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水中推進体

国内特許コード P130009612
整理番号 S2012-0221-N0
掲載日 2013年7月16日
出願番号 特願2011-273539
公開番号 特開2013-123988
出願日 平成23年12月14日(2011.12.14)
公開日 平成25年6月24日(2013.6.24)
発明者
  • 石原 大輔
出願人
  • 国立大学法人九州工業大学
発明の名称 水中推進体
発明の概要

【課題】ピッチング運動を能動的に与えるためのアクチュエータを不要にして、機構・制御系を単純化しつつ、推進効率が高く、多方向への推進が可能な水中推進体を提供する。
【解決手段】羽ばたき翼は、アクチュエータによりストローク軸まわりに回転させることにより、能動的にストローク運動を伝達するための前縁はりと、流体力を受ける翼板と、前縁はりと翼板を連結し、かつ羽ばたき翼にねじり剛性を与えるバネ部材とを備えている。このストローク運動によって流体力を翼板面に作用させることにより生じたバネ部材の変形によってピッチ角に変位を生じさせて、ピッチング運動を受動的に生じさせる。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


図17は、昆虫羽ばたき飛行における翼の運動の模式図である。翼がストローク面に沿って運動することをストローク運動という。この図において、矢印で示すように、翼はx軸に関して時計回りにストローク運動している。翼弦(翼長方向に対する翼のある断面において、その前縁と後縁を結ぶ線、図中の黒太線)がx軸と為す角(ピッチ角変位)が変化する運動をピッチング運動という。前縁とz軸のなす角をストローク角変位という。図17に示すように、昆虫羽ばたき飛行において、昆虫の翼はストローク運動とピッチング運動が複雑に組み合わさった運動を行う。ここでストローク運動は昆虫が能動的に行うが、ピッチング運動は翼の弾性変形によって生じる受動的なものであるという力学モデルが提案されている(例えば、非特許文献1)。さらにこの力学モデルを用いた空中の羽ばたき翼の試作(例えば、非特許文献2、非特許文献3)が行われている。



図18は、非特許文献3に開示の翼モデルを示す図である。剛な翼前縁と肢脈により補強された翼面を有する昆虫翼を、それぞれ剛体の前縁はりと翼板によりモデル化している。この前縁はりと翼板は、細長い柔軟板(板バネ)に接続する。z軸に関して、時計回りのストロークをダウンストローク、反時計回りのストロークをアップストロークとする。ストローク角をφ、ピッチ角をθとする。モデル翼に能動的ストローク運動を与えることで、慣性力、流体力と板バネの弾性力の釣り合いにより受動的ピッチング運動が生じる。この力学モデルは、駆動・制御すべき運動がストローク運動だけとなるので、羽ばたき翼による推進体において、空中のみならず水中においても有効と考えられる。



羽ばたき翼による水中推進体は、スクリューによる推進に比べて、静粛性・効率性に優れているが、推進に必要な運動モードが複雑であるため、その機構・制御が複雑になる(例えば、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6、特許文献1)。図19は、特許文献1に開示の羽ばたき装置を示す図である。図示の羽ばたき装置は、羽部を支持する第1及び第2の羽軸部を備え、かつ、これら羽軸部はそれぞれ独立した第1及び第2の駆動部により駆動する。これによって、2つの羽軸部を往復運動(ストローク運動)させる際に、それらの間に位相差を生じさせて、羽部を捻ること(ピッチング運動)が可能になっている。



従来においても、翼が弾性変形することを利用して機構・制御を簡易化した水中推進体の例はある。例えば、非特許文献7では、オールのように翼を羽ばたかせて、推進したい方向に翼が羽ばたくとき、水の抵抗を低減するために柔軟に曲がり、逆方向に羽ばたくときは水の抵抗を推進力にするために曲がらないようにしている。しかしながらその推進効率は低く、推進方向も1方向に限られる。

産業上の利用分野


本発明は昆虫を模擬した羽ばたき翼を有する水中推進体に関するものである。本発明は、海洋産業全般、養殖漁業、水中・海洋調査、ホビー・レジャー等の分野で用いることができる。

特許請求の範囲 【請求項1】
船体と、該船体の右側及び左側に少なくとも一つずつ備わる少なくとも一対の羽ばたき翼と、該一対の羽ばたき翼をそれぞれ駆動するための少なくとも一対のアクチュエータと、該アクチュエータのコントローラを備えた水中推進体において、
前記羽ばたき翼は、前記アクチュエータによりストローク軸まわりに回転させることにより該羽ばたき翼を能動的にアップストローク及びダウンストロークさせるストローク運動を伝達するための前縁はりと、流体力を受ける翼板と、前記前縁はりと前記翼板を連結し、かつ該羽ばたき翼にねじり剛性を与えるバネ部材とを備え、
前記ストローク運動によって流体力を翼板面に作用させることにより生じたバネ部材の変形によって、ストローク面に対して常に垂直な軸方向と、翼長方向に対して垂直な翼断面の翼弦方向との間のピッチ角に変位を生じさせて、ピッチ角変位の時間変化であるピッチング運動を受動的に生じさせることから成る水中推進体。

【請求項2】
前記翼板にねじり剛性を与えるバネ部材は、板バネ或いはコイルバネによって構成し、若しくは、翼板全体を板バネによって構成した請求項1に記載の水中推進体。

【請求項3】
前記翼板は、所定厚の板状部材によって形成した請求項1に記載の水中推進体。

【請求項4】
前記コントローラにより前記アクチュエータを制御して、前記ストローク運動のストローク角変位を周期関数に基づき与える請求項1に記載の水中推進体。

【請求項5】
前記コントローラにより前記アクチュエータを制御して、右側及び左側それぞれの羽ばたき翼のアップストローク運動における代表速さとダウンストローク運動における代表速さを等しく、かつ、右側及び左側それぞれの羽ばたき翼の代表速さを等しくすることで、右側及び左側の羽ばたき翼に同じ推進力を発生させて、船体を直進させ、かつ、
右側及び左側それぞれの羽ばたき翼のアップストローク運動における代表速さとダウンストローク運動における代表速さを等しく、かつ、左側の羽ばたき翼の代表速さを右側よりも大きくすることで、左側の羽ばたき翼の推進力を右側よりも大きくして、船体を右へ旋回させ、或いは、その逆にして船体を左へ旋回させる請求項1に記載の水中推進体。

【請求項6】
右側及び左側それぞれの羽ばたき翼のアップストローク運動における代表速さよりも、ダウンストローク運動における代表速さを大きくして、船体を下降させ、或いは、その逆にして船体を上昇させる請求項5に記載の水中推進体。

【請求項7】
左側の羽ばたき翼をアップストロークさせると共に、右側の羽ばたき翼はダウンストロークさせるときの両翼の代表速さを、右側の羽ばたき翼をアップストロークさせると共に、左側の羽ばたき翼はダウンストロークさせるときの両翼の代表速さよりも大きくして、船体を反時計回りに回転させ、或いは、その逆にして船体を時計回りに回転させる請求項6に記載の水中推進体。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2011273539thum.jpg
出願権利状態 審査請求前
詳細は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


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