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光学的センサ及びその製造方法 外国出願あり

国内特許コード P130009534
整理番号 612
掲載日 2013年7月10日
出願番号 特願2006-550853
登録番号 特許第4783907号
出願日 平成17年12月28日(2005.12.28)
登録日 平成23年7月22日(2011.7.22)
国際出願番号 JP2005024100
国際公開番号 WO2006073117
国際出願日 平成17年12月28日(2005.12.28)
国際公開日 平成18年7月13日(2006.7.13)
優先権データ
  • 特願2005-003019 (2005.1.7) JP
発明者
  • 鈴木 基史
  • 福岡 隆夫
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 光学的センサ及びその製造方法 外国出願あり
発明の概要

本発明に係る光学的センサは、貴金属の局所プラズモンの励起を利用した表面増強ラマン散乱法やプラズモン共鳴分光法などの光を利用して分子計測を行う光学的センサの感度を飛躍的に高めるものである。基体上に斜め方向から透明な物質を蒸着するとともに、その方向を随時反転することで所定のアスペクト比を有する異方形状の微小柱状体を多数その長手方向及び短手方向を揃えて形成する透明物質蒸着工程と、形成された微小柱状体の表面に貴金属を蒸着する貴金属蒸着工程とから構成することにより、非常に安価な方法で、高い感度の光学的センサを作製することができる。

従来技術、競合技術の概要


近年、AuやAgなどの貴金属の局所プラズモンを励起した際に起きる局所電場の増強効果によってラマン散乱の感度を向上させる表面増強ラマン散乱法や、局所プラズモンの共鳴周波数が周囲の誘電率に敏感であるという特性を利用したプラズモン共鳴分光法などといった、光を用いて分子計測を行う光学的センサに関する研究が盛んに行われている。



光学的センサによって分子計測を行う場合、通常、目的とする物質を含む溶液をセンサ表面に滴下した後、プローブ光を測定方法に沿った条件(光の種類、強度、入射角など)で入射し、反射光などを光検出器によって受光して解析することにより、物質の計測(同定)を行う。このような光学的センサの計測感度を一分子レベルにまで高めることが可能となれば、医療、バイオ、環境といった様々な分野への適用・応用が期待される。



光による分子計測に使用されるセンサの感度を高めるためには、貴金属ナノ粒子の形状と配列を制御することが鍵となる。局所電場を増強する表面電荷はナノ粒子の端部に現れるため、この制御を適切に行うことができれば計測感度が飛躍的に向上する。また、センサが現実的な製品として利用可能であるためには、その感度が高いことはもちろん、センサ作製の再現性が高いことや製造コストが低廉であることも同時に要求される。



上記のような条件を満たすセンサを得ることを目的として、これまでに種々の技術が開発・開示されてきている。例えば、非特許文献1には、表面増強ラマン散乱の基板を作製する方法として、ナノ球リソグラフィ技術が開示されている。この技術を用いることにより、三角形のナノ粒子を互いの頂点が向かい合うように規則的に配置することを比較的簡便な手法によって行うことができ、高感度の分子計測が可能となる。しかし、本技術による局所電場の増強効果は、ナノ粒子の形状が三角形であることに起因する限界がある。



また、特許文献1には、ラマン散乱の測定用センサに関する技術として、表面に金属をコーティングした同径同寸の粒子を、粒子層の表面に周期的な凹凸を形成するように周期的に配列したセンサ及びその製造方法が開示されている。このセンサは、一様性及び高再現性を有しているとともに、簡便且つ安価に作製することが可能である。とはいえ、粒子形状が球形であるため、計測感度はまだ十分に高いとは言えない。



ナノ粒子の形状及び配置を制御する他の方法として、ホログラフィや電子線リソグラフィなどがある。この方法を用いれば、ナノメートルレベルの粒子を規則正しく配列させることが可能である(例えば、特許文献3及び非特許文献2参照)。
ところが、この方法はコストがかかりすぎるため、分子計測のための使い捨てセンサの製造方法としては現実的ではない。



表面増強ラマン散乱基板に関するさらに別の技術として、特許文献4には、基板に対して金属を斜め蒸着し、基板に対して斜めに成長した針状のコラム構造を利用した基板が記載されている。この方法によればnmレベルの細長い金属ナノロッドを自己集合的に形成することが可能であるが、針状コラムが互いに先端をつきあわせる形で配列することがないため、増強効果に限界がある。




【特許文献1】特開2004-170334号公報

【特許文献2】特開2002-372620号公報

【特許文献3】米国特許第4448485号公報

【特許文献4】米国特許第5017007号公報

【非特許文献1】John C. Hulteen et al. "Nanosphere Lithography: Size-Tunable Silver Nanoparticle and Surface Cluster Arrays", J. Phys. Chem. B, 103, 3854-3863(1999)

【非特許文献2】P.F. Liao et al. "Surface-enhanced raman scattering from microlithographic silver particle surfaces", Chemical Physics Letters Volume 82, number 2, 1 September 1981

産業上の利用分野


本発明は分子計測に用いられる光学的センサ及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 基体上に斜め方向から透明な物質を蒸着するとともに、その方向を随時反転することで所定のアスペクト比を有する異方形状の微小柱状体を多数その長手方向及び短手方向を揃えて形成する透明物質蒸着工程と、形成された微小柱状体の表面に貴金属を蒸着する貴金属蒸着工程と、から成ることを特徴とする分子計測を行うためのラマン光の測定に用いられる光学的センサの製造方法。
【請求項2】 請求項1に記載の製造方法において、前記透明物質蒸着工程と、貴金属蒸着工程のそれぞれを少なくとも2回以上行うことにより、前記貴金属部を少なくとも各微小柱状体の中間部分に形成することを特徴とする光学的センサの製造方法。
【請求項3】 前記貴金属部がAu、Ag、Cuのいずれかから成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学的センサの製造方法。
【請求項4】 請求項1~3のいずれかに記載の製造方法によって製造された、分子計測を行うためのラマン光の測定に用いられる光学的センサであって、
基体と、この基体上に形成された、該基体に略平行な断面が所定のアスペクト比を有する多数の微小柱状体と、から成り、
各微小柱状体が、透明部と、微小柱状体の形状に応じた異方形状を有し、少なくとも各微小柱状体の頂部又は中間部分に形成されている貴金属部と、の組合せで構成されているとともに、
多数の微小柱状体が、前記基体に略平行な断面の長手方向が略直線状あるいは略平行となるように配置されており、
偏光方向が前記長手方向と同じ方向である光が入射したときにラマン光を増強することを特徴とする光学的センサ。
【請求項5】 前記貴金属部がAu、Ag、Cuのいずれかから成ることを特徴とする請求項4に記載の光学的センサ。
【請求項6】 請求項4又は5に記載された光学的センサ用のラマン光測定装置であって、
光学的センサの表面に垂直に直線偏光レーザを照射する入射光部と、
該光学的センサを透過した透過光の強度を測定する透過光モニタ部と、
該透過光モニタ部において測定される透過光の強度が最小となるように前記光学的センサを入射光に対して垂直な平面内で回転させる回転制御部と、
を含むことを特徴とする光学的センサ用のラマン光測定装置。
【請求項7】 請求項4又は5に記載された光学的センサ用のラマン光測定装置であって、
光学的センサの表面に垂直に直線偏光レーザを照射する入射光部と、
該光学的センサの下部に、直線偏光レーザの偏光の向きに対して主軸の向きが45°となるように設けられる1/4波長板と、
該1/4波長板の下部に設けられるミラーと、
を含むことを特徴とする光学的センサ用のラマン光測定装置。
【請求項8】 請求項7に記載の光学的センサ用のラマン光測定装置において、
光学的センサとミラーとの間に設けられ、光学的センサを透過した透過光の強度を測定する透過光モニタ部と、
該透過光モニタ部において測定される透過光の強度が最小となるように前記光学的センサを入射光に対して垂直な平面内で回転させる回転制御部と、
を更に含むことを特徴とする光学的センサ用のラマン光測定装置。
産業区分
  • 試験、検査
  • その他機械要素
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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