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ジャトロファ抽出物、抗酸化剤および抗酸化剤の製造方法 新技術説明会

国内特許コード P130009611
掲載日 2013年7月16日
出願番号 特願2012-191038
公開番号 特開2013-064123
出願日 平成24年8月31日(2012.8.31)
公開日 平成25年4月11日(2013.4.11)
優先権データ
  • 特願2011-191594 (2011.9.2) JP
発明者
  • 鈴木 利貞
  • 江藤 恭子
  • 片山 健至
出願人
  • 国立大学法人 香川大学
発明の名称 ジャトロファ抽出物、抗酸化剤および抗酸化剤の製造方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】ジャトロファの種子を原料として有効に活用できる抗酸化機能を有するジャトロファ抽出物を提供。また、このジャトロファ抽出物から精製された天然化合物を有する抗酸化剤および、かかる抗酸化剤を製造する方法を提供する。
【解決手段】ジャトロファの種子を含む被抽出物を溶媒抽出して抽出されたものであるジャトロファ抽出物。このジャトロファ抽出物は抗酸化機能を有しており、カテコール基を有するフロフラン型リグナン化合物、1,4-ベンゾジオキサン型ネオリグナン化合物、および、カテコール基を有するフロフラン型セスキネオリグナン化合物、のうちの少なくとも1つの化合物を含んでいる。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


近年、石油を原料とする燃料の代替燃料のひとつにバイオディーゼル燃料が注目されている。バイオディーゼル燃料は、窒素成分や硫黄成分を含有しないので、このバイオディーゼル燃料をディーゼル機関等に使用しても大気中に窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)などの大気汚染物質を排出しないこという利点がある。また、バイオディーゼル燃料は、カーボンニュートラルであるため、これを従来の化石燃料と同様に使用しても大気中の二酸化炭素濃度を増加させることにならないので、地球温暖化を抑制することができるという利点がある。



ここで、バイオディーゼル燃料とは、原料となる油脂を含有した植物等から搾油された植物油等の主成分であるトリグリセリドをメチルアルコール等のアルキルアルコールとエステル交換反応させることにより生成される脂肪酸アルキルエステルを主成分とする液体燃料のことである。



バイオディーゼル燃料の原料には、従来、食料や飼料として生産されている菜種、大豆、トウモロコシなどの植物から搾油された油や、この搾油された油の廃油などが用いられてきた。しかし、近年の食料事情の観点から、かかる原料からバイオディーゼル燃料を生産することによって、バイオディーゼル燃料と食料の競合が生じており、例えば、食料価格の急騰などが問題となっている。



ところで、近年、トウダイグサ科のジャトロファ属のジャトロファ(学名:Jatropha
curcas、和名:ナンヨウアブラギリ)が注目されている。ジャトロファは、熱帯および亜熱帯地域において、簡便、安価かつ安定的に栽培できる植物である。具体的には、乾燥や病害虫に強く、塩類集積地などの問題土壌でも栽培でき、1年程度で種子をつける。しかも、かかる種子は、油脂含有率が種子重量に対して約30重量%と非常に高く、この油脂含有率は、一般的なバイオディーゼル燃料の原料である菜種等の種子に比べて重量当たり約3~5倍の油脂量に相当する。一方、ジャトロファの種子は、食料として適していない。
このように、ジャトロファは、種子中の油脂含有量も高く、しかも、食料と競合しないので、バイオディーゼル燃料の原料に使用することは非常に有効である。
このため、ジャトロファから搾油された植物油(以下、単にジャトロファ油という)を原料として生産されたバイオディーゼル燃料をディーゼル機関用などの燃料として使用するための技術の開発が進められている。



ところで、ジャトロファ油や菜種油などの植物油は、不飽和脂肪酸を含むため、非常に酸化されやすい性質を有しており、搾油された植物油からバイオディーゼル燃料を生成するまでの処理時間が長くなれば、貯蔵等している間に植物油中に酸化物等が生成される。このような酸化物等は、バイオディーゼル燃料を生産する際の不純物となるため、バイオディーゼル燃料の生産性効率が低下するという問題がある。しかも、バイオディーゼル燃料の生産工程において、かかる不純物を除去するには、煩雑な処理工程が必要となるので、経済性も低下する。
したがって、ジャトロファ油などの植物油の酸化を防止するために、化学合成品のブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)や、天然化合物のトコフェロールなどが、酸化防止剤としてジャトロファ油などの植物油に添加される。
しかしながら、近年、化学合成品であるBHAやBHTには、発癌性の疑いが持たれており、安全性の観点から問題となっている。しかも、バイオディーゼル燃料またはその製造工程において、石油由来の化学合成品を加えるということは、石油を原料とする燃料の代替燃料として植物等の天然資源(自然資源つまりバイオマス)を原料にバイオディーゼル燃料を生産するということと矛盾する。
一方、天然化合物であるトコフェロールは、BHAやBHTなどの化学合成品に比べると酸化防止機能は若干劣るものの、安全な酸化防止剤である。しかしながら、トコフェロールなどの天然化合物は、非常に高価であるため、かかる天然化合物をジャトロファ油などの植物油の酸化防止剤として採用した場合、生産されたバイオディーゼル燃料は非常に高価になり、経済性が低下するという問題がある。



また、石油を原料とする燃料の代替燃料としてのバイオディーゼル燃料の需要は、今後ますます増加するものと予想される。上述したようにジャトロファの種子から搾油されたジャトロファ油もバイオディーゼル燃料等に有効に活用できるので、バイオディーゼル燃料の需要増加に対してジャトロファ油の供給量の増加が予想される。
しかしながら、ジャトロファ油はジャトロファの種子から搾油されるので、ジャトロファ油を生産すると一定量の搾油カスが副生産物として発生する。このため、ジャトロファ油の供給量の増加にともなって搾油カスの多量発生という問題が予想される。



一般的に、ジャトロファ油に限らず、バイオディーゼル燃料の原料から発生する搾油カスは、廃棄または焼却して処理されるというのが実情である。また、廃棄または焼却処理以外の活用方法としては、搾油カスをペレット状にすることにより火力発電所用等の固形燃料に利用する技術が提案されている(特許文献1)。



しかし、現在のところ、ジャトロファの搾油カスの活用方法としては、固形燃料として利用する方法以外の活用方法は見当たらず、新たな活用方法の開発が求められている。

産業上の利用分野


本発明は、ジャトロファ抽出物、抗酸化剤および抗酸化剤の製造方法に関する。さらに詳しくは、ジャトロファから抽出された抗酸化機能を有するジャトロファ抽出物、ジャトロファから抽出されたカテコール基を有するフロフラン型リグナン化合物、1,4-ベンゾジオキサン型ネオリグナン化合物およびカテコール基を有するフロフラン型セスキネオリグナン化合物、のうちの少なくとも1つの化合物を含む抗酸化剤および抗酸化剤を製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ジャトロファの種子を含む被抽出物を溶媒抽出して抽出されたものである
ことを特徴とするジャトロファ抽出物。

【請求項2】
前記被抽出物が、
前記ジャトロファの種子から搾油したのちの搾油残渣を含むものである
ことを特徴とする請求項1記載のジャトロファ抽出物。

【請求項3】
前記被抽出物は、油脂成分を除去したものである
ことを特徴とする請求項1または2記載のジャトロファ抽出物。

【請求項4】
カテコール基を有するフロフラン型リグナン化合物、1,4-ベンゾジオキサン型ネオリグナン化合物、および、カテコール基を有するフロフラン型セスキネオリグナン化合物、のうちの少なくとも1つの化合物を含んでいる
ことを特徴とする抗酸化剤。

【請求項5】
前記カテコール基を有するフロフラン型リグナン化合物が、
一般式(1)
【化学式1】


(式中、R1およびR2がヒドロキシ基を表す場合には、R3がヒドロキシ基またはメトキシル基を表しかつR4がヒドロキシ基またはメトキシル基を表し、R3およびR4がヒドロキシ基を表す場合には、R1がヒドロキシ基またはメトキシル基を表しかつR2がヒドロキシ基またはメトキシル基を表す)で表される化合物である
ことを特徴とする請求項4記載の抗酸化剤。

【請求項6】
前記1,4-ベンゾジオキサン型ネオリグナン化合物が、
一般式(2)
【化学式2】


(式中、R5は水素またはメチル基を表す)で表される化合物であり、
および/または、
一般式(3)
【化学式3】


(式中、R6は水素またはメチル基を表す)で表される化合物である
ことを特徴とする請求項4または5記載の抗酸化剤。

【請求項7】
前記カテコール基を有するフロフラン型セスキネオリグナン化合物が、一般式(4)
【化学式4】


(式中、R11がヒドロキシ基またはメトキシル基を表し、R7およびR8がヒドロキシ基を表す場合にはR9がヒドロキシ基またはメトキシル基を表しかつR10がヒドロキシ基またはメトキシル基を表し、R9およびR10がヒドロキシ基を表す場合にはR7がヒドロキシ基またはメトキシル基を表しかつR8がヒドロキシ基またはメトキシル基を表す)で表される化合物であり、
および/または、一般式(5)
【化学式5】


(式中、R16がヒドロキシ基またはメトキシル基を表し、R12およびR13がヒドロキシ基を表す場合にはR14がヒドロキシ基またはメトキシル基を表しかつR15がヒドロキシ基またはメトキシル基を表し、R14およびR15がヒドロキシ基を表す場合にはR12がヒドロキシ基またはメトキシル基を表しかつR13がヒドロキシ基またはメトキシル基を表す)で表される化合物である
ことを特徴とする請求項4、5または6記載の抗酸化剤。

【請求項8】
前記カテコール基を有するフロフラン型リグナン化合物、1,4-ベンゾジオキサン型ネオリグナン化合物、および、カテコール基を有するフロフラン型セスキネオリグナン化合物、のうちの少なくとも1つの化合物がジャトロファの種子から抽出されたものである
ことを特徴とする請求項4、5、6または7記載の抗酸化剤。

【請求項9】
ジャトロファの種子を含む被抽出物を溶媒抽出する溶媒抽出工程を備えている
ことを特徴とする抗酸化剤の製造方法。

【請求項10】
前記溶媒抽出工程が、
前記被抽出物から油脂成分を除去する油脂成分除去工程と、
該油脂成分除去工程で油脂成分を除去したのちの被抽出物を極性を有する溶媒を用いて抽出する極性溶媒抽出工程と、を順に行う
ことを特徴とする請求項9記載の抗酸化剤の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012191038thum.jpg
出願権利状態 審査請求前


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