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メイラード反応抑制剤、α-ジカルボニル化合物分解剤、およびメイラード反応抑制方法

国内特許コード P130009640
掲載日 2013年7月17日
出願番号 特願2012-501837
登録番号 特許第5783612号
出願日 平成23年2月24日(2011.2.24)
登録日 平成27年7月31日(2015.7.31)
国際出願番号 JP2011054069
国際公開番号 WO2011105465
国際出願日 平成23年2月24日(2011.2.24)
国際公開日 平成23年9月1日(2011.9.1)
優先権データ
  • 特願2010-038455 (2010.2.24) JP
発明者
  • 生方 信
  • 永松 龍一郎
  • 三橋 進也
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 メイラード反応抑制剤、α-ジカルボニル化合物分解剤、およびメイラード反応抑制方法
発明の概要 本発明は、優れたメイラード反応抑制効果を発揮する新規なメイラード反応抑制剤及びその使用方法を提供することを目的とする。本発明は、少なくとも1つのテルペン類のペルオキシドを有効成分として含有するメイラード反応抑制剤を提供する。
従来技術、競合技術の概要


メイラード反応は、古くから食品などの褐変化反応として知られており、アミノ酸、タンパク質、ペプチド等のアミノ基と、還元糖などのカルボニル基が非酵素的に結合する反応であって、この反応は初期段階と後期段階とに分けられている(Drug Discovery Today, 11, 646-654 (2006))。



初期段階は、アミノ基とカルボニル基とが反応しシッフ塩基を形成することから始まり、1,2-エナミノールを経てケトアミンなどのアマドリ化合物を形成する反応である。また、後期段階は、前記のアマドリ化合物が脱水、転位、縮合、酸化的解裂など非可逆的反応を受け、非常に反応性に富みタンパク質の架橋形成を起こす3-デオキシグルコソンのようなα-ジカルボニル化合物を経て、最終的に褐色や蛍光などの物理化学的特徴を持つペントシジンなどの後期反応産物(AGE:advanced glycation end products)に変化する反応である。



これらの一連の反応により、食品の色、香り、物性などが劣化するため、メイラード反応を効果的に抑制することにより、食品の品質劣化を防止することができる。



一方、メイラード反応は生体内でも起こっており、特に糖尿病患者においては高血糖によるAGEの蓄積とタンパク質架橋形成物が生じ、神経障害、網膜症、アテローム性動脈硬化などの糖尿病合併症が引き起こされる(J. Neuropathol. Exp., 59, 1094-1105 (2000)、Diabetes, 24, 479-482 (2001)、Cardiovasc. Res., 63, 582-592 (2004)、及びNature, 414, 813-820 (2001))。また老化に伴い、同様な反応が進行し、皮膚のハリや弾力性の低下などの老化症状の原因になっていると云われている(J. Clin. Invest., 91, 2463-2469 (1993)、及びArchives of Biochemistry and Biophysics, 419, 89-96 (2003))。従って、メイラード反応の進行を阻害することは重要である。



AGEs形成経路の中間体としてα-ジカルボニル化合物が存在する。主に3-デオキシグルコソン(3-DG)、メチルグリオキサール(MG)などが生体内で生成する。これらのα-ジカルボニル化合物は、グルコースに比べ1万倍という高い反応性を有し、タンパク質のリシン、アルギニン、トリプトファン残基などを修飾してAGEs形成に寄与しているため重要である。糖尿病患者の血漿中では、これらのα-ジカルボニル化合物の存在量が増加しており、合併症発症に大きく関与していると考えられている。例えば、3-DGは細胞内外の酵素を修飾・失活あるいは酸化ストレスを介して機能障害を引き起こすことが考えられている。よって、AGEs形成経路の中間体として存在するα-ジカルボニル化合物の炭素-炭素間の結合を解裂し、AGEの蓄積及びタンパク質間の架橋形成を阻害する物質を開発することは、糖尿病や合併症の予防や治療に有用であるだけでなく、老化の防止においても重要である。



メイラード反応後期反応産物であるα-ジカルボニル化合物などの架橋形成物の分解除去を可能とする、AGE形成阻害剤としては、N-フェナシルチアゾリウムブロミド(PTB)(Nature, 382, 275-278 (1996))、4,5-ジメチルチアゾリウム誘導体(ALT-711)(Pro. Natl. Acd. Sci. U.S.A., 95, 4630-4634 (1998))などがある。推定されている反応機構によれば、いずれも生体内には存在しない断片がタンパク質に残ることになる。このタイプの薬は、一端認可されたものの、副作用が確認されたため現在使用されていない。



柑橘類の揮発性油状物やテルペン類は、α-ジカルボニル化合物切断活性を有し、メイラード反応抑制剤として有用であることが知られている(特許文献1)。これらテルペン類は、天然物由来の物質であるので、安全性に優れている。

産業上の利用分野


本発明は、メイラード反応抑制剤、α-ジカルボニル化合物分解剤、およびメイラード反応抑制方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
-リモネン、α-テルピネン、カレン、カンフェン、β-ビサボレン、テルピネン-4-オール、α-テルピネオール、α-テルピニルアセテート、トランス-カルベノール及びボルネオールからなる群より選択されるテルペン類のペルオキシドを有効成分として含有するメイラード反応抑制剤。

【請求項2】
テルピネン-4-オールペルオキシドを有効成分として含有する、請求項1記載のメイラード反応抑制剤。

【請求項3】
α-テルピニルアセテートのヒドロペルオキシドを有効成分として含有する、請求項1記載のメイラード反応抑制剤。

【請求項4】
食品の褐色抑制剤である、請求項1~のいずれか1項記載のメイラード反応抑制剤。

【請求項5】
糖尿病又は糖尿病合併症の治療剤又は予防剤である、請求項1~のいずれか1項記載のメイラード反応抑制剤。

【請求項6】
皮膚のシワ及び/又はシミ改善剤である、請求項1~のいずれか1項記載のメイラード反応抑制剤。

【請求項7】
d-リモネン、α-テルピネン、カレン、カンフェン、β-ビサボレン、テルピネン-4-オール、α-テルピネオール、α-テルピニルアセテート、トランス-カルベノール及びボルネオールからなる群より選択される少なくとも1つのテルペン類のペルオキシドを有効成分として含有するα-ジカルボニル化合物分解剤。

【請求項8】
d-リモネン、α-テルピネン、カレン、カンフェン、β-ビサボレン、テルピネン-4-オール、α-テルピネオール、α-テルピニルアセテート、トランス-カルベノール及びボルネオールからなる群より選択される少なくとも1つのテルペン類のペルオキシドを使用することを特徴とする、食品におけるメイラード反応抑制方法。
産業区分
  • 高分子化合物
  • 薬品
  • 食品
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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