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新規イオンチャネル様ポリペプチドおよびその利用

国内特許コード P130009535
整理番号 656
掲載日 2013年7月10日
出願番号 特願2006-544779
登録番号 特許第4802331号
出願日 平成17年5月13日(2005.5.13)
登録日 平成23年8月19日(2011.8.19)
国際出願番号 JP2005008807
国際公開番号 WO2006054371
国際出願日 平成17年5月13日(2005.5.13)
国際公開日 平成18年5月26日(2006.5.26)
優先権データ
  • 特願2004-332070 (2004.11.16) JP
発明者
  • 佐藤 矩行
  • 岡村 康司
  • 岩崎 広英
  • 村田 喜理
出願人
  • 国立大学法人京都大学
  • 大学共同利用機関法人自然科学研究機構
発明の名称 新規イオンチャネル様ポリペプチドおよびその利用
発明の概要

本発明は、直接のイオン流を必要とすることなく電気的なシグナルを化学的なシグナルに変換し得る単一ポリペプチドを提供する。本発明に係るポリペプチドは、特定の領域が単独で電位センサーとして機能し得、別の領域がホスファターゼ活性を有する新規膜タンパク質であり得る。一実施形態において、本発明に係るポリペプチドは、配列番号2に示されるアミノ酸配列の第1~239位からなることが好ましい。

従来技術、競合技術の概要
【0002】
イオンチャネルは、細胞膜上に存在して細胞へのイオンの透過を制御する。具体的には、イオンチャネルは、細胞膜を貫通する構造を有しており、さまざまな刺激によって開閉することによって、細胞内へのイオンの流入、または細胞外へのイオンの排出を司る。このようなイオンチャネルは、筋収縮、神経伝達物質の放出、インスリンの分泌など重要な生体反応を惹起する分子の1つである。例えば、神経細胞の電気的な情報伝達にはナトリウムチャネルやカリウムチャネルが必要であり、筋肉の収縮にはカルシウムチャネルが不可欠である。イオンチャネルとしては、細胞内外の電位差に応じて開閉する電位依存性イオンチャネル、レセプターと複合体化してそのリガンドの結合に応じて開閉するレセプター作動性イオンチャネルが挙げられる。
【0003】
本発明者らは、これまで、原索動物であるホヤを用いてイオンチャネルを介した電気的活動を解析している。
【0004】
ホヤは、尾索動物群に属する動物であって、頭索動物(例えば、ナメクジウオ)および脊椎動物(例えば、カエル、ヒトなど)とともに、脊索動物門を構成する。脊索動物であるホヤの遺伝子には、脊椎動物のような遺伝子の重複がなく、遺伝子重複前の脊索動物の基本型を保っている。また、ホヤのオタマジャクシ型幼生の体制は、脊索動物の体制の最も単純な型(原型)を表している。したがって、脊索動物であるホヤは、ヒトを含む脊椎動物全般の発生メカニズムの解明に最適のモデル動物であり、ホヤにおいて発現する遺伝子は、遺伝子治療および再生医療などの医療分野、さらには環境分野、食品分野などの種々の分野に、それら遺伝子は応用できると期待されている。
【0005】
本発明者らは、以前、カタユウレイボヤの尾芽胚における遺伝子発現プロファイルを報告している(例えば、非特許文献1を参照のこと)。
【0006】
また、本発明者らは、カタユウレイボヤ(Ciona intestinalis)の受精卵、卵割期胚、尾芽胚、幼生、幼若体または精巣で発現する遺伝子のmRNAに対して、3’側76,920および5’側76,250のEST(expressed sequence tag:発現配列タグ)解析を行い、これらの中から約5,000の遺伝子を選んでその発現をin situハイブリダイゼーションによって調べ、約500の遺伝子がホヤの尾芽胚、幼生、または幼若体の組織あるいは器官において特異的に発現することを見出し、さらにそれらの中から261の遺伝子のmRNA(cDNA)の全塩基配列を決定した(例えば、特許文献1を参照のこと)。
【0007】
さらに本発明者は、カタユウレイボヤの尾芽胚および幼生で発現する遺伝子のmRNAに対して、3’側約23,000および5’側約23,000のEST解析を行い、これらの中から約3,000の遺伝子を選んでその発現をin situハイブリダイゼーションによって調べ、約200の遺伝子が、ホヤの神経系(中枢神経系または末梢神経系)で発現することを見出し、さらにそれらの中から108の遺伝子のmRNA(cDNA)の全塩基配列を決定した(例えば、特許文献2を参照のこと)。
【0008】
〔特許文献1〕
特開2004-57129公報(平成16年2月26日公開)
〔特許文献2〕
特開2004-57127公報(平成16年2月26日公開)
〔非特許文献1〕
Development 128,2893-2904(2001)。
【0009】
イオンチャネルに関する研究において、アフリカツメガエルの卵母細胞などに遺伝子導入手法によってイオンチャネルを発現させ、電気生理学の手法で解析する実験系が確立している。このような実験系を用いて、イオンチャネルの機能およびその制御機構、またはイオンチャネル活性に与える薬剤の影響などが調べられている。
【0010】
一般的に、薬剤がイオンチャネルに与える影響を調べるためには、細胞内外にイオンが出入りした際に発生するごく微量の電流を捉える必要があり、細胞膜の電圧を細胞から測定する際には、直接的な電気的測定、または電圧感受性色素などを用いた定量的解析が必要であったが、これらの手法では、細胞における局所の膜電位の情報を得ることは困難であった。特に、精子などの構造が小さく、電気生理学的手法が用いにくい材料については解析が不可能であった。また、このような実験を遂行するためには熟練した技術が必要でありかつ手間もかかる。
【0011】
さらに、酵素またはレセプターに関する研究で用いられているスクリーニング方法は、イオンチャネルに関する研究にはそのまま適用することができない。従って、イオンチャネルに関する創薬の研究は、あまり進んでいない。実際に、イオンチャネルに作用する薬剤として知られているものは、降圧薬としてのカルシウム拮抗薬または局所麻酔薬などのみである。
【0012】
このように、生体の生理機能とイオンチャネル分子との関係がこれまで広範に研究されているものの、全てのチャネル様タンパク質が同定されているとはいえず、解明されていないことが依然として多い。そのため、単純な生物においてゲノムレベルから個体レベルまでチャネル機能を網羅的に解析することは有用である。
産業上の利用分野
【0001】
本発明は、直接のイオン流を必要とすることなく電気的なシグナルを化学的なシグナルに変換し得る単一ポリペプチドに関するものである。
特許請求の範囲 【請求項1】 電位センサーとして機能し得るポリペプチドであって:
(a)配列番号に示されるアミノ酸配列の第1~239位;または
(b)配列番号に示されるアミノ酸配列の第1~239位において、1個もしくは数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列
からなることを特徴とするポリペプチド。
【請求項2】 電位センサーとして機能し得るポリペプチドであって:
(a)配列番号に示されるアミノ酸配列の第1~255位;または
(b)配列番号に示されるアミノ酸配列の第1~255位において、1個もしくは数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列
からなることを特徴とするポリペプチド。
【請求項3】 請求項1または2に記載のポリペプチドをコードすることを特徴とするポリヌクレオチド。
【請求項4】 配列番号に示されるアミノ酸配列からなることを特徴とするポリペプチド。
【請求項5】 請求項4に記載のポリペプチドをコードすることを特徴とするポリヌクレオチド。
【請求項6】 直接のイオン流を必要とすることなく電気的なシグナルを化学的なシグナルに変換し得るポリペプチドであって:
(a)配列番号に示されるアミノ酸配列;または
(b)配列番号に示されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列
からなることを特徴とするポリペプチド。
【請求項7】 配列番号に示されるアミノ酸配列の第85~96位を含むポリペプチド。
【請求項8】 請求項7に記載のポリペプチドに結合することを特徴とする抗体。
【請求項9】 イノシトールリン脂質ホスファターゼ活性を有するポリペプチドであって:
(a)配列番号に示されるアミノ酸配列の第256~576位;または
(b)配列番号に示されるアミノ酸配列の第256~576位において、1個もしくは数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列
からなることを特徴とするポリペプチド。
【請求項10】 請求項9に記載のポリペプチドをコードすることを特徴とするポリヌクレオチド。
産業区分
  • 微生物工業
  • 食品
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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