の不燃化あるいは難燃化が求められている。



例えば、無機固体電解質は安全性の高い不燃性電解質である。イオン導電率も高く(10-3S/cmオーダー)、電気化学的にも安定な酸化物系及び硫化物系材料が報告されている。しかし、無機物質であるため脆く、セルの形成が困難である。また、電極と電解質のコンタクトが悪いという問題がある。



ポリマー電解質は真性ポリマー電解質(以下「ポリマー電解質」と記す。)とゲル電解質に分類される。
ポリマー電解質は、ポリエチレンオキシドなどのホストポリマーにリチウム塩を溶解させた電解質である。ポリマー電解質を用いる電池は全固体型であることから、液漏れの恐れがなく、安全性が高い。しかし、ポリマー電解質はイオン導電率の温度依存性が大きく、室温でのイオン導電度がやや低い(10-4S/cmオーダー)上に、零下の低温域では大きく低下してしまい電池の作動も困難になる。
一方、ゲル電解質はポリマーを有機電解液で膨潤させた電解質であり、ポリマー電解質に比べてイオン伝導率が高い(10-3S/cmオーダー)。また、電極との界面抵抗が小さく、ゲル電解質を用いた電池は既に実用化、商品化の段階にある。しかし、有機溶媒を用いているため、ポリマー電解質に比べ安全性が低い。



また、イオン性液体電解質は、融点が室温以下の溶融塩にリチウム塩を溶解させた電解質である。イオン性液体電解質は、イオン導電率は高いが、負極での電気化学的安定性、低温特性及びコストの改善に課題がある。



高電位でも高い電気化学的安定性を示す電解液として、フッ素系溶媒及びシアノ基を有する溶媒を用いた電解液等がある。例えば、フッ素置換炭酸エステル電解液は約6Vの高い耐酸化性を有する。しかし、フッ素系溶媒はリチウム塩の溶解性が低下する問題がある。



Lewis酸性のホウ素化合物は、アニオンを捕捉する機能があり、リチウム塩の解離を促進し、イオン導電率が向上する。また、ホウ素化合物は難燃効果のあることも知られている。そのため、ホウ素を含むリチウム塩の他、電解液への利用やポリマー電解質への利用がなされている。最も一般的なホウ素化合物であるホウ酸エステルの電解液への利用もなされており、例えば、ホウ酸エステルと有機電解系との混合による電極の界面抵抗の増大の抑制や高温保存での劣化の抑制(特開2003-132946号公報、特開2003-317800号公報参照)、燃焼性抑制による安全化(特開2002-334717号公報、特開2008-300125号公報参照)などが提案されている。

産業上の利用分野


本発明は、電解液用溶媒、電解液、及びゲル状電解質に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(I)で表されるホウ酸エステルから選ばれる少なくとも1種と、下記式(II)で表されるホウ酸エステルと、下記式(III)で表されるホウ酸エステル及び炭酸エステルから選ばれる少なくとも1種とを含み、前記式(I)で表されるホウ酸エステルに含まれる-ORf及び前記式(II)で表されるホウ酸エステルに含まれる-OCHCHCNの少なくとも一部がエステル交換されている電解液用溶媒。
B(ORf) (I)
B(OCHCHCN) (II)
(式(I)におけるRfは、それぞれ独立してCH(CFCF又はCH(CFを表し、nは0以上6以下の整数である。)
B(OR)



(III)
(式(III)において、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基又はt-ブチル基を表す。)

【請求項2】
前記式(I)で表されるホウ酸エステルと前記式(II)で表されるホウ酸エステルとの混合モル比が、2:1~1:6である請求項1に記載の電解液用溶媒。

【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電解液用溶媒にリチウム塩を溶解した電解液。

【請求項4】
前記リチウム塩がLiPFである請求項3に記載の電解液。

【請求項5】
前記リチウム塩がLiBFである請求項に記載の電解液。

【請求項6】
請求項3~請求項5のいずれか1項に記載の電解液とポリマーとを含むゲル状電解質。
産業区分
  • その他電子
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011533083thum.jpg
出願権利状態 登録
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