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多チャネル信号処理装置、方法、及びプログラム コモンズ

国内特許コード P130009766
掲載日 2013年8月9日
出願番号 特願2012-070301
公開番号 特開2013-201722
登録番号 特許第5971646号
出願日 平成24年3月26日(2012.3.26)
公開日 平成25年10月3日(2013.10.3)
登録日 平成28年7月22日(2016.7.22)
発明者
  • 田邉 造
  • 古川 利博
  • 名取 隆廣
出願人
  • 学校法人東京理科大学
発明の名称 多チャネル信号処理装置、方法、及びプログラム コモンズ
発明の概要 【課題】多チャネル信号に含まれる特定の信号を抽出または抑圧する場合において、ステレオ感を損なわず再現性の良いステレオ信号を出力する。
【解決手段】周波数領域変換部14L,14Rで観測信号を周波数領域の信号である観測スペクトルに変換し、スペクトル比演算部16で、観測スペクトルの比を演算し、ボーカル信号抽出部18で、スペクトル比が閾値以上の信号を楽曲信号とみなして抑圧した推定ボーカルスペクトルを抽出し、時間領域変換部20で、時間領域の信号である推定ボーカル信号に変換する。楽曲信号推定部22で、推定ボーカル信号の分散値、観測信号の分散値から推定ボーカル信号の分散値を差し引いた楽曲信号の分散値、並びに観測信号を有色駆動源付カルマンフィルタに適用し、状態量の最適推定値ベクトルとして推定された推定楽曲信号を抽出する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


従来、ステレオ信号をチャネル毎に複数の周波数帯域に分割し、周波数帯域毎のチャネル間の類似度を計算し、類似度から中央付近に定位する音源信号を抑圧、もしくは強調するための減衰係数を計算し、その減衰係数を各周波数帯域信号に乗算し、チャネル毎の各周波数帯域信号を再合成して出力するステレオ音響信号処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。



特許文献1に記載のステレオ音響信号処理装置は、ステレオ信号入力部に入力される音響信号が、強調、もしくは抑圧したい目的音源信号が中央付近に定位するように収音されているステレオ信号である場合に有効である。詳細には、ステレオ信号入力部に入力されたステレオ信号(左チャネルの信号sL、右チャネルの信号sR)の各々を帯域分割数Nの周波数領域の信号(fL(k)及びfR(k)、k=0,・・・,N-1)に変換し、同じ周波数帯域毎にfL(k)とfR(k)との類似度a(k)を計算する。周波数帯域毎に計算された類似度a(k)に基づき周波数帯域毎に減衰係数g(k)を算出し、同一周波数帯域において、左右チャネル間で同一の減衰係数g(k)が各周波数帯域信号fL(k)に乗算し再合成することで、チャネル間の類似度の大きな成分だけの成分集合sL'、sR'が出力され、その結果、中央付近に定位する音源信号だけが残る。



このように、特許文献1に記載のステレオ音響信号処理装置では、全ての帯域に対して処理を行って、目的音源信号が中央付近に定位する音源信号を得ている。



また、2チャネルの入力音響信号各々のスペクトルデータを生成し、そのスペクトルデータにおける特定の音響信号(ボーカル信号の音声)に対応する設定周波数帯域に属する複数の周波数ビン各々のデータが、2チャネル相互間で所定の近似条件を満たす場合に、その周波数ビンのデータのパワーを縮減補正し、補正後のスペクトルデータに基づく時間領域の補正後音響信号と、2チャネル各々における他チャネルに対する差信号とを合成することによりステレオ音響信号を構成する2チャネルの出力音響信号を生成する音響信号処理装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。



特許文献2に記載の音響信号処理装置では、L及びRの2チャンネル各々について、他方のチャンネルに対する入力音響信号の差分を計算した結果である差信号(ΔXL(t)=XL(t)-XR(t)とΔXR(t)=XR(t)-XL(t))を生成する。そして、L及びRの2チャンネル各々について、時間領域の補正後音響信号XL'(t)及びXR'(t)と、差信号ΔXL(t)及びΔXR(t)とを、例えば重み付け加算により合成することにより、ステレオ音響信号を構成する2チャンネルの出力音響信号YL(t)、YR(t)を生成する。

産業上の利用分野


本発明は、多チャネル信号処理装置、方法、及びプログラムに係り、特に、多チャネル信号に含まれる特定の信号を抽出または抑圧する多チャネル信号処理装置、方法、及びプログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
各チャネル間で共通に含まれる第1信号と、チャネル毎に異なる第2信号とを含む複数チャネルの時間領域の観測信号各々を周波数領域のスペクトル信号に変換し、各スペクトル信号の比に基づいて前記第1信号のスペクトル信号と推定される推定第1スペクトル信号を抽出し、周波数領域の信号である前記推定第1スペクトル信号を時間領域の信号に変換して前記第1信号と推定される時間領域の推定第1信号を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された前記時間領域の推定第1信号の分散値、前記観測信号の分散値から前記推定第1信号の分散値を差し引いて得られる前記第2信号の分散値、並びに前記複数チャネルの観測信号を用いて、前記複数チャネルに対応した要素を含む前記第2信号のみから構成される状態方程式、及び前記複数チャネルに対応した要素を含む前記第1信号と第2信号とから構成される観測方程式で表される状態空間モデルに、有色駆動源付カルマンフィルタを適用して、前記第1信号または前記第2信号を推定する推定手段と、
を含む多チャネル信号処理装置。

【請求項2】
前記推定手段により推定された前記第1信号または前記第2信号を含む複数チャネルの時間領域の観測信号各々の自己相関のピーク値に基づいて、前記第2信号と推定される時間領域の推定第2信号を抽出する後段抽出手段と、
前記後段抽出手段で抽出された前記時間領域の推定第2信号の分散値、前記観測信号の分散値から前記推定第2信号の分散値を差し引いて得られる前記第1信号の分散値、並びに前記複数チャネルの観測信号を用いて、有色駆動源付カルマンフィルタにより、前記第1信号または前記第2信号を推定する後段推定手段と、
を含む請求項1記載の多チャネル信号処理装置。

【請求項3】
前記推定手段により推定された前記第1信号または前記第2信号を含む複数チャネルの時間領域の観測信号各々を周波数領域のスペクトル信号に変換し、スペクトル信号から各々得られるスペクトルエントロピーに基づいて前記第2信号のスペクトル信号と推定される推定第2スペクトル信号を抽出し、周波数領域の信号である前記推定第2スペクトル信号を時間領域の信号に変換して前記第2信号と推定される時間領域の推定第2信号を抽出する後段抽出手段と、
前記後段抽出手段で抽出された前記時間領域の推定第2信号の分散値、前記観測信号の分散値から前記推定第2信号の分散値を差し引いて得られる前記第1信号の分散値、並びに前記複数チャネルの観測信号を用いて、有色駆動源付カルマンフィルタにより、前記第1信号または前記第2信号を推定する後段推定手段と、
を含む請求項1記載の多チャネル信号処理装置。

【請求項4】
各チャネル間で共通に含まれる第1信号と、チャネル毎に異なる第2信号とを含む複数チャネルの時間領域の観測信号各々の自己相関のピーク値に基づいて、前記第2信号と推定される時間領域の推定第2信号を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された前記時間領域の推定第2信号の分散値、前記観測信号の分散値から前記推定第2信号の分散値を差し引いて得られる前記第1信号の分散値、並びに前記複数チャネルの観測信号を用いて、前記複数チャネルに対応した要素を含む前記第2信号のみから構成される状態方程式、及び前記複数チャネルに対応した要素を含む前記第1信号と第2信号とから構成される観測方程式で表される状態空間モデルに、有色駆動源付カルマンフィルタを適用して、前記第1信号または前記第2信号を推定する推定手段と、
を含む多チャネル信号処理装置。

【請求項5】
各チャネル間で共通に含まれる第1信号と、チャネル毎に異なる第2信号とを含む複数チャネルの時間領域の観測信号各々を周波数領域のスペクトル信号に変換して各々のパワースペクトル密度を演算し、該パワースペクトル密度から各々得られるスペクトルエントロピーに基づいて前記第2信号のスペクトル信号と推定される推定第2スペクトル信号を抽出し、周波数領域の信号である前記推定第2スペクトル信号を時間領域の信号に変換して前記第2信号と推定される時間領域の推定第2信号を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された前記時間領域の推定第2信号の分散値、前記観測信号の分散値から前記推定第2信号の分散値を差し引いて得られる前記第1信号の分散値、並びに前記複数チャネルの観測信号を用いて、前記複数チャネルに対応した要素を含む前記第2信号のみから構成される状態方程式、及び前記複数チャネルに対応した要素を含む前記第1信号と第2信号とから構成される観測方程式で表される状態空間モデルに、有色駆動源付カルマンフィルタを適用して、前記第1信号または前記第2信号を推定する推定手段と、
を含む多チャネル信号処理装置。

【請求項6】
前記抽出手段は、前記観測信号を所定フレーム長のフレーム毎に前記周波数領域のスペクトル信号に変換し、フレーム毎に前記スペクトルエントロピーを求め、第1所定フレーム数分のスペクトルエントロピーの平均σ’が、現フレームのスペクトルエントロピーより小さい場合にはσ’、大きい場合にはσ’に所定の係数αを乗算したασ’となる値σ”を得、前記第1信号が過去第2所定フレーム数連続している場合はσ”、前記第1信号が過去第2所定フレーム数連続しておらず、かつ前記第2信号が過去第2所定フレーム数連続している場合はσ’、前記第1信号が過去第2所定フレーム数連続しておらず、かつ前記第2信号が過去第2所定フレーム数連続していない場合はσ”を閾値σとし、フレームのスペクトルエントロピーが閾値σより小さい場合には、現フレームを第1信号と判定し、フレームのスペクトルエントロピーが閾値σ以上の場合には、現フレームを第2信号と判定する請求項5記載の多チャネル信号処理装置。

【請求項7】
各チャネル間で共通に含まれる第1信号と、チャネル毎に異なる第2信号とを含む複数チャネルの時間領域の観測信号各々を周波数領域のスペクトル信号に変換し、各スペクトル信号の比に基づいて前記第1信号のスペクトル信号と推定される推定第1スペクトル信号を抽出し、周波数領域の信号である前記推定第1スペクトル信号を時間領域の信号に変換して前記第1信号と推定される時間領域の推定第1信号を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された前記時間領域の推定第1信号の分散値、前記観測信号の分散値から前記推定第1信号の分散値を差し引いて得られる前記第2信号の分散値、並びに前記複数チャネルの観測信号を用いて、演算量軽減型有色駆動源付カルマンフィルタにより、前記第1信号または前記第2信号を推定する推定手段と、を含み、
前記演算量軽減型有色駆動源付カルマンフィルタは、時刻nまでの観測信号を用いて時刻n+1における前記第1信号または前記第2信号を推定する有色駆動源付カルマンフィルタの要素のうち、時刻n+1に関する要素のみを取り出したカルマンフィルタである
チャネル信号処理装置。

【請求項8】
各チャネル間で共通に含まれる第1信号と、チャネル毎に異なる第2信号とを含む複数チャネルの時間領域の観測信号各々を周波数領域のスペクトル信号に変換し、各スペクトル信号の比に基づいて前記第1信号のスペクトル信号と推定される推定第1スペクトル信号を抽出し、周波数領域の信号である前記推定第1スペクトル信号を時間領域の信号に変換して前記第1信号と推定される時間領域の推定第1信号を抽出し、
抽出された前記時間領域の推定第1信号の分散値、前記観測信号の分散値から前記推定第1信号の分散値を差し引いて得られる前記第2信号の分散値、並びに前記複数チャネルの観測信号を用いて、前記複数チャネルに対応した要素を含む前記第2信号のみから構成される状態方程式、及び前記複数チャネルに対応した要素を含む前記第1信号と第2信号とから構成される観測方程式で表される状態空間モデルに、有色駆動源付カルマンフィルタを適用して、前記第1信号または前記第2信号を推定する
多チャネル信号処理方法。

【請求項9】
各チャネル間で共通に含まれる第1信号と、チャネル毎に異なる第2信号とを含む複数チャネルの時間領域の観測信号各々の自己相関のピーク値に基づいて、前記第2信号と推定される時間領域の推定第2信号を抽出し、
抽出された前記時間領域の推定第2信号の分散値、前記観測信号の分散値から前記推定第2信号の分散値を差し引いて得られる前記第1信号の分散値、並びに前記複数チャネルの観測信号を用いて、前記複数チャネルに対応した要素を含む前記第2信号のみから構成される状態方程式、及び前記複数チャネルに対応した要素を含む前記第1信号と第2信号とから構成される観測方程式で表される状態空間モデルに、有色駆動源付カルマンフィルタを適用して、前記第1信号または前記第2信号を推定する
を含む多チャネル信号処理方法。

【請求項10】
各チャネル間で共通に含まれる第1信号と、チャネル毎に異なる第2信号とを含む複数チャネルの時間領域の観測信号各々を周波数領域のスペクトル信号に変換して各々のパワースペクトル密度を演算し、該パワースペクトル密度から各々得られるスペクトルエントロピーに基づいて前記第2信号のスペクトル信号と推定される推定第2スペクトル信号を抽出し、周波数領域の信号である前記推定第2スペクトル信号を時間領域の信号に変換して前記第2信号と推定される時間領域の推定第2信号を抽出し、
抽出された前記時間領域の推定第2信号の分散値、前記観測信号の分散値から前記推定第2信号の分散値を差し引いて得られる前記第1信号の分散値、並びに前記複数チャネルの観測信号を用いて、前記複数チャネルに対応した要素を含む前記第2信号のみから構成される状態方程式、及び前記複数チャネルに対応した要素を含む前記第1信号と第2信号とから構成される観測方程式で表される状態空間モデルに、有色駆動源付カルマンフィルタを適用して、前記第1信号または前記第2信号を推定する
多チャネル信号処理方法。

【請求項11】
コンピュータを、請求項1~請求項7のいずれか1項記載の多チャネル信号処理装置を構成する各手段として機能させるための多チャネル信号処理プログラム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012070301thum.jpg
出願権利状態 登録
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