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電解めっき用陽極および該陽極を用いる電解めっき法 コモンズ 外国出願あり

国内特許コード P130009663
整理番号 DP1503
掲載日 2013年7月19日
出願番号 特願2011-199258
公開番号 特開2013-060622
登録番号 特許第5522484号
出願日 平成23年9月13日(2011.9.13)
公開日 平成25年4月4日(2013.4.4)
登録日 平成26年4月18日(2014.4.18)
発明者
  • 盛満 正嗣
出願人
  • 学校法人同志社
発明の名称 電解めっき用陽極および該陽極を用いる電解めっき法 コモンズ 外国出願あり
発明の概要 【課題】水溶液を電解液とする電気めっき用陽極において、従来の陽極に比べて陽極の電位が低く、電解電圧と電力量原単位の削減が可能で、かつ様々な種類の金属の電気めっきの陽極として利用できる低コストな電気めっき用陽極と、水溶液を電解液とする電気めっき法において、陽極の電位および電解電圧が低く、電力量原単位を低減することが可能な電気めっき法を提供すること。
【解決手段】本発明の電気めっき用陽極は、水溶液を電解液とする電気めっきの陽極であって、非晶質の酸化ルテニウムと非晶質の酸化タンタルを含む触媒層を導電性基体上に形成したものである。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



電気めっきは金属イオンを含む溶液(以下、電解液と記す)に通電して金属膜または金属箔を作製する方法であり、例えば、自動車の車体に用いられる電気亜鉛めっき鋼板は、亜鉛イオンを溶解した水溶液に鋼板を浸漬し、鋼板を陰極として亜鉛イオンを還元して、鋼板上に亜鉛膜を形成したものである。また、鋼板のような導電性基体上に金属膜を形成するだけでなく、電気めっきには、例えば電解銅箔製造のように、銅イオンを含む水溶液に、回転可能な円柱状の陰極の一部を浸漬し、陰極を回転させながらその表面に銅薄膜を連続して析出させ、同時に陰極の一端からこの薄膜を剥離して、銅箔を製造するプロセスも含まれる。このような電気めっきされる金属の例としては、銅、亜鉛、スズ、ニッケル、コバルト、鉛、クロム、インジウム、白金族金属(白金、イリジウム、ルテニウム、パラジウムなど)、貴金属(銀、金)、その他の遷移金属元素、レアメタルまたはクリティカルメタルに総称される金属、あるいはこれらの合金が挙げられる。このような電気めっきの陽極には、作製する金属膜や金属箔に応じて様々な形状のものが用いられるが、陽極材料の点からは、黒鉛、グラッシーカーボンなどの炭素電極、鉛合金電極、白金被覆チタン電極、酸化物被覆チタン電極が挙げられる。特に、金属イオンを含む硫酸酸性水溶液を用いる電気亜鉛めっきや電解銅箔製造には、酸化イリジウムを含む触媒層でチタン基体を被覆した酸化物被覆チタン電極が、また金属イオンを含む塩化物系水溶液を用いる電気めっきには、酸化ルテニウムを含む触媒層でチタン基体を被覆した酸化物被覆チタン電極が、用いられる。本願発明者は、このような電気めっき用陽極に用いる酸化物被覆チタン電極として、結晶質または非晶質の酸化イリジウムを含む触媒層を導電性基体上に形成した電極を特許文献1、特許文献2に開示している。これ以外にも、例えば、特許文献3、特許文献4に電気めっきに用いる酸化物被覆チタン電極が開示されている。これらの特許文献では、主に硫酸酸性水溶液のような酸性の水溶液を用いる電気めっきの例が述べられているが、電気めっきは略中性やアルカリ性の水溶液を用いて行うこともあり、本願発明で対象とする電気めっきも、酸性からアルカリ性までの広いpHの範囲の水溶液を用いる電気めっきや、塩化物系水溶液を用いる電気めっきを対象とする。





電気めっきで消費されるエネルギーは、電解電圧と通電した電気量の積であり、陰極で析出する金属の量はこの電気量に比例する。したがって、電気めっきされる金属の単位重量あたりで必要となる電気エネルギー(以下、電力量原単位と記す)は、電解電圧が低いほど小さくなる。この電解電圧は、陽極と陰極の電位差であり、陰極反応は陰極で電気めっきされる金属によって異なり、その反応の種類によって陰極の電位も異なる。一方、陽極の主反応は、塩化物イオンを高濃度含有する水溶液を電解液とする場合は塩素発生であり、これを除いて、広いpHの範囲の水溶液においては酸素発生である。例えば、電気めっきによる電解銅箔製造では硫酸酸性水溶液が用いられており、電気金めっきにはアルカリ性の水溶液が用いられる。これらの電解液での陽極反応は酸素発生であるか、少なくとも陽極の主反応は酸素発生である。電気めっきを行う際の陽極の電位は、陽極に用いる材料によって変化する。例えば、陽極反応である酸素発生や塩素発生に対して触媒活性が低い材料と高い材料では、触媒活性が高い材料ほど陽極の電位は低くなる。したがって、同じ電解液を用いて電気めっきを行う場合、電力量原単位を小さくするためには、陽極に触媒活性の高い材料を用いて、陽極の電位を低くすることが重要であり、また必要である。





さらに、電気めっきに用いる陽極には、酸素発生や塩素発生に対する高い触媒活性に加えて、これらの主反応以外に陽極上で生じる可能性がある反応(以下、副反応と記す)には、主反応とは反対に触媒活性が低いことが求められる。例えば、先に述べた電解銅箔製造に用いる硫酸酸性水溶液には、電解液中の必須成分である銅イオンのほかに、鉛イオンが不純物として含まれている。この鉛イオンは陽極上で酸化されて、陽極上に二酸化鉛として析出する場合がある。このような二酸化鉛の陽極上への析出は、陽極での主反応である酸素発生と同時に生じることになるが、二酸化鉛は酸素発生に対する触媒活性が低いため、陽極上での酸素発生反応を阻害し、結果として陽極の電位を上昇させ、電解電圧が増加する原因となる。このような陽極上への副反応による金属酸化物の析出と蓄積は、電解電圧の上昇を引き起こし、同時に陽極の寿命・耐久性を低下させる原因となる。





上記のような理由から、水溶液を電解液とする電気めっきの陽極には、1)酸素発生および/または塩素発生に対する触媒活性が高く、2)陽極上に金属酸化物の析出を生じる副反応や、さらには金属成分を含まなくても陽極上に付着・蓄積するような析出物を生じる副反応に対する触媒活性は低く、3)したがって、主反応に対する高い選択性があり、4)その結果、陽極の電位が低く、言い換えれば陽極反応に対する過電圧が小さく、かつ電気めっきを続けても副反応の影響による陽極電位の上昇を生じることがなく、5)したがって、電解電圧が低く、かつ低い電解電圧が維持され、これによって目的とする金属を電気めっきするための電力量原単位が小さくなり、6)同時に副反応の影響による陽極の寿命・耐久性の低下がなく、7)主反応に対して高い耐久性を有する材料を使用することが望まれる。このような要求に対して、本願発明者は、電解銅箔製造などの硫酸系電解液を使用する電気めっきに適した陽極として、特許文献2に非晶質の酸化イリジウムを含む触媒層を導電性基体上に形成した陽極をすでに開示した。また、非晶質の酸化イリジウムを含む触媒層を形成したチタン電極は、特許文献3にも開示されている。

産業上の利用分野



本発明は、水溶液中の金属イオンを陰極上で還元して、所望する金属膜または金属箔を作製する電気めっきに用いる電気めっき用陽極、および水溶液中の金属イオンを陰極上で還元して、所望する金属膜または金属箔を作製する電気めっき法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
水溶液を電解液とする電気めっきの陽極であって、非晶質の酸化ルテニウムと非晶質の酸化タンタルを含む触媒層を導電性基体上に形成したものであることを特徴とする電気めっき用陽極。

【請求項2】
前記触媒層が非晶質の酸化ルテニウムと非晶質の酸化タンタルからなることを特徴とする請求項1に記載の電気めっき用陽極。

【請求項3】
前記触媒層におけるルテニウムとタンタルのモル比が50:50であることを特徴とする請求項1または2に記載の電気めっき用陽極。

【請求項4】
前記触媒層と前記導電性基体の間に、中間層が形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の電気めっき用陽極。

【請求項5】
前記中間層が、タンタル、ニオブ、タングステン、モリブデン、チタン、白金、またはこれらのいずれかの金属の合金からなることを特徴とする請求項4に記載の電気めっき用陽極。

【請求項6】
前記中間層が、結晶質の酸化イリジウムと非晶質の酸化タンタルを含むことを特徴とする請求項4に記載の電気めっき用陽極。

【請求項7】
前記中間層が、結晶質のルテニウムとチタンの複合酸化物を含むことを特徴とする請求項4に記載の電気めっき用陽極。

【請求項8】
前記中間層が、結晶質の酸化ルテニウムと非晶質の酸化タンタルを含むことを特徴とする請求項4に記載の電気めっき用陽極。

【請求項9】
前記中間層が、導電性ダイヤモンドであることを特徴とする請求項4に記載の電気めっき用陽極。

【請求項10】
電気めっきされる金属が、銅、亜鉛、スズ、ニッケル、コバルト、鉛、クロム、インジウム、白金、銀、イリジウム、ルテニウム、パラジウムのうち、いずれか1つであることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の電気めっき用陽極。

【請求項11】
水溶液を電解液とする電気めっき法であって、請求項1~9のいずれかに記載の電気めっき用陽極を用いて所望の金属を電気めっきすることを特徴とする電気めっき法。

【請求項12】
電気めっきされる金属が、銅、亜鉛、スズ、ニッケル、コバルト、鉛、クロム、インジウム、白金、銀、イリジウム、ルテニウム、パラジウムのうち、いずれか1つであることを特徴とする請求項11に記載の電気めっき法。
産業区分
  • 表面処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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