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ポリカーボネートの製造方法 コモンズ

国内特許コード P130009793
掲載日 2013年8月13日
出願番号 特願2005-056313
公開番号 特開2006-241247
登録番号 特許第4590284号
出願日 平成17年3月1日(2005.3.1)
公開日 平成18年9月14日(2006.9.14)
登録日 平成22年9月17日(2010.9.17)
発明者
  • 杉本 裕
出願人
  • 学校法人東京理科大学
発明の名称 ポリカーボネートの製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】 本発明の課題は、エポキシドおよび二酸化炭素から、経済的且つ高収率にポリカーボネートを製造する方法を提供することである。
【解決手段】 コバルトポルフィリンクロリド錯体とピリジン系化合物又はイミダゾール系化合物との存在下で、下記一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物と、二酸化炭素と、を反応させるポリカーボネートの製造方法であり、特に一般式(2)で表される化合物と二酸化炭素との反応においては、50℃以下の温度で、かつ前記コバルトポルフィリンクロリド錯体1モルに対して、前記ピリジン系化合物を0.3~1モル用いる。
【化1】



〔一般式(1)中、R1は、アルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表し、nは、0~4の整数を表す。一般式(2)中、R2は、アルキル基を表す。〕
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


エポキシドと二酸化炭素の共重合方法及びこれにより得られる脂肪族ポリカーボネートは、二酸化炭素を合成樹脂の原料に利用する点で意義深い技術である。
また、脂肪族ポリカーボネートは、透明性を有し、かつ加熱により完全に分解するという特徴を有しているため、脂肪族ポリカーボネートを、一般成形物、フィルム、ファイバー等のみならず、光ファイバー、光ディスク、セラミックバインダー、ロストフォームキャスティングなどの材料に利用することも可能である。
さらに、脂肪族ポリカーボネートは、生体内で分解されるという特徴も有しているので、徐放性の薬剤カプセル等の医用材料、生分解性樹脂への添加剤、あるいは生分解性樹脂の主成分としても応用可能である。



エポキシドと二酸化炭素の共重合方法としては、触媒を用いる方法が多く提案されている。例えば、ジエチル亜鉛と水の反応物による方法(例えば、特許文献1参照。)、ジエチル亜鉛とエチレングリコールの反応物による方法(例えば、非特許文献1参照。)が、開示されている。
しかし、ジエチル亜鉛は、高価であり、取り扱いが難しい。



そこで、より安価な無機亜鉛化合物を用いて重合する方法が提案されている。例えば、水酸化亜鉛とジカルボン酸の反応物による方法(例えば、非特許文献2参照。)、酸化亜鉛とジカルボン酸の反応物による方法(例えば、特許文献2参照。)、酸化亜鉛、硫化亜鉛、およびジカルボン酸の反応物による方法(例えば、特許文献3参照。)等である。



しかしながら、これらの亜鉛含有固体触媒では、触媒粉末が生じたポリマー中に取りこまれるという問題がある。そのため、生成物を直接酸等で洗浄して脱灰するか、あるいは生成物をポリマーの良溶媒に溶かした上で、酸等を用いた洗浄処理やろ過処理で脱灰しなければならなかった。また、亜鉛含有固体触媒の中でも触媒として有効な成分は10%程度であり、非効率的であった。
このように、亜鉛系触媒では、脱灰処理が必要であることに加えて、触媒としての効率が良好ではないため、ポリカーボネート含有物の製造方法としては経済的ではなかった。



一方、非亜鉛系触媒としては、アルミニウム系触媒が提案されている。
例えば、トリエチルアルミニウム-水系触媒(例えば、非特許文献3参照。)、ジエチルアルミニウムクロリドとカリックスアレーン誘導体から調製されるアルミニウム錯体(例えば、非特許文献4参照。)、トリスピラゾリルボレートを配位子に持つアルミニウム錯体(例えば、非特許文献5参照。)等である。
しかし、いずれの触媒を用いても、50気圧以上の二酸化炭素分圧下で重合しなければならず、安全かつ大量に重合させることが極めて難しかった。



そこで、提案されたのが、コバルト錯体による重合である。例えば、コバルトポリフィリンクロリド錯体は、ジメチルアミノピリジンの存在下、120℃、約20気圧で、プロピレンオキシドと二酸化炭素の反応により、プロピレンカルボナートを生成する(例えば、非特許文献6参照。)。
しかしながら、この方法ではポリマーは形成されず、1:1反応物である環状物が得られるのみである。



以上の状況から、エポキシドと二酸化炭素から、経済的且つ高収率にポリカーボネートを製造する方法の開発が熱望されている。
【特許文献1】
米国特許第3585168号明細書
【特許文献2】
特許第2,571,269号明細書
【特許文献3】
特許第2,693,584号明細書
【非特許文献1】
J.ControlledRelease,1997,49,263
【非特許文献2】
Polymer Journal,1981,13,407
【非特許文献3】
H.Koinuma and H.Hirai, Makromol.Chem.,178,1283-1294(1977)
【非特許文献4】
W.Kuran, T.Listos, M.Abramczyk, and A.Dawidek, J.Macromol.Sci., Pure Appl.Chem., A35, 427-437 (1998)
【非特許文献5】
D.J.Darensbourg, E.L.Maynard, M.W.Holtcamp, K.K.Klausmeyer, and J.H. Reibenspies, Inorg. Chem., 35, 2682-2684 (1996)
【非特許文献6】
R.L.Paddock, Y.Hiyama, J.M.Mckay, and S.T. Nguyen, Tetrahedron Lett., 45, 2023-2026 (2004)

産業上の利用分野


本発明は、エポキシドと二酸化炭素との反応によるポリカーボネートの製造方法に関する。詳しくは、本発明は、低い二酸化炭素圧であっても、交互共重合体が得られるポリカーボネートの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
コバルトポルフィリンクロリド錯体と、ピリジン系化合物又はイミダゾール系化合物と、の存在下で、下記一般式(1)で表される化合物と、二酸化炭素と、を反応させるポリカーボネートの製造方法。
【化1】



〔一般式(1)中、R1は、アルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表し、nは、0~4の整数を表す。〕

【請求項2】
1モルの前記コバルトポルフィリンクロリド錯体に対して、ピリジン系化合物を0.3~5モル用いることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネートの製造方法。

【請求項3】
1モルの前記コバルトポルフィリンクロリド錯体に対して、イミダゾール系化合物を0.3~1モル用いることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネートの製造方法。

【請求項4】
1モルの前記コバルトポルフィリンクロリド錯体に対して、ピリジン系化合物又はイミダゾール系化合物を0.3~0.8モル用いることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネートの製造方法

【請求項5】
前記一般式(1)で表される化合物と、二酸化炭素とを、100℃以下の温度で反応させることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のポリカーボネートの製造方法。

【請求項6】
コバルトポルフィリンクロリド錯体と、ピリジン系化合物との存在下で、前記コバルトポルフィリンクロリド錯体1モルに対して、前記ピリジン系化合物を0.3~1モル用い、下記一般式(2)で表される化合物と、二酸化炭素とを50℃以下の温度で反応させるポリカーボネートの製造方法。
【化2】



〔一般式(2)中、R2は、アルキル基を表す。〕

【請求項7】
前記ピリジン系化合物が、下記一般式(3)で表されることを特徴とする請求項1~請求項2、請求項4~請求項6のいずれか1項に記載のポリカーボネートの製造方法。
【化3】



〔一般式(3)中、R3は、メチル基、ホルミル基、置換アミノ基を表し、mは、0~5の整数を表す。〕

【請求項8】
前記ピリジン系化合物が、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジンであることを特徴とする請求項7に記載のポリカーボネートの製造方法。

【請求項9】
前記イミダゾール系化合物が、下記一般式(4)で表されることを特徴とする請求項1、請求項3~請求項5のいずれか1項に記載のポリカーボネートの製造方法。
【化4】



〔一般式(4)中、R4は、置換又は無置換のアルキル基を表す。〕

【請求項10】
前記イミダゾール系化合物が、N-メチルイミダゾールであることを特徴とする請求項9に記載のポリカーボネートの製造方法。

【請求項11】
更に溶媒を用い、該溶媒として、ジクロロメタンを用いることを特徴とする請求項1~請求項10のいずれか1項に記載のポリカーボネートの製造方法。

【請求項12】
二酸化炭素圧が1~50atmであることを特徴とする請求項1~請求項11のいずれか1項に記載のポリカーボネートの製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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