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テラヘルツ測定法

国内特許コード P130009722
整理番号 13873
掲載日 2013年7月30日
出願番号 特願2012-287642
公開番号 特開2013-057696
登録番号 特許第5510851号
出願日 平成24年12月28日(2012.12.28)
公開日 平成25年3月28日(2013.3.28)
登録日 平成26年4月4日(2014.4.4)
発明者
  • 村上 洋
出願人
  • 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 テラヘルツ測定法
発明の概要 【課題】測定周波数帯域の広帯域化と周波数分解能の高分解能化とを実現したテラヘルツ測定装置等を提供する。
【解決手段】THz波スペクトル測定装置(1)は、フェムト秒レーザーをポンプ光とプローブ光とに分岐するビームスプリッタ(11)と、ポンプ光を受けてTHz波を発生させるTHz波発生源(12)と、プローブ光をチャープパルスに変換するチャープ発生光学器(22)と、チャープパルスを2つに分岐するビームスプリッタ(31)と、分岐された一方の参照光を検出する参照光検出手段と、他方をTHz波の電気光学効果にて変調する電気光学結晶(43)と、電気光学結晶(43)から出力された信号光を検出する信号光検出手段と、同時に検出された参照光と信号光とに基づいてTHz波の時間波形を取得する演算回路(50)とを有する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



現在、フェムト秒レーザーを用いたTHz波の測定法は、THz時間領域分光法(以下、A法と呼ぶ)が主流である。A法において、レーザーパルスは2つに分岐される。一方のレーザーパルス(ポンプパルスと呼ぶ)はTHz波発生素子に照射されて、THz波パルスの発生に使われる。もう一方のパルス(プローブパルスと呼ぶ)は、THz波パルスの時間波形をサンプリングするために用いられる。





A法では、光学的時間遅延器を使って時間幅がTHz波パルスに比べて充分狭いプローブパルスを動かし、THz波パルスの時間波形を一点ずつサンプリングしてTHz波パルスの時間波形全体を得る。光学的時間遅延器を機械的に動かしながら所定の時間間隔毎に測定を繰り返すため、THz波パルスの時間波形全体を測定するのに数分程度の時間を必要とする。





また、A法では、測定対象物をTHz波パルスの光路内の測定位置に配置した場合と配置しない場合の両方でTHz波パルスの時間波形を測定し、フーリエ変換してそれぞれの周波数スペクトル(それぞれEr及びEsとする)を取得する。取得した2つの周波数スペクトルに基づいて所定の演算をすることにより、測定対象物のTHz領域の吸収スペクトル(log(|Er|2/|Es|2))と複素振幅透過率スペクトル(Er/Es)とを得る。尚、以下ではTHz領域の吸収スペクトルと複素振幅透過率スペクトルをTHzスペクトルと呼ぶ。





A法での測定時間を短縮するための一つの方法として、チャープパルスを用いたマルチチャンネル計測法(以下B法と呼ぶ)が、Jiangらにより提案された(非特許文献1)。B法では、フェムト秒レーザーのレーザーパルスの時間幅をTHz波パルスの時間幅より長く伸張させたチャープパルスを作り、THz波パルスの波形情報全体をそのチャープパルスに載せる。よって、THz波パルスの時間波形の測定は、1個のチャープパルスの検出で足りる。これにより、B法では、THz波パルスの時間波形の単発計測が可能となり、THz波パルスの時間波形の測定時間は、1個のチャープパルスを検出する検出系の応答時間となる。例えば、1ミリ秒程度以下の測定時間も可能である。B法では、A法に比べて測定時間の大幅な短縮が実現できる。





A法での測定時間を短縮するための他の方法として、スペクトル幅が広い白色光パルスをフェムト秒レーザーにより発生させた後に、その白色光パルスをチャープさせて用いる方法がある(特許文献1、以下C法と呼ぶ)。B法を開示する非特許文献1ではテラヘルツ分光の測定周波数帯域及び時間分解能はそれぞれ約0.3THz及び0.07THzであるのに対して、C法の実施例では測定周波数帯域及び時間分解能はそれぞれ約1THz及び約0.1THzにできることが開示されている。





C法を用いることで測定周波数帯域を、B法の0.3THzから約1THzに広げることは可能となるが、約0.1THzというC法の時間分解能は、A法の時間分解能(数0.01THz)に比べると数倍悪い。

産業上の利用分野



本発明は、周波数域が約0.1~数THz(波長が30μm~3000μm、以下「THz領域」とする)のテラヘルツ波(以下、THz波とする)を使用するテラヘルツ測定装置等、及び透過THz波が特徴となるスペクトル成分をTHz領域に持つ測定対象物のテラヘルツ測定装置等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
超短光パルスをポンプ光とプローブ光の2つに分岐する第1の分岐ステップと、
前記第1の分岐ステップにて分岐された前記ポンプ光を受けてテラヘルツ波(THz波)を発生させるテラヘルツ波発生ステップと、
前記第1の分岐ステップにて分岐された前記プローブ光を所定の時間だけ遅延させる光学的時間遅延ステップと、
前記光学的時間遅延ステップにて遅延させられた前記プローブ光をチャープパルスに変換するチャープ発生ステップと、
前記チャープ発生ステップにて出力された前記チャープパルスを2つに分岐する第2の分岐ステップと、
前記第2の分岐ステップにて分岐された前記チャープパルスの一方を参照光としてスペクトルを検出する参照光検出ステップと、
前記第2の分岐ステップにて分岐された前記チャープパルスの他方を受けて、前記テラヘルツ波発生ステップにて発生された前記THz波の電場信号で誘起された電気光学効果にて変調する電気光学ステップと、
前記電気光学ステップにて変調された光を信号光としてスペクトルを検出する信号光検出ステップと、
を有し、
THz波を発生させないで前記参照光R(t)_offと前記信号光S(t)_offとを同時に検出する第1の検出ステップと、
THz波を発生させて前記信号光S(t)_onと前記参照光R(t)_onとを同時に検出する第2の検出ステップと、
前記第1の検出ステップにて検出された前記参照光R(t)_offと前記信号光S(t)_off、及び、前記第2の検出ステップにて前記信号光S(t)_onと前記参照光R(t)_onを使って、前記THz波の時間波形E

THz

(t)を演算する演算ステップと、を有する時間波形取得法を用いたテラヘルツ測定法であって、
所定の測定位置に測定対象物がない状態で前記時間波形取得法を実行してTHz波の第1の時間波形を取得する第1時間波形取得工程と、
前記測定位置に前記測定対象物が配置された状態で前記時間波形取得法を実行して当該測定対象物を透過した前記THz波の第2の時間波形を取得する第2時間波形取得工程と、
前記第1時間波形取得工程にて取得された前記第1の時間波形と前記第2時間波形取得工程にて取得された前記第2の時間波形とに基づいて時間遅延量を算出する時間遅延量算出工程と、
前記時間遅延量算出工程にて算出された前記時間遅延量だけプローブ光を遅延させて前記時間波形取得法を実行して、前記測定対象物を透過した前記THz波の第3の時間波形を取得する第3時間波形取得工程と、
前記第1時間波形取得工程にて取得した前記第1の時間波形と、前記第3時間波形取得工程にて取得された前記第3の時間波形とに基づいて、前記測定対象物を透過した前記THz波のスペクトルを計算するTHzスペクトル計算工程と
を有することを特徴とするテラヘルツ測定法。

【請求項2】
請求項1に記載のテラヘルツ測定法において、前記時間遅延量算出工程では、前記第1の時間波形と前記第2の時間波形との主ピークの時間差に基づいて前記時間遅延量を算出することを特徴とするテラヘルツ測定法。

【請求項3】
請求項1又は2に記載のテラヘルツ測定法において、
前記第1の時間波形を記憶する第1時間波形記憶工程を更に有し、
前記時間遅延量算出工程では、前記第1時間波形記憶工程にて記憶された前記第1の時間波形と前記第2の時間波形とに基づいて前記時間遅延量を算出することを特徴とするテラヘルツ測定法。

【請求項4】
請求項1に記載のテラヘルツ測定法において、前記第1及び第3時間波形取得工程は複数回実行され、検出された参照光と信号光とに基づいて前記THz波の時間波形を取得することを特徴とするテラヘルツ測定法。

【請求項5】
超短光パルスをポンプ光とプローブ光の2つに分岐する第1の分岐ステップと、
前記第1の分岐ステップにて分岐された前記プローブ光を所定の時間だけ遅延させる光学的時間遅延ステップと、
前記光学的時間遅延ステップにて遅延させられた前記プローブ光をチャープパルスに変換するチャープ発生ステップと、
前記チャープ発生ステップにて出力された前記チャープパルスを2つに分岐する第2の分岐ステップと、
前記第2の分岐ステップにて分岐された前記チャープパルスの一方を参照光としてスペクトルを検出する参照光検出ステップと、
前記第1の分岐ステップにて分岐された前記ポンプ光を、励起光と第2のポンプ光の2つに分岐する第3の分岐ステップと、
前記第3の分岐ステップにて分岐された前記励起光の光路を開閉するシャッターステップと、
前記第3の分岐ステップにて分岐された前記第2のポンプ光を所定の時間だけ遅延させる第2の光学的時間遅延ステップと、
前記第2の光学的時間遅延ステップにて遅延させられた前記第2のポンプ光を受けてテラヘルツ波(THz波)を発生させるテラヘルツ波発生ステップと、
前記第2の分岐ステップにて分岐された前記チャープパルスの他方を受けて、前記テラヘルツ波発生ステップにて発生された前記THz波の電場信号で誘起された電気光学効果にて変調する電気光学ステップと、
前記電気光学ステップにて変調された光を信号光としてスペクトルを検出する信号光検出ステップと、
を有し、
THz波を発生させないで前記参照光R(t)_offと前記信号光S(t)_offとを同時に検出する第1の検出ステップと、
THz波を発生させて前記信号光S(t)_onと前記参照光R(t)_onとを同時に検出する第2の検出ステップと、
前記第1の検出ステップにて検出された前記参照光R(t)_offと前記信号光S(t)_off、及び、前記第2の検出ステップにて前記信号光S(t)_onと前記参照光R(t)_onを使って、前記THz波の時間波形E

THz

(t)を演算する演算ステップと、を有する時間波形取得法を用いたテラヘルツ測定法であって、
前記第3の分岐ステップにて分岐された前記励起光を所定の測定位置に配置された測定対象物に照射して前記時間波形取得法を実行し、光励起された当該測定対象物を透過した透過THz波の時間波形を取得する励起状態での時間波形取得工程と、
前記シャッターステップにて前記励起光の前記光路を閉じて前記時間波形取得法を実行し、基底状態の前記測定対象物を透過した前記透過THz波の時間波形を取得する基底状態での時間波形取得工程と、
前記励起状態での時間波形取得工程にて取得された励起状態での前記透過THz波の前記時間波形と、前記基底状態での時間波形取得工程にて取得された基底状態での前記透過THz波の前記時間波形とに基づいて、光励起によって前記測定対象物に生じる変化を解析する解析工程と
を有することを特徴とするテラヘルツ測定法。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012287642thum.jpg
出願権利状態 登録
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