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グラフェン薄膜とその製造方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P130009700
掲載日 2013年7月26日
出願番号 特願2011-528909
登録番号 特許第5641484号
出願日 平成22年8月31日(2010.8.31)
登録日 平成26年11月7日(2014.11.7)
国際出願番号 JP2010064848
国際公開番号 WO2011025045
国際出願日 平成22年8月31日(2010.8.31)
国際公開日 平成23年3月3日(2011.3.3)
優先権データ
  • 特願2009-200982 (2009.8.31) JP
  • 特願2010-045930 (2010.3.2) JP
発明者
  • 吾郷 浩樹
  • 伊藤 由人
  • 田中 伊豆美
  • 水野 清義
  • 辻 正治
出願人
  • 国立大学法人九州大学
発明の名称 グラフェン薄膜とその製造方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 大面積で、均質かつドメインバンダリーの少ないグラフェン薄膜、さらには結晶方位の向きが揃ったグラフェン薄膜を安価に製造することができる、エレクトロニクスへの応用などの工業的な利用に適した新規なグラフェン薄膜の製造方法とグラフェン薄膜を提供する。
本発明のグラフェン薄膜の製造方法では、単結晶基板の表面にエピタキシャルな金属膜を成膜した基板を用いて、このエピタキシャルな金属膜の表面に炭素原料を接触させることによりグラフェン薄膜を成長させる。また、本発明のグラフェン薄膜は、グラフェン薄膜が多数のグラフェンドメインから構成され、各ドメインの面積が0.000001μm2~100000mm2であり、かつドメイン内の六員環の方位がグラフェン薄膜全体にわたって平均的に同一方向を向いている。
従来技術、競合技術の概要


グラフェンは、グラファイトを一枚ないし複数枚取り出したもので、sp2炭素から構成された理想的な二次元構造を有する。その層数によって、単層グラフェン、二層グラフェン、多層グラフェンなどと呼ばれる。



グラフェンは、電子とホールの非常に高い移動度(10,000-200,000 cm2/Vs)が報告されており、この移動度はシリコンやGaAsなどを上回る。二次元シートであるため、リソグラフィやエッチングなど半導体の作製技術を適用でき、様々な構造体を得ることができる。さらに、透明性に優れ、機械的にも柔軟であることから、フレキシブルトランジスタや透明電極など多様なデバイスへの応用の可能性を有している。



従来、グラフェン薄膜を得るために、HOPGなどのグラファイトをスコッチテープなどで機械的に剥離・転写する方法が行われてきたが、サイズや厚さがバラバラであり、実際の応用には利用することができない。



それに代わる方法として、SiCの熱分解によるグラフェン膜の生成や、超高真空中での金属単結晶上での炭化反応などが報告されてきた。しかし、これらの方法で用いられるSiC単結晶基板やNi(111)単結晶基板は非常に高価で、しかも限られたサイズのものしか入手できないという問題がある。



そのような中で、グラフェンを大面積に低コストで合成する方法として、最近では化学気相成長(CVD)法によって遷移金属膜上で炭化反応を行う技術が提案されている(非特許文献1~3、特許文献1、2参照)。

産業上の利用分野


本発明は、グラフェン薄膜とその製造方法およびグラフェン薄膜に関するものであり、さらに詳しくは、触媒としての金属膜を用いたグラフェン薄膜とその製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
グラフェン薄膜が多数のグラフェンドメインから構成され、各ドメインの面積が0.000001μm2~100000mm2であり、かつドメイン内の六員環の方位がグラフェン薄膜全体にわたって平均的に同一方向を向いていることを特徴とするグラフェン薄膜。
【請求項2】
六員環の方位の面内のずれが±5°以内に揃っているドメインが90%以上存在することを特徴とする請求項1に記載のグラフェン薄膜。
【請求項3】
六員環の方位の面内のずれが±10°以内に揃っているドメインが90%以上存在することを特徴とする請求項1に記載のグラフェン薄膜。
【請求項4】
多数のドメインからなるグラフェン薄膜の全体としての大きさが1mm2~50000mm2であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のグラフェン薄膜。
【請求項5】
層数が同一のグラフェンの割合が90%以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のグラフェン薄膜。
【請求項6】
単層のグラフェンの割合が90%以上であることを特徴とする請求項5に記載のグラフェン薄膜。
【請求項7】
単層グラフェンの割合が50%以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のグラフェン薄膜。
【請求項8】
二層グラフェンの割合が50%以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のグラフェン薄膜。
【請求項9】
三層グラフェンの割合が50%以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のグラフェン薄膜。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載のグラフェン薄膜が基板に転写されたものであり、大きさが10nm2~1m2であることを特徴とするグラフェン薄膜の複合体。
【請求項11】
金属膜と、この金属膜の表面に成長した請求項1から9のいずれかに記載のグラフェン薄膜とを有することを特徴とするグラフェン薄膜の複合体。
【請求項12】
単結晶基板と、この単結晶基板上に成膜したエピタキシャルな金属膜と、この金属膜の表面に成長した請求項1から9のいずれかに記載のグラフェン薄膜とを有することを特徴とするグラフェン薄膜の複合体。
【請求項13】
グラフェン薄膜を含む複合体のLEED(低速電子回折)像が、6個の等間隔に並んだ回折スポットを有することを特徴とする請求項11または12に記載のグラフェン薄膜の複合体。
【請求項14】
グラフェン薄膜を含む複合体のLEED像が、6個の等間隔に並んだ回折スポットと当該スポットを中心に強度が偏在するリング状の回折パターンを有することを特徴とする請求項11または12に記載のグラフェン薄膜の複合体。
【請求項15】
グラフェン薄膜を含む複合体のLEED像が、6個の等間隔に並んだ回折スポットと12個のスポットに偏在するリング状の回折パターンを有することを特徴とする請求項11または12に記載のグラフェン薄膜の複合体。
【請求項16】
エピタキシャルな金属膜の表面に形成されたピット内に成長して得られたものであることを特徴とするグラフェン薄膜。
【請求項17】
金属膜と、この金属膜の表面に形成されたピット内に成長した請求項16に記載のグラフェン薄膜とを有することを特徴とするグラフェン薄膜の複合体。
【請求項18】
単結晶基板と、この単結晶基板上に成膜したエピタキシャルな金属膜と、この金属膜の表面に形成されたピット内に成長した請求項16に記載のグラフェン薄膜とを有することを特徴とするグラフェン薄膜の複合体。
【請求項19】
三角形、四角形、六角形、八角形または円形の面積0.0001~1000000μm2の平面形状を有し、厚さが1~20層であることを特徴とするグラフェン薄膜。
【請求項20】
辺がジグザグ構造またはアームチェア構造を有する面積0.0001~1000000μm2の平面形状を有し、厚さが1~20層であることを特徴とするグラフェン薄膜。
【請求項21】
請求項16、19または20に記載のグラフェン薄膜が基板に転写されたものであることを特徴とするグラフェン薄膜の複合体。
【請求項22】
単結晶基板の表面にエピタキシャルな金属膜を成膜した基板を用いて、このエピタキシャルな金属膜の表面に炭素原料を接触させることによりグラフェン薄膜を成長させる工程を含むことを特徴とするグラフェン薄膜の製造方法。
【請求項23】
炭素原料を接触させたエピタキシャルな金属膜の全面にグラフェン薄膜を成長させることを特徴とする請求項22に記載のグラフェン薄膜の製造方法。
【請求項24】
炭素原料を接触させたエピタキシャルな金属膜の80%以上の領域にグラフェン薄膜を成長させることを特徴とする請求項22に記載のグラフェン薄膜の製造方法。
【請求項25】
炭素原料を接触させたエピタキシャルな金属膜の50%以上の領域にグラフェン薄膜を成長させることを特徴とする請求項22に記載のグラフェン薄膜の製造方法。
【請求項26】
層数が同一のグラフェンの割合が90%以上のグラフェン薄膜を成長させることを特徴とする請求項22から25のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
【請求項27】
層数が同一のグラフェンの割合が70%以上のグラフェン薄膜を成長させることを特徴とする請求項22から25のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
【請求項28】
層数が同一のグラフェンの割合が50%以上のグラフェン薄膜を成長させることを特徴とする請求項22から25のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
【請求項29】
層数が同一のグラフェンは、単層、二層、および三層から選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項26から28のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
【請求項30】
グラフェン薄膜を構成するドメイン内の六員環の方位がグラフェン薄膜全体にわたって平均的に同一方向を向いているグラフェン薄膜を成長させることを特徴とする請求項22から29のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
【請求項31】
グラフェン薄膜および金属膜を含む複合体のLEED(低速電子回折)像が、6個の等間隔に並んだ回折スポットを有することを特徴とする請求項30に記載のグラフェン薄膜の製造方法。
【請求項32】
グラフェン薄膜を形成した基板のLEED像が、6個の等間隔に並んだ回折スポットと当該スポットを中心に強度が偏在するリング状の回折パターンを有することを特徴とする請求項30に記載のグラフェン薄膜の製造方法。
【請求項33】
グラフェン薄膜を形成した基板のLEED像が、12個のスポットに偏在するリング状の回折パターンを有することを特徴とする請求項30に記載のグラフェン薄膜の製造方法。
【請求項34】
グラフェン薄膜のドメインサイズの平均が0.0001μm2以上であることを特徴とする請求項22から33のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
【請求項35】
単結晶基板がα-Al2O3、MgO、または水晶(SiO2)の単結晶基板であることを特徴とする請求項22から34のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
【請求項36】
エピタキシャルな金属膜がCo、Ni、Fe、Cu、Pt、Pd、Ru、Au、Ir、Ti、Al、Ag、Mg、Mn、Cr、およびSnから選ばれる少なくとも1種の膜であることを特徴とする請求項22から35のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
【請求項37】
エピタキシャルな金属膜に大気圧から減圧下の圧力下で気体状の炭素含有分子を供給して化学気相成長(CVD)によりグラフェン薄膜を成長させることを特徴とする請求項22から35のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
【請求項38】
グラフェン薄膜の合成前に、グラフェン薄膜の合成時の温度よりも低い温度で基板の水素アニールを行うことを特徴とする請求項37に記載のグラフェン薄膜の製造方法。
【請求項39】
エピタキシャルな金属膜の表面に有機高分子膜を形成し、次いで有機高分子を真空中で熱分解することによりグラフェン薄膜を成長させることを特徴とする請求項22から36のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
【請求項40】
エピタキシャルな金属膜の表面にグラフェン薄膜を成長させた後、酸処理または触媒金属の還元電位の差を利用した方法によりグラフェン薄膜を分離する工程をさらに含むことを特徴とする請求項22から39のいずれかに記載のグラフェン薄膜の製造方法。
【請求項41】
エピタキシャルな金属膜の表面に形成されたピット内に優先的にグラフェン薄膜を成長させることを特徴とする請求項22に記載のグラフェン薄膜の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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