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酸化物の生成能を有する新規微生物 コモンズ

国内特許コード P130009620
掲載日 2013年7月17日
出願番号 特願2011-546135
登録番号 特許第5818690号
出願日 平成22年12月14日(2010.12.14)
登録日 平成27年10月9日(2015.10.9)
国際出願番号 JP2010072503
国際公開番号 WO2011074586
国際出願日 平成22年12月14日(2010.12.14)
国際公開日 平成23年6月23日(2011.6.23)
優先権データ
  • 特願2009-284445 (2009.12.15) JP
  • 特願2010-003269 (2010.1.8) JP
発明者
  • 高田 潤
  • 澤山 道則
  • 鈴木 智子
  • 橋本 英樹
  • 藤井 達生
  • 中西 真
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 酸化物の生成能を有する新規微生物 コモンズ
発明の概要 開示されているのは、フェリハイドライト又はレピドクロサイトの構造を有し、且つフェリハイドライトナノ粒子又はレピドクロサイトナノ粒子の集合体である酸化鉄の生成能を有するレプトスリックス属に属する微生物、フェリハイドライト又はレピドクロサイトの構造を有し、且つフェリハイドライトナノ粒子又はレピドクロサイトナノ粒子の集合体である酸化鉄の生産菌、金属酸化物の生産菌をスクリーニングするための培地、金属酸化物の生産菌のスクリーニング方法、金属酸化物の生産菌を培養するための培地、金属酸化物の生産菌の培養方法、金属酸化物の製造方法、及び酸化鉄である。
従来技術、競合技術の概要


特異な形状・サイズ・組成を有する材料は、革新的な機能を発揮する可能性を有するため重要である。特に、人工的には作れない特異な構造・形状・サイズ・組成を有する材料は大きな潜在能力を秘めている。例えば、レプトスリックス属の微生物は、鉄やマンガンがリッチな湿地や泉に生息し、酸化鉄や酸化マンガンからなる鞘状物質を形成することが知られている。これらの微生物由来の鞘状物質の最近の研究により、独特の微小な管の構造が魅力的な無機材料であり、種々の工業分野に適用され得ることが明らかになった。



従来、上記のような鉄バクテリアが生産する微生物由来のセラミックスは、配管を詰まらせたり赤水被害をもたらすために、もっぱら廃棄物として処理されてきた。しかしながら、微生物由来のセラミックスは、生物由来であるため環境に優しく、ユビキタス元素である鉄やケイ素を主成分とするため持続的に入手できる未利用資源であることに注目すべきである。しかも、仮にこのような特異な構造体を人工的に作ろうとすれば膨大な手間、技術及びエネルギーを要するので、自然界から得られる微生物由来のセラミックスを利用した新規材料の開発は、サイエンスとテクノロジーの両面において非常に意義深い。



特許文献1には、鉄バクテリアを用いた水の浄化方法で生じる凝集物から鞘状酸化鉄を回収する方法であって、鉄細菌を用いたバイオ浄水法によって生じた凝集沈殿物と、分散剤(例えば、ノリウツギ抽出液又はトロロアオイ抽出液)とを作用させることを特徴とする鞘状酸化鉄粒子の生産方法が開示されている。この方法で回収したパイプ状酸化鉄は特異な組成・形状と優れた特性を持ち、磁性材料・触媒・吸着剤・電池材料としての利用が可能である。



特許文献1に記載の鞘状酸化鉄を回収する方法は、自然界に存在する多様な鉄バクテリアを用いて凝集物を得る方法なので、鞘状酸化鉄以外の物質を完全に除去することが困難である。また、供給される水も天然の水であり、温度や含有イオン等の制御が出来ないため、収量が不安定で同じ組成のものが出来るとは限らない。そして、鞘状物質を工業材料として使用するためには鞘状物質の精製が必要とされる。



これらの問題を解決するためには、鞘状酸化鉄を作る鉄バクテリアを単離し、この単離菌を用いて鞘状酸化物を製造させる培養条件を見つけることが最短の方法である。



レプトスリックス属を代表種とする難培養・好気性鉄酸化細菌からなる群から選ばれる鉄酸化細菌を単離する方法については、低栄養塩の培地を用いたいくつかの方法がこれまで報告されている(非特許文献1)。しかしながら、これらの培地は炭化水素等の有機分を含んでおり、当該細菌以外の多種多様な細菌も増殖可能なため、当該細菌の選択培地とはなり難い。このほかに、自然界での生息環境を模擬した連続培養システムも考案されている(非特許文献2)。この方法を用いると単離の確率は上がるが、システムが非常に大掛かりなものになることや、完全に1種類の菌株を得られないなどの難点がある。



このように鞘状酸化鉄を産生する微生物を単離する方法は未だ確立しておらず、当該微生物の特性及び鉄やマンガンの酸化のメカニズムについてもまだ明らかにされていない。



現在まで、鞘形成株であるレプトスリックス・コロディニ(Leptothrix cholodnii) SP-6を単離したことや(非特許文献3及び4)、鞘状酸化鉄を産生するレプトスリックス・コロディニ SA-1株を単離したことが報告されている(非特許文献5及び6)。

産業上の利用分野


本発明は、酸化鉄の生成能を有するレプトスリックス (Leptothrix)属に属する微生物、酸化鉄の生産菌、金属酸化物の生産菌をスクリーニングするための培地、及び金属酸化物の生産菌のスクリーニング方法に関する。更に、本発明は、金属酸化物の生産菌を培養するための培地、及び金属酸化物の生産菌の培養方法に関する。また、本発明は、金属酸化物の製造方法及び新規な金属酸化物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
レプトスリックス・コロディニ OUMS1(NITE BP-860)。

【請求項2】
天然の地下水に無機リン酸化合物及び鉄化合物が添加された培地で培養することを特徴とする、
フェリハイドライト又はレピドクロサイトの構造を有し、且つフェリハイドライトナノ粒子又はレピドクロサイトナノ粒子の集合体である酸化鉄の生成能を有するレプトスリックス属に属する微生物、又は
フェリハイドライト又はレピドクロサイトの構造を有し、且つフェリハイドライトナノ粒子又はレピドクロサイトナノ粒子の集合体である酸化鉄の生産菌
のスクリーニング方法。

【請求項3】
フェリハイドライト又はレピドクロサイトの構造を有し、且つフェリハイドライトナノ粒子又はレピドクロサイトナノ粒子の集合体である酸化鉄の製造方法であって、
フェリハイドライト又はレピドクロサイトの構造を有し、且つフェリハイドライトナノ粒子又はレピドクロサイトナノ粒子の集合体である酸化鉄の生成能を有するレプトスリックス属に属する微生物を培養し、培養液からフェリハイドライト又はレピドクロサイトの構造を有し、且つフェリハイドライトナノ粒子又はレピドクロサイトナノ粒子の集合体である酸化鉄を回収することを特徴とする、
製造方法。

【請求項4】
前記酸化鉄の形状がマイクロチューブ状、ナノチューブ状、中空ひも状、カプセル状、ひも状と球状の凝集体、ひも状、又はロッド状である、請求項に記載の方法。

【請求項5】
前記微生物が、レプトスリックス・コロディニ OUMS1(NITE BP-860)である、請求項3又は4に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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