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反射材及び光学構造物 コモンズ

国内特許コード P130009602
掲載日 2013年7月12日
出願番号 特願2011-547553
登録番号 特許第5472833号
出願日 平成22年12月21日(2010.12.21)
登録日 平成26年2月14日(2014.2.14)
国際出願番号 JP2010072964
国際公開番号 WO2011078147
国際出願日 平成22年12月21日(2010.12.21)
国際公開日 平成23年6月30日(2011.6.30)
優先権データ
  • 特願2009-289269 (2009.12.21) JP
  • 特願2010-045633 (2010.3.2) JP
発明者
  • 小林 哲郎
出願人
  • 国立大学法人大阪大学
発明の名称 反射材及び光学構造物 コモンズ
発明の概要 本発明の反射材(10)は、光を透過する材質からなり、第1面が斜面を隙間無く配列して形成された面(三角畝、或いは多角錐の配列面)であり、第1面の反対側にある第2面が平面あるいは平面に近い緩やかな曲面である。また、反射材(10)は、第1面もしくは第2面から入射した光が、対向する面に対して直接、あるいは、内部で反射を繰り返した後も反射材内部から入射する時には常に全反射の臨界角よりも大きい入射角で入射するような第1面の形状および屈折率を有する。反射材(10)によって内部が中空となるように囲みこんだ構造物は、光が漏れない非常に高い光学的Q値をもつことができる。
従来技術、競合技術の概要



従来、光に対して高反射を得る反射材や、高反射材を用いた構造物として以下のようなものが挙げられる。





(1)誘電体球による高Q値光共振器:一般にはマイクロメートルサイズの微小誘電体球が用いられ、球内では周辺に沿って進む光は全反射をして球内を周回し、反射鏡が無いにも関わらず非常に高いQ値の光共振器を構成する。Whispering Gallery Modeと称し、科学実験でよく用いられる。このような微小球を並べて遅波回路に用いるとか、内部に色素をドープして微小球レーザに利用するなどされている。





(2)ミラーボール:表面に鏡の小片を張り詰めた球体、あるいは多面体をモータで回転させる照明演出器具。ミラーボールをスポットライトで照らすと反射光が水玉状に室内に散りばめられ幻想的に演出する。





(3)天然あるいは人工宝石:屈折率が非常に高く、内部に入った光は全反射しやすい。特に、表面を多面状にカットしたものは輝きを増す。





また、アレイ化したコーナーキューブを光源の周囲に配置して前面反射鏡として用いた照明装置が特許文献1に開示されている。





上記のような構造物としては、上に述べた例の他に、光学媒質で構成された光導波路、光共振器等の光学構造物がある。





(4)導光路(導波路):光ファイバに代表される透明光学媒質で構成される導光路(導波路)の多くは中央に屈折率の高いコアを配し、その外側に屈折率の小さいクラッドを配し、コア内部の光がクラッドに当たるとき全反射してコアに閉じこめられて外部に放射せず進む導波モードを伝送に用いている。クラッドにあたるときの交差角度が大きく(入射角が小さいことに対応)全反射しないような広がり角の大きい光は外部に光が漏れることになり、伝送損失の大きい放射モードとなる。また、この種の導光路では、高パワー光伝送においては大口径が必要だが重くなることやコアでの光損失が問題になる。





他方、中空で外側に光学媒質を配した導光路が中空(ホロー)導波路である。これは大口径でも軽くでき、中空コアなので、高光パワー伝送に向く。これもその外側には放射しない導波モードを利用するとか、さらに外側に金属膜を付け、反射をさせるなどの工夫をしている。





いずれにおいても損失少なく伝送する導波モードと外部に放射し伝送損失の大きい放射モードがあり、通常は導波モードのみ利用している。但し、外部機器や他の伝送路と接続する場合、完全なモード整合は難しく一部は放射モードになって結合損失となっている。また、金属膜付き中空導光路では放射モードが抑えられるが金属膜での吸収損が問題となる。





一般に導波モードは、光の進行方向が導波路軸方向に対し大きい角度を持たない広がり角の小さい光ビームに対応し、進行方向が導波路軸方向に対し大きい角度を持つ成分を持つ広がり角の大きいビームは全反射が行われず外部にも漏れる放射モードとなる。全反射するには屈折率差で決まる臨界角より大きい入射角が必要なことから、光線的に考えるとほぼ軸方向を向き少し径方向を向いてジグザグで進むのに対応しているモードが導波モードとして使われ、軸方向よりは径方向を向き蛇行が激しくなかなか前には進まないモデルに対応しているモードが放射モードになる。





最近脚光をあびている中空導光路としてフォトニック結晶ファイバがある。これは長所を多く持つが、構造が複雑な上、波長程度の周期構造をもつため動作波長域が限られるという欠点を持つ。





そこで、上記フォトニック結晶ファイバのような複雑な構造でない中空導光路として、例えば特許文献2に開示された中空導光路がある。この中空導光路は、壁の全反射で導光している。





特許文献2に開示された中空導光路は、方形筒の外側を筒軸方向に三角畝を1つから複数並べ、壁の全反射で導光するようになっているので、屈折率によって決まる角度内の光ビームを伝送する必要があり、ビーム広がりを抑えて伝送する伝送路となっている。





つまり、特許文献2に開示された中空導光路には、例えば図42に示すように、屈折率によって決まる角度外の光ビームを伝送した場合、光ビームは中空導光路の外部に漏れてしまう、所謂放射モードが存在することになる。勿論逆に外部からも不要光が侵入する。





(5)光共振器:従来の光共振器の代表例は2枚の鏡を対向させたファブリ・ペロー共振器であるが、これは光軸に沿った光のみ閉じこめるもので、それ以外の光は周囲に発散する。半導体レーザでは導波路構造を用いているが、放射モードが存在する。最近フォトニック結晶を用いた高Q共振器が研究されてきているが、ただ上述のごとく波長程度の周期構造を用いているので共振器として動作する波長域は限られており、また、場合によっては方位も限られている。

産業上の利用分野



本発明は、光学媒質で構成された光に対して高反射(全反射を含む)を達成できる反射材、及び、それらを用いて構成された光導波路、光共振器等の光学構造物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
光を透過する光学媒質からなる反射材であって、
上記光学媒質は、屈折率nがn>√(4+2√2)であり、
1面は、法線が直角座標系主軸x、y、zの一つと直交し、他の2軸と45°の角度を持つ平面である45斜面を隙間無く配列して形成された面であり、上記第1面の反対側にある第2面、上記直角座標系主軸x、y、zの何れかに平行な法線を持つ平面である主軸面であり、
記光学媒質外より上記第1面に入射した光線は、その入射角に関わらず、直接、上記第2面に当たる場合、あるいは多重反射の後、上記第2面に当たる場合のいずれの場合にも必ず全反射の臨界角以上の角度で当たり、全反射され上記第2面を透過できず、
上記光学媒質外より上記第2面に入射した光線は、その入射角に関わらず、直接、上記第1面に当たる場合、あるいは多重反射の後、上記第1面に当たる場合のいずれの場合にも必ず全反射の臨界角以上の角度で当たり、全反射され第1面を透過できないことを特徴とする反射材

【請求項2】
光を透過する光学媒質からなる反射材であって、
上記光学媒質は、屈折率nがn>Δ・√(4+2√2)(Δ≧1)であり
1面は、法線が直角座標系主軸x、y、zの一つと直交し、他の2軸と45°の角度を持つ平面である45斜面を隙間無く配列して形成された面であり、上記第1面の反対側にある第2面、上記直角座標系主軸x、y、zの何れかに平行な法線を持つ平面である主軸面であり、且つ、上記両面の何れか一方の面の外側、あるいは両面の外側に、屈折率Δの光学媒質層が付されており、
上記光学媒質外より上記第1面に入射した光線は、その入射角に関わらず、直接、主軸面に当たる場合、あるいは多重反射の後、上記第2面に当たる場合のいずれの場合にも必ず全反射の臨界角以上の角度で当たり、全反射され第2面を透過できず、
上記光学媒質外より上記第2面に入射した光線は、その入射角に関わらず、直接、上記第1面に当たる場合、あるいは多重反射の後、上記第1面に当たる場合のいずれの場合にも必ず全反射の臨界角以上の角度で当たり、全反射され第1面を透過できないことを特徴とする反射材

【請求項3】
光透過性の光学媒質の内部に中空部を有する光学構造物であって、
上記光学媒質は、
屈折率nがn>√(4+2√2)であり、且つ、
法線が直角座標系主軸x、y、zの一つと直交し、他の2軸と45°の角度を持つ平面である45斜面を複数組み合わせて形成される45斜複合面と、
上記45斜複合面とは重ならず、直角座標系主軸x、y、zの何れかに平行な法線を持つ平面である主軸面を複数組み合わせて形成される主軸複合面とで形成され、
上記中空部は、上記45斜複合面と主軸複合面との何れか一方の面によって囲まれて形成されており、
上記光学媒質外より45斜複合面に入射した光線は、その入射角に関わらず、直接、主軸複合面に当たる場合、あるいは多重反射の後、主軸複合面に当たる場合のいずれの場合にも必ず全反射の臨界角以上の角度で当たり、全反射され主軸複合面を透過できず、
また、上記光学媒質外より主軸複合面に入射した光線は、その入射角に関わらず、直接、45斜複合面に当たる場合、あるいは多重反射の後、45斜複合面に当たる場合のいずれの場合にも必ず全反射の臨界角以上の角度で当たり、全反射され45斜複合面を透過できないことを特徴とする光学構造物。

【請求項4】
上記光学媒質内に上記中空部が複数個設けられていることを特徴とする請求項3に記載の光学構造物。

【請求項5】
上記光学媒質の中空部内に、間隙を介して、請求項3または4に記載の光学構造物が少なくとも1つ挿入されていることを特徴とする光学構造物。

【請求項6】
上記光学媒質の外面の一部に、当該外面が主軸面からなる主軸複合面であれば上記45斜面からなる領域が形成され、当該外面が45斜面からなる45斜複合面であれば上記主軸面からなる領域が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の光学構造物。

【請求項7】
上記光学媒質の屈折率nがn>Δ・√(4+2√2)(Δ≧1)であるとき、
上記光学媒質の外周面に、屈折率がΔである光学材料からなる層が形成されていることを特徴とする請求項3~6の何れか1項に記載の光学構造物。

【請求項8】
光透過性の第一光学媒質からなる光学構造物であって、
上記第一光学媒質は、
屈折率nがn>Δ・√(4+2√2)(Δ≧1)であり、且つ、
法線が主軸の一つと直交し、他の2軸と45°の角度を持つ平面である45斜面を複数組み合わせて形成される45斜複合面と、
上記45斜複合面とは重ならず、直角座標系主軸x、y、zの何れかに平行な法線を持つ平面である主軸面を複数組み合わせて形成される主軸複合面とで形成され、
上記45斜複合面と主軸複合面との何れか一方の面によって囲まれた空間に、屈折率Δの第二光学媒質が充填されており、
上記第一光学媒質外より45斜複合面に入射した光線は、その入射角に関わらず、直接、主軸複合面に当たる場合、あるいは多重反射の後、主軸複合面に当たる場合のいずれの場合にも必ず全反射の臨界角以上の角度で当たり、全反射され主軸複合面を透過できず、
また、上記第一光学媒質外より主軸複合面に入射した光線は、その入射角に関わらず、直接、45斜複合面に当たる場合、あるいは多重反射の後、45斜複合面に当たる場合のいずれの場合にも必ず全反射の臨界角以上の角度で当たり、全反射され45斜複合面を透過できないことを特徴とする光学構造物。

【請求項9】
上記屈折率Δの第二光学媒質が充填された領域に、発光素子または発光制御素子が埋め込まれていることを特徴とする請求項8に記載の光学構造物。
産業区分
  • 電力応用
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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