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モヤモヤ病関連遺伝子及びその利用

国内特許コード P130009545
整理番号 2376
掲載日 2013年7月10日
出願番号 特願2011-537321
登録番号 特許第5854423号
出願日 平成22年10月22日(2010.10.22)
登録日 平成27年12月18日(2015.12.18)
国際出願番号 JP2010068737
国際公開番号 WO2011049207
国際出願日 平成22年10月22日(2010.10.22)
国際公開日 平成23年4月28日(2011.4.28)
優先権データ
  • 特願2009-244938 (2009.10.23) JP
発明者
  • 小泉 昭夫
  • 永田 和宏
  • 森戸 大介
  • 橋本 信夫
  • 高島 成二
  • 山崎 悟
  • 松浦 範夫
  • 人見 敏明
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 モヤモヤ病関連遺伝子及びその利用
発明の概要 本発明は、モヤモヤ病の基本的病変である内頸動脈終末部の動脈の閉塞および新生に関与する新規遺伝子「ミステリン」、ミステリンポリペプチド、該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド等を提供する。また、本発明は、ミステリン遺伝子座及びその近傍に存在する、モヤモヤ病と相関する複数のSNPsを提供する。当該SNPsを検出することにより、モヤモヤ病の発症リスクを判定することが可能である。
従来技術、競合技術の概要


モヤモヤ病(Moyamoya disease: MMD)は、ウィリス動脈輪閉塞症とも呼ばれ、小児期及び成人期に発症する内頸動脈終末部の狭窄病変である。



モヤモヤ病は世界中で発症する疾患であるが(非特許文献1)、モヤモヤ病の発症率は、日本、韓国及び中国などの東アジアにおいて特に高い(非特許文献2及び3)。日本においては、最新の罹患率及び年間発症率が、100,000人につき10.5人及び0.94人と報告されている(非特許文献2)。ヨーロッパにおいては、発症率は日本における発症率のおよそ1/10と見積もられている(非特許文献2及び3)。アメリカにおいては、発症率は100,000人につきおよそ0.086人であり、コーカサス系アメリカ人よりも、アジア系アメリカ人及びアフリカ系アメリカ人において高い(非特許文献2及び3)。



従来から遺伝的素因が疑われてきたが、感受性遺伝子の同定はなされていない。本発明者らは、これまでの解析において、染色体領域17q25.3がモヤモヤ病の発症と連鎖することを見出している(非特許文献4)。



ヒトゲノムの網羅的シークエンスにより、基本的にはヒト染色体の全てのヌクレオチド配列が決定されており、その配列から、上記染色体領域17q25.3においては、CARD14、Raptor、AATK、KIAA1618、C17orf27等を含む数多くの遺伝子の存在が予想されている。



Bertinらは、ルシフェラーゼレポーター解析に基づき、CARD14がIKKG(IKBKG;300248)又はIKKBを通してNFKB活性を誘導すること、そしてこの誘導にはCARD14のN末端を要することを示している。CARD14のC末端ドメインの欠損により増強されたNFKB活性が生じることを報告している(非特許文献5)。従って、NFKB媒介経路のためのネガティブ制御機能が存在し、これが免疫反応において鍵となる役割を果たしていることが示唆される。



Raptor[regulatory associated protein of mammalian target of rapamycin (mTOR)]は、TORシグナリングに必須の150kDaのmTOR補因子である(非特許文献6)。Raptorは、組織の肥大と関連し(非特許文献7)、hypoxia-inducible factorの制御因子であり(非特許文献8)、HLAクラスI抗体により媒介される血管内皮細胞増殖に関与する(非特許文献9)。



AATKは、アポトーシスに関与することが報告されている(非特許文献10)。アポトーシスは、MMDの患者の狭窄病変において観察される現象の1つである(非特許文献11)。



KIAA1618及びC17orf27のアミノ酸配列は、それぞれアクセッション番号NP_066005.2及びNP_065965.3として登録され、NCBIのインターネットホームページ上に公開されている。しかしながら、これらの遺伝子は、コンピューターによるヌクレオチド配列解析に基づき構造遺伝子であろうと予測された「予測遺伝子(predicted gene)」であり、独立した2つの遺伝子として開示されているが、機能解析はまったくなされていない。



特許文献1において、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドが開示されている。該ポリペプチドは膜貫通ドメインを有する膜タンパク質であり、Znフィンガードメイン及びATP結合モチーフA(Pループ)を有することが記載されている。

産業上の利用分野


本発明は、モヤモヤ病発症前診断に有用な新規遺伝子及びSNPsに関する。更に、本発明は、該遺伝子の機能的欠損を有する非ヒト動物、該遺伝子の機能的欠損を有する細胞、該遺伝子を利用した、家族性モヤモヤ病発症リスクの判定方法、虚血性心疾患の発症リスクの判定方法、一卵性双生児の出生可能性の判定方法、及びこれらの判定方法の実施に有用な試薬等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
配列番号2で表されるアミノ酸配列(ここで、第4810番のアルギニンはリジンに置換されていてもよい)を含むポリペプチドの非ヒトオルソログをコードする遺伝子の機能欠損させることにより得られる、血管新生異常を呈する非ヒト動物。

【請求項2】
血管新生異常の動物モデルとしての、請求項1記載の動物の使用。

【請求項3】
被検物質が以下の(1)~(4)から選択されるいずれかのポリペプチドをコードする遺伝子の発現または機能を調節し得るか否かを評価することを含む、血管新生調節剤の候補物質のスクリーニング方法:
(1)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むポリペプチド(ここで、配列番号2で表されるアミノ酸配列における第4810番のアルギニンはリジンに置換されていてもよい);
(2)配列番号2で表されるアミノ酸配列と99.5%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、且つユビキチンリガーゼ活性及びATPase活性を有するポリペプチド;
(3)配列番号2で表されるアミノ酸配列において1~30個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、且つユビキチンリガーゼ活性及びATPase活性を有するポリペプチド;及び
(4)(1)のポリペプチドの非ヒトオルソログ。

【請求項4】
配列番号5で表されるヌクレオチド配列の連続した部分配列又はその相補配列を含むポリヌクレオチドであって、該部分配列は、4766 T>C(SNP1)、73097 G>A(SNP2)、120764 G>A(SNP3)、152917 G>A(SNP4)、232102 G>A(SNP5)、55977 G>A(SNP6)、55712 A>G(SNP7)及び57483 G>A(SNP8)からなる群から選択される少なくとも1つのSNPを含み、該部分配列に含まれる該SNPのアレルはマイナーアレルであり、且つ該部分配列又はその相補配列は少なくとも15ヌクレオチドの長さを有する、モヤモヤ病の発症リスクの診断用ポリヌクレオチドプライマー又はプローブ

【請求項5】
該SNPが、4766 T>C(SNP1)、73097 G>A(SNP2)、120764 G>A(SNP3)、152917 G>A(SNP4)及び232102 G>A(SNP5)からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項4記載のポリヌクレオチドプライマー又はプローブ

【請求項6】
該SNPが73097 G>A(SNP2)である、請求項4記載のポリヌクレオチドプライマー又はプローブ

【請求項7】
該SNPが55977 G>A(SNP6)である、請求項4記載のポリヌクレオチドプライマー又はプローブ

【請求項8】
(a)ヒトから採取した生体試料について、配列番号5で表されるヌクレオチド配列における4766 T>C(SNP1)、73097 G>A(SNP2)、120764 G>A(SNP3)、152917 G>A(SNP4)、232102 G>A(SNP5)、55977 G>A(SNP6)、55712 A>G(SNP7)及び57483 G>A(SNP8)からなる群から選択される少なくとも1つのSNPを検出すること、
(b)少なくとも一方のアレルにおいて該SNPを含むマイナーアレルが検出された場合、該SNPを含むマイナーアレルが検出されない場合と比較して、モヤモヤ病の発症リスクが相対的に高いという基準と、(a)の検出結果とを比較すること
を含む、モヤモヤ病の発症リスクの試験方法。

【請求項9】
該SNPが、4766 T>C(SNP1)、73097 G>A(SNP2)、120764 G>A(SNP3)、152917 G>A(SNP4)及び232102 G>A(SNP5)からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項8記載の方法。

【請求項10】
該SNPが73097 G>A(SNP2)である、請求項8記載の方法。

【請求項11】
該SNPが55977 G>A(SNP6)である、請求項8記載の方法。

【請求項12】
配列番号5で表されるヌクレオチド配列における4766 T>C(SNP1)、73097 G>A(SNP2)、120764 G>A(SNP3)、152917 G>A(SNP4)、232102 G>A(SNP5)、55977 G>A(SNP6)、55712 A>G(SNP7)及び57483 G>A(SNP8)からなる群から選択される少なくとも1つのSNPを特異的に検出し得る核酸プローブ、又は該SNPを含む領域を特異的に増幅し得るプライマーを含む、モヤモヤ病の発症リスクの診断剤。

【請求項13】
該SNPが、4766 T>C(SNP1)、73097 G>A(SNP2)、120764 G>A(SNP3)、152917 G>A(SNP4)及び232102 G>A(SNP5)からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項12記載の診断剤。

【請求項14】
該SNPが73097 G>A(SNP2)である、請求項12記載の診断剤。

【請求項15】
該SNPが55977 G>A(SNP6)である、請求項12記載の診断剤。

【請求項16】
(a)ヒトから採取した生体試料について、配列番号5で表されるヌクレオチド配列における73097 G>A(SNP2)のSNPを検出すること、及び
(b)少なくとも一方のアレルにおいて該SNP2を含むマイナーアレルが検出された場合、該マイナーアレルを含まない場合と比較して、虚血性心疾患の発症リスクが相対的に高いという基準と、(a)の検出結果とを比較すること
を含む、虚血性心疾患の発症リスクの試験方法。

【請求項17】
配列番号5で表されるヌクレオチド配列における73097 G>A(SNP2)のSNPを特異的に検出し得る核酸プローブ、又は該SNPを含む領域を特異的に増幅し得るプライマーを含む、虚血性心疾患の発症リスクの診断剤。

【請求項18】
(a)ヒトから採取した生体試料について、配列番号5で表されるヌクレオチド配列における73097 G>A(SNP2)のSNPを検出すること、及び
(b)少なくとも一方のアレルにおいて該SNP2を含むマイナーアレルが検出された場合、該マイナーアレルを含まない場合と比較して、一卵性双生児を分娩する頻度が相対的に高いという基準と、(a)の検出結果とを比較すること
を含む、一卵性双生児の分娩可能性の試験方法。

【請求項19】
配列番号5で表されるヌクレオチド配列における73097 G>A(SNP2)のSNPを特異的に検出し得る核酸プローブ、又は該SNPを含む領域を特異的に増幅し得るプライマーを含む、一卵性双生児の分娩可能性の診断剤。
産業区分
  • 畜産
  • 微生物工業
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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