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培養細胞の剥離方法及び同培養細胞の剥離方法に用いる細胞剥離装置並びに培養器 コモンズ

国内特許コード P130009697
掲載日 2013年7月26日
出願番号 特願2012-503165
登録番号 特許第5685245号
出願日 平成23年2月28日(2011.2.28)
登録日 平成27年1月23日(2015.1.23)
国際出願番号 JP2011054550
国際公開番号 WO2011108503
国際出願日 平成23年2月28日(2011.2.28)
国際公開日 平成23年9月9日(2011.9.9)
優先権データ
  • 特願2010-044046 (2010.3.1) JP
発明者
  • 中嶋 直敏
  • 藤ヶ谷 剛彦
  • 中澤 浩二
  • 新留 康郎
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 培養細胞の剥離方法及び同培養細胞の剥離方法に用いる細胞剥離装置並びに培養器 コモンズ
発明の概要 培養された接着細胞を選択的に剥離することのできる培養細胞の剥離方法を提供する。
細胞が接着する足場を少なくともカーボンナノチューブを含む細胞接着因子により構成し、細胞が接着する領域の足場に対してレーザ光をスポット状に照射することにより、カーボンナノチューブの光熱変換によって生成した熱で衝撃波を発生させ、この衝撃波により細胞を非接着状態とすることとした。
従来技術、競合技術の概要


従来、医学や薬学、生物学等の分野では、多細胞生物から分離した細胞を体外で増殖したり維持するために、細胞培養が頻繁に行われている。



この細胞培養の典型的な一例として、例えば、内底面に生体適合材料等による薄膜を形成した培養器に液体培地を収容し、この培地に細胞を播種することにより、薄膜を足場として細胞を培養する、いわゆる接着培養が挙げることができる。



このように播種された細胞は分裂して増殖し、足場上に伸展して細胞の層を形成することとなる。



ところで、このようにして増殖した細胞は、実験や更なる培養に用いる場合、培養器内の足場から剥離する必要がある。



そこで、接着力の弱い細胞については、スクレーパと呼ばれる道具を用いて物理的に足場から掻き取る作業が行われている。また、接着力が比較的強い細胞の場合には、コラゲナーゼやトリプシン等のタンパク質分解酵素を用いて、足場との接着因子を分解することにより剥離する作業が行われることもある。



ところが、上述のようなタンパク質分解酵素を用いる剥離方法では、接着因子以外のタンパク質(例えば、細胞表面に存在する膜タンパクなど)を分解し、破壊してしまうという問題があった。



そこで、タンパク質分解酵素を用いることなく、接着細胞を足場から剥離する方法として、培養器の外面から超音波振動を与える方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。



この超音波振動を用いる方法によれば、細胞表面の膜タンパク等を破壊することなく、接着細胞を足場から剥離することができるとしている。

産業上の利用分野


本発明は、培養器内で培養された接着細胞を選択的に剥離する培養細胞の剥離方法及び同培養細胞の剥離方法に用いる細胞剥離装置並びに培養器に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
培養器内に収容した液体培地中で培養された接着細胞を選択的に剥離する培養細胞の剥離方法であって、
前記細胞が接着する足場を少なくともナノカーボンを含む細胞接着因子により構成し、前記細胞が接着する領域の足場に対してレーザ光をスポット状に照射することで、前記ナノカーボンの光熱変換によって生成した熱で衝撃波を発生させ、この衝撃波により前記細胞を非接着状態とするにあたり、前記レーザ光を、前記細胞が衝撃波により前記液体培地の液面から上方へ飛び出す強度で照射することを特徴とする培養細胞の剥離方法。

【請求項2】
培養器内に収容した液体培地中で培養された接着細胞を選択的に剥離する培養細胞の剥離方法であって、
前記細胞が接着する足場を少なくともナノカーボンを含む細胞接着因子により構成し、前記足場の細胞が接着している部位に対してレーザ光をスポット状に照射することで、前記ナノカーボンの光熱変換によって生成した熱で前記レーザ光の照射領域内の足場を消失させるとともに、前記照射領域内の足場をアブレータとして機能させて前記細胞を前記熱から守りながら非接着状態とするにあたり、前記レーザ光を、前記細胞が衝撃波により前記液体培地の液面から上方へ飛び出す強度で照射することを特徴とする培養細胞の剥離方法。

【請求項3】
培養器内に収容した液体培地中で培養された接着細胞を選択的に剥離する培養細胞の剥離方法であって、
前記細胞が接着する足場を少なくともナノカーボンを含む細胞接着因子により構成し、前記細胞が接着する領域の足場に対してレーザ光をスポット状に照射することで、前記ナノカーボンの光熱変換によって生成した熱で衝撃波を発生させ、この衝撃波により前記細胞を非接着状態とするにあたり、前記液体培地の量を、前記レーザ光の照射によって発生する衝撃波により、前記細胞が前記液体培地の液面から上方へ飛び出し可能な深さとなるように調整することを特徴とする培養細胞の剥離方法。

【請求項4】
培養器内に収容した液体培地中で培養された接着細胞を選択的に剥離する培養細胞の剥離方法であって、
前記細胞が接着する足場を少なくともナノカーボンを含む細胞接着因子により構成し、前記足場の細胞が接着している部位に対してレーザ光をスポット状に照射することで、前記ナノカーボンの光熱変換によって生成した熱で前記レーザ光の照射領域内の足場を消失させるとともに、前記照射領域内の足場をアブレータとして機能させて前記細胞を前記熱から守りながら非接着状態とするにあたり、前記液体培地の量を、前記レーザ光の照射によって発生する衝撃波により、前記細胞が前記液体培地の液面から上方へ飛び出し可能な深さとなるように調整することを特徴とする培養細胞の剥離方法。

【請求項5】
前記足場上には複数の細胞が接着しており、
前記領域内に接着する細胞の数を1つとした状態でレーザ光を照射して、この細胞を他の複数の細胞から単離することを特徴とする請求項1~4いずれか1項に記載の培養細胞の剥離方法。

【請求項6】
前記培養器は、前記液体培地の液面に対向する対向面を備え、前記衝撃波の発生により液体培地の液面から上方へ飛び出した細胞を、前記対向面に付着させることを特徴とする請求項1~5いずれか1項に記載の培養細胞の剥離方法。

【請求項7】
前記レーザ光の波長を近赤外域とすることを特徴とする請求項1~6いずれか1項に記載の培養細胞の剥離方法。

【請求項8】
少なくともナノカーボンを含有する細胞接着因子で内部コーティングし、細胞が接着する足場が形成され、同足場に接着する細胞を培養する液体培地の液面に対向する対向面を備えた培養器を備える培養部と、
前記培養器内の細胞を観察可能に構成した顕微鏡部と、
所定の波形信号を出力可能に構成した波形信号出力部と、
同波形信号出力部より出力される波形信号に応じて強度変調されたレーザ光を出射するレーザ光源部と、
を備え、
前記レーザ光源部により培養器の足場に対してレーザ光を照射し、前記ナノカーボンの光熱変換によって生成した熱で衝撃波を発生させ、前記足場から培養細胞を剥離するにあたり、前記レーザ光を前記細胞が前記衝撃波により前記液体培地の液面から上方へ飛び出す強度で出射し、この飛び出した細胞を前記対向面に付着させるべく構成したことを特徴とする細胞剥離装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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