TOP > 国内特許検索 > 生物組織固定・包埋・薄切用カセット及びその操作方法

生物組織固定・包埋・薄切用カセット及びその操作方法 実績あり 外国出願あり

国内特許コード P130009538
整理番号 1035
掲載日 2013年7月10日
出願番号 特願2007-551954
登録番号 特許第4792586号
出願日 平成18年12月25日(2006.12.25)
登録日 平成23年8月5日(2011.8.5)
国際出願番号 JP2006325771
国際公開番号 WO2007074769
国際出願日 平成18年12月25日(2006.12.25)
国際公開日 平成19年7月5日(2007.7.5)
優先権データ
  • 特願2005-375186 (2005.12.27) JP
発明者
  • 天野 殖
  • 戸田 好信
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 生物組織固定・包埋・薄切用カセット及びその操作方法 実績あり 外国出願あり
発明の概要

薄切可能な素材で容器を作成して、採取された生物組織を容器に収納後、固定から薄切まで容器を変えることなく標本作製過程を行い、生物組織の正確な組織検査情報を得ることができ、作業の簡略化と、組織の挫滅の可能性を低く抑え、標本の取り違えなどのミスを無くすことができる生物組織固定・包埋・薄切用カセット及びこのカセットを用いた生物組織を固定・包埋してブロックにし、さらには固定・包埋・薄切操作する方法を得ることである。
生物組織固定・包埋・薄切用カセット10Aは、薄切可能、かつ所定以上の強度の素材シートを用いた基部シート11’と蓋シート12’から成り、基部シート11’は生物組織を収容する収納部として溝13を持ち、蓋シート12’は基部シート11’と一体の素材の長尺状の薄いプラスチックのシートを折曲部14で2つに折曲させ、基部シート11’と一体として蓋シート12’を開閉するようにしたものであり、蓋シート12’には基部シート11’の底面構造に対応した部位に組織密着・保持部材のスポンジ素材13aで生物組織を底面に密着させて固定剤で固定した後、脱水、浸透し包埋剤のパラフィンで包埋し、かつ包埋枠を含めて薄切用ブロックを形成し、ブロックをミクロトームで薄切して良好な生物組織標本を作成することができる。

従来技術、競合技術の概要


生物体より採取された組織からその組織の状態を調べる場合、組織検査室で検査し、組織の病理学的診断を行い、又、形態研究のために生物組織をカセットに収納し、固定、包埋、さらに薄切という一連の作業が一般に行われる。このような従来の一般的な操作作業は、まず生物体より採取された組織を、直接固定液の入った瓶に入れたり、ナイロンメッシュの袋に入れた後、固定液の入った瓶に入れたり、あるいは多孔板で形成された図17に示すようなカセット1に収納し、図示していない蓋を閉じてこのカセット容器をホルマリン、純エタノール、アセトン等の固定液の入った瓶に入れ、組織を固定する。



図17において、2は容器内に設けられた仕切り、3は容器底面に設けられた多数の小孔、4はカセットの蓋のはめ込み部分である。そして、この生物組織を収納したカセットを入れた固定容器を組織検査室に運ぶ。場合によっては既に固定された生物組織を新たにカセット容器に入れて以下の操作に供することもある。検査室では、既にカセット容器に収納され固定された組織については、カセット容器の蓋を開けて中の生物組織を確かめると共にその組織とカセット容器に記載されている患者情報の内容を確認した後、蓋を閉じて自動包埋装置にセットする。小さな生検組織では、初めからカセットに入っていることは少なく、この時点で固定瓶から小組織専用のカセットに入れ替えられる。



カセットに入っていない生物組織で固定瓶の中で固定液に浸漬されている組織は、固定瓶中の組織を新たにカセット容器に入れ替えた後、自動包埋装置にセットする。ナイロンメッシュに入って固定された組織はそのまま自動包埋装置にセットすることが出来る。自動包埋装置ではカセット容器や、ナイロンメッシュに入った組織が自動的に脱水、パラフィン浸透操作を受ける。パラフィン浸透が終了すると、自動包埋装置から組織の入ったカセット容器、あるいはナイロンメッシュを取り出して、隣接する包埋センターのパラフィン槽に移す。なお、自動包埋装置とは生物組織の脱水からパラフィン浸透までの一連の操作を自動的に行う装置である。



また、包埋センターとは包埋剤で浸透された組織を包埋、冷却する装置である。現在ほとんどの検査室では自動包埋装置及び包埋センターが使用されているが、自動包埋装置を使用することなく、生物組織の入った固定・包埋・薄切用カセットを手動で脱水、パラフィン浸透させ、また包埋センターを使用せず手動で、包埋・冷却操作を行うことも出来る。次に、包埋センターのテーブル上に別途用意された包埋皿を所定位置にセットし、融解したパラフィンを包埋皿内に少量流し込む。



この包埋皿のパラフィン内に、包埋センター内のパラフィン槽から出したカセット容器内、あるいはナイロンメッシュ内の生物組織をピンセットで取り出して、包埋皿の中に生物組織をセットする。次いで包埋皿の上に包埋枠を乗せて、上から融解パラフィンを流し込み、生物組織と一体となった包埋枠を含む包埋皿を包埋センターに隣接する冷却部上に置いて冷却する。これによりパラフィンが固まると、生物組織と包埋枠を一体に形成したブロック、すなわち薄切用包埋ブロックを包埋皿から外す。そして、このブロックをミクロトーム(薄切装置)にセットして薄切する。上記の一般的な固定・包埋・薄切方法については特許文献1にも記載されている。

【特許文献1】特開平8-211047号公報

産業上の利用分野


この発明は、生物組織の固定、脱水、包埋剤への浸透並びに包埋、さらには薄切までの一連の作業を同一の容器(カセット)内で行うことにより組織標本作成の操作過程を簡素化、省力化し他の検体の混入を排除し得る生物組織固定・包埋・薄切の操作を可能とする固定・包埋・薄切用カセット及びその操作方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 所定以上の硬さ及び強度の薄切可能な素材板からなり採取された生物組織を載置する基板11と、基板11と一体の前記素材板を折曲させ、又は別体の前記素材板を着脱自在として開閉する蓋板12とを備え、基板11に生物組織を密着・保持して収納する収納部13Bを設け、蓋板12を閉じてその間に生物組織を密着・保持し生物組織の移動を阻止する密着・保持部材13Aを基板11の収納部13B内に蓋板12を介して又は着脱自在に設け、基板(11)および蓋板(12)には固定および包埋に用いる液が浸入可能な多数の小孔16を設けた生物組織固定・包埋・薄切用カセット。
【請求項2】 前記収納部13Bを、短冊状の生物組織の形状に対応する溝13、不整な生物組織の形状に対応する凹み13b、又は不整形な生物組織を収納するのに十分な平面状広さを有する凹み13bのいずれかとしたことを特徴とする請求項1に記載の生物組織固定・包埋・薄切用カセット。
【請求項3】 前記薄切可能な素材を耐水性、耐固定剤性、耐有機溶剤性、耐包埋剤性、かつ-30℃~65℃の耐温度性を有する合成高分子化合物、特殊加工紙類、又は上記素材と同等の特性を有する生物素材からなる板のいずれかとしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の生物組織固定・包埋・薄切用カセット。
【請求項4】 前記基板11の外周辺に沿って周縁板17を形成し、その側辺に支持部材17aを設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の生物組織固定・包埋・薄切用カセット。
【請求項5】 前記請求項4に記載の生物組織固定・包埋・薄切用カセットの基板11下の収納部13B内に生物組織を収容し、蓋板12を閉じて生物組織固定・包埋・薄切用カセットを固定液中に浸漬して、密着・保持部材13Aで生物組織を定着させた状態で生物組織を固定し、その後固定・包埋・薄切用カセットを自動包埋装置に設置して脱水した後、包埋剤浸透槽内に入れて固定・包埋・薄切用カセット内の生物組織に包埋剤を浸透させ、次いでこの固定・包埋・薄切用カセットを自動包埋装置より取り出し包埋皿40内に入れ、その上から包埋剤を注入し、固定・包埋・薄切用カセットを包埋した後、包埋皿40を分離して薄切用包埋ブロックを形成し、この薄切用包埋ブロックを、組織切片作成用ミクロトームに設置して、固定・包埋・薄切用カセットを含む薄切用包埋ブロックを薄切する生物組織の固定・包埋・薄切用カセットの固定・包埋・薄切操作方法。
【請求項6】 前記請求項1乃至4のいずれかに記載の固定・包埋・薄切用カセットに生物組織を入れた後、直ちに固定・包埋・薄切用カセット内に凍結切片作成用包埋剤を注入包埋し、蓋板12で蓋をした後、固定・包埋・薄切用カセットを冷凍し、その後、クリオスタットで薄切する生物組織の固定・包埋・薄切用カセットの固定・包埋・薄切操作方法。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2007551954thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close