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リグニン含有ミクロフィブリル化植物繊維及びその製造方法

国内特許コード P130009542
整理番号 1750
掲載日 2013年7月10日
出願番号 特願2008-153489
公開番号 特開2009-019200
登録番号 特許第5398180号
出願日 平成20年6月11日(2008.6.11)
公開日 平成21年1月29日(2009.1.29)
登録日 平成25年11月1日(2013.11.1)
優先権データ
  • 特願2007-153897 (2007.6.11) JP
発明者
  • 中坪 文明
  • 矢野 浩之
  • 阿部 賢太郎
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 リグニン含有ミクロフィブリル化植物繊維及びその製造方法
発明の概要

【課題】表面に水酸基が多く存在し微小かつ比表面積が大きいため水系で扱いづらかったミクロフィブリル化セルロースの改良。
【解決手段】リグニンが除去されていない或いはリグニンの一部が除去されたパルプ、例えばセルロース重量に対して2~70重量%程度のリグニンを含有するパルプを、必要に応じて蒸し、機械的に解繊処理することによって、リグニン及びヘミセルロースを含有し、水系で扱いやすいミクロフィブリル化植物繊維が得られ、該植物繊維の成形体、該植物繊維を配合した繊維強化樹脂を提供できる。該植物繊維は、セルロースミクロフィブリル及び/又はセルロースミクロフィブリル束の周囲がヘミセルロース、リグニンの順で被覆された構造と推定される。【効果】該ミクロフィブリル化植物繊維は水系で扱いやすく、樹脂とのなじみが良く、分解温度が従来のミクロフィブリル化セルロースより高く熱安定性に優れる。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


植物構造体は、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンを主たる構成成分としている。植物構造体の微細構造では、通常、約40本のセルロース分子が、水素結合で結合し、幅数nm(通常4~5nm程度)のセルロースミクロフィブリルを形成している。そして、セルロースミクロフィブリルが数個集まってセルロース微繊維(セルロースミクロフィブル束)を形成している。ヘミセルロースはセルロースミクロフィブリル同士の間隙やセルロースミクロフィブリルの周囲に存在している。そして、リグニンがセルロースミクロフィブリル同士の間隙に充填されている。



セルロースミクロフィブリルは高い強度及び低い密度を備え、さらに近年の環境負荷の観点から、植物原料からセルロースミクロフィブリル又はセルロース微繊維を取り出し、利用することが試みられている。例えば、樹脂にアラミド繊維等の合成繊維を配合し物理的特性の向上を図る繊維強化樹脂が知られているが、この繊維として植物原料から取り出したセルロース微繊維(ミクロフィブリル化セルロース)あるいはセルロースミクロフィブリルを利用することが試みられている。また、微小繊維状セルロースを含む木質セメント成形体としての利用も試みられている(例えば、特許文献1参照)。



一方、製紙、パルプ産業の分野では、植物原料からリグニン、ヘミセルロース、セルロース等を分離することによって、各成分の有効利用が図られていた。このため、リグニン、ヘミセルロース等の非結晶成分の分離方法も発達しており、例えば、水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムの混合液で加圧加熱処理するクラフトパルプ法、ソーダパルプ法、亜硫酸パルプ法などをはじめ、次亜塩素酸ナトリウム溶液処理後シュウ酸アンモニウム水溶液で処理する方法(常圧でも可能)などが行われていた。ミクロフィブリル化セルロースを植物原料から製造する場合も、製紙、パルプ産業と同じような考え方が中心であり、リグニン、ヘミセルロースといった非結晶成分を上記の製紙、パルプ産業分野で知られた化学的処理或いはこれを適宜変更した処理により除去していわゆる粗パルプとし、これを機械的に(例えばグラインダー、臼、高圧ホモジナイザー等で)解繊し、ミクロフィブリル化セルロースを製造していた。リグニン、ヘミセルロース等の成分には、互いに結合する作用或いはセルロース繊維等と結合し、接着する作用が知られているため、これらの成分が存在すると、解繊がうまくできないと考えられていたため、リグニンの除去された粗パルプがミクロフィブリル化の原料として利用されていたのである。【特許文献1】特開2005-059513号公報

産業上の利用分野


本発明は、パルプのミクロフィブリル化技術に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
セルロース重量に対してリグニンを14.3~70重量%含有したパルプを機械的に解繊することによって得られるミクロフィブリル化植物繊維。

【請求項2】
機械的な解繊処理が磨砕処理である請求項1に記載のミクロフィブリル化植物繊維。

【請求項3】
セルロースミクロフィブリル及び/又はセルロースミクロフィブリル束の周囲をヘミセルロース及び/又はリグニンが被覆した構造である請求項1又は2に記載のミクロフィブリル化植物繊維。

【請求項4】
セルロースミクロフィブリル及び/又はセルロースミクロフィブリル束の周囲がヘミセルロース、リグニンの順で被覆された構造である請求項3に記載のミクロフィブリル化植物繊維。

【請求項5】
機械的な解繊に供されるパルプがエステル化処理パルプ、エーテル化処理パルプ、アセタール化処理パルプ及びリグニンの芳香環が処理されたパルプからなる群から選択される少なくとも1種の化学変性パルプである請求項1~4のいずれかに記載のミクロフィブリル化植物繊維。

【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のミクロフィブリル化植物繊維を成形してなるミクロフィブリル化植物繊維成形体。

【請求項7】
請求項1~5のいずれかに記載のミクロフィブリル化植物繊維を含有する樹脂成形物。

【請求項8】
セルロース重量に対してリグニンを14.3~70重量%含有するパルプを機械的に解繊するミクロフィブリル化植物繊維の製造方法。

【請求項9】
解繊が磨砕処理である請求項8に記載の製造方法。

【請求項10】
パルプを水で蒸解した後、解繊処理するものである請求項8又は9に記載の製造方法。

【請求項11】
機械的な解繊に供されるパルプがエステル化処理パルプ、エーテル化処理パルプ、アセタール化処理パルプ及びリグニンの芳香環が処理されたパルプからなる群から選択される少なくとも1種の化学変性パルプである請求項8~10のいずれかに記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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