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放射線検出器

国内特許コード P130009721
整理番号 13674
掲載日 2013年7月30日
出願番号 特願2011-195023
公開番号 特開2013-057554
登録番号 特許第5779819号
出願日 平成23年9月7日(2011.9.7)
公開日 平成25年3月28日(2013.3.28)
登録日 平成27年7月24日(2015.7.24)
発明者
  • 神野 郁夫
  • 荒 邦章
  • 大高 雅彦
出願人
  • 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 放射線検出器
発明の概要 【課題】高い線量の放射線の検出とエネルギ情報の収集とを同時に行うことができ、しかもエネルギ情報を精度良く取得する。
【解決手段】入射した放射線から付与されたエネルギによって電荷を発生する複数の検出素子11,…,13が、放射線の入射線上に入射端からの距離が互いに異なる位置に配設され、前記検出素子の列の検出素子間の1箇所以上に吸収体14が設置されている。これら複数の検出素子は全て同一の検出媒体を用いた同一構造であって、それらが3~6個、一列に配列されている。前記吸収体としては、例えば錫などを用いる。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


周知のように、電磁放射線(以下、単に「放射線」と記す)であるX線やガンマ線は、高い透過能力を有することから、医療分野における診断をはじめ、工業分野における非破壊検査や結晶構造解析等に広く用いられている。近年、放射線の透過能力を利用した放射線透過撮像法としては、写真乾板に対する感光作用を用いたレントゲン撮影に代え、検出媒体に対する放射線の励起作用を電気的に検出し、その検出結果に基づいてデジタル画像を得る方式が主流となってきている。放射線検出器の内部に放射線のエネルギが付与されると、検出媒体の種類によって、例えば、半導体であれば電子・正孔対、ガスであれば電子・イオン対、シンチレータであれば蛍光、超伝導体であれば準粒子等の励起子が生成される。放射線検出器では、これらの励起子が電極に移動することによって付与エネルギに比例した電圧が誘起され、それによって人体等を透過した放射線のエネルギを測定することができる。



しかし、このような放射線検出器は、放射線が入射する毎に誘起電圧を測定するため、励起子が電極に移動している間に次の放射線が入射した場合には、前後する放射線を一つの放射線として認識してしまう虞がある。その結果、単位時間当たりに入射する放射線の線量(以下、単に「線量」ともいう)が制限されることになり、放射線透過撮像法(X線CTスキャン等)のように短時間で非常に高い線量の放射線を測定する際には、放射線のエネルギ情報を利用できなくなる問題があった。逆に、低い線量に制限した場合には短時間で放射線透過像を得ることができなくなるため、例えば、医療用X線CTスキャン等の用途において、心臓のような動きの速い臓器の鮮明な画像を得ることが極めて困難であった。そこで、放射線透過撮像装置では、X線のエネルギー測定は行わずに、電極に流れる電流を検出することにより、被検体内部を単位時間あたりに透過したX線の量を測定する方法が採用されている(特許文献1参照)。



一方、ヨウ素造影剤を用いて癌組織の有無を判定するための画像を得る場合、照射されたX線のごく一部しかヨウ素に吸収されないことから、人体に大量のX線を照射する必要があり、放射線被曝のリスクが高くなる問題があった。そこで、人体とヨウ素との間でX線の吸収率が異なることを利用したエネルギ差分法を採用した低被曝型のX線透過撮影装置が開発されている。この種のX線透過撮影装置では、2枚のX線フィルムの間に銅などの金属板を挟み白色X線を照射するもの、あるいは2種の単色X線を用いるものが一般的であり、これらにおいてはX線を電流として測定している。また一つ一つのX線のエネルギーを測定する方法を用いて、ランタン(La)フィルタにより高エネルギ部分をカットしたフィルタX線を人体に照射し、人体を透過したフィルタX線のうち、ヨウ素のK吸収端を挟んだ上下2つのエネルギ範囲のX線数を測定し、これにより得られた2種のエネルギ情報をサブトラクトすることによって造影剤のみを強調した画像を得る技術も提案されている(特許文献2参照)。



しかしながら、前記のような従来の放射線検出器は、高い線量に対応することができる反面、個々の放射線から付与されたエネルギの情報が失われるため、例えば、従来型X線透過撮影に対しては、ある組織を通過したX線の量が多いか少ないかという情報しか得ることができない。そのため、このような放射線検出器を特許文献2に示されているようなエネルギ差分法に適用することは困難であった。



このような問題を解決できるものとして、入射した放射線から付与されたエネルギによって電荷を発生する検出媒体と、前記検出媒体における前記放射線の入射端からの距離が互いに異なる位置で、該検出媒体に設置された複数の電極とを備えた放射線検出器(特許文献3参照)、CsI(Tl)シンチレータとフォトダイオードからなる検出素子を、放射線の入射方向に沿って複数配列した放射線検出器(非特許文献1参照)、あるいはSi(Li)半導体検出器からなる検出素子を放射線の入射方向に沿って複数配列した放射線検出器(非特許文献2参照)が提案されている。



これらの放射線検出器は、同一の検出素子を配列しているため構成が簡素化され、高い線量の放射線の検出とエネルギ情報の収集とが同時に行えるという優れた特徴を有するものの、各々の検出素子の入射放射線のエネルギに対する応答特性が類似しているため、エネルギ情報を精度良く求めるには、多大な計算を要するという問題があった。また、解析結果であるX線通過線上のヨウ素厚さを精度良く求めるためには、多数の初期推定X線エネルギー分布を用意し、アンフォールディングコードに入力する必要があった。更に、X線が被検体を通過した距離に対して求めておいた応答関数を解析に用いる必要があり、このため測定電流値から再構成したCT画像を用いて、各測定点においてX線が被検体を通過した距離を算出する必要があった。

産業上の利用分野


本発明は、放射線の入射方向に沿って複数の検出素子を配列した構造の放射線検出器に関し、更に詳しく述べると、その一部の検出素子に吸収体を付設することにより、高計数率の放射線の検出と高精度のエネルギ情報の収集とを同時に行うことができるようにした放射線検出器に関するものである。この技術は、例えば放射線透過撮像等に有用である。

特許請求の範囲 【請求項1】
被検体中のヨウ素造影剤を測定するための放射線検出器であって、入射した放射線から付与されたエネルギによって電荷を発生する3個の、全て同一の検出媒体を用いた同一構造の検出素子が、放射線の入射線上に入射端からの距離が互いに異なる位置に、一列に配設されており、前記検出素子の列の中間の検出素子または最後尾の検出素子の放射線入射端側に、錫からなる吸収体が配置されていることを特徴とする放射線検出器。

【請求項2】
前記検出素子の検出媒体が、半導体またはシンチレータからなる請求項1記載の放射線検出器。
産業区分
  • 測定
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011195023thum.jpg
出願権利状態 登録
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