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ナノワイヤの製造方法 コモンズ

国内特許コード P130009798
掲載日 2013年8月13日
出願番号 特願2005-105142
公開番号 特開2006-281379
登録番号 特許第4922566号
出願日 平成17年3月31日(2005.3.31)
公開日 平成18年10月19日(2006.10.19)
登録日 平成24年2月10日(2012.2.10)
発明者
  • 趙 新為
出願人
  • 学校法人東京理科大学
発明の名称 ナノワイヤの製造方法 コモンズ
発明の概要

【課題】 太さが数ナノメータから数十ナノメータで、長さが1マイクロメータ以上のナノワイヤを、自己組織化により効率的に、かつ、確実に製造する方法を提案すること。
【解決手段】 表面が清浄な結晶面である基板(例えば、Siの単結晶の[100]面、または[110]面、または[111]面)を準備する基板準備過程と、ナノワイヤを作るための材料(例えば、ErCl3)を上記基板の表面に付着させる(例えば、スピンココーティング法、またはレーザアブレーション法による)材料供給過程と、上記基板の上記材料が付着された表面の前に微小空間を形成する(例えば、スペーサ式微小空間形成、または凹部式微小空間形成による)微小空間形成過程と、上記微小空間が前面に形成された上記基板を真空中で所定温度に保つアニール過程とからなる、ナノワイヤの製造方法とした。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


ナノワイヤは、一次元構造であるために物理的特性が理論的に正確に説明し易い。従って、物性理論を検証したり、将来的には理論的にナノワイヤを設計したりすることができる可能性があり、非常に興味深いものである。



また、次世代超大規模集積回路のためには、ナノメータサイズの電子素子が必要とされるが、このためにもナノワイヤが必要とされる。さらに、ナノワイヤにより電子を一個ずつ流す単電子素子、量子コンピュータメモリ、神経回路の作成等への途も開ける。
このように、ナノワイヤは、理論的興味ばかりでなく、産業上で利用できる可能性を内在している。



理論を実験と対比する研究用のためには、長さが比較的短い(例えば、長さが数十ナノメータ程度の)ナノワイヤで十分な場合もある。しかし、電子素子の製造等、産業的に使用する時には、十分に長い(例えば、数マイクロメータ程度の長さの)ナノワイヤが必要とされる。



標準的な半導体加工プロセスでは、線条状構造体は、例えば、薄膜形成、リソグラフィー、エッチング等の過程を組み合わせて形成される。このような標準的半導体加工プロセスを組み合わせて、太さがナノメータのオーダの線条状構造体を形成しようとすると、使用する光線の波長あるいは電子線のビーム径を短くする必要があり、それに伴い高度な技術が要求される。



現時点での標準的な半導体加工プロセスの技術水準では、太さがナノメータサイズのナノワイヤを作るのがやっとであり、太さがナノメータサイズで、かつ長さが数ミクロンのオーダのナノワイヤを確実に作成する方法は知られていない。



特許文献1には、種々の物質のナノワイヤを、自己組織化により製造する方法が開示されている。ここに開示された方法では、それらの物質を第1の溶媒に溶かし、その溶媒を、その物質を溶かさない第2の溶媒の表面に滴下することにより、ナノワイヤを自己組織化により形成している。



また、非特許文献1には、Siの[001]面上に、ErSi2を自己組織化過程により形成できることが開示されている。



さらに、非特許文献2の1221頁の2a-Pa-27には、「Si基板上に作成した自己組織化NdSi2ナノワイヤ」と題して、ナノワイヤを、スピンコーティング法により作成したこと、および、最長のものは25μmに達したことが報告されている。



また、同じく非特許文献2の1222頁の2a-Pa-28には、「Si基板上に作成した自己組織化NdSi2ナノワイヤの面方位依存性」と題して、ナノワイヤを、レーザアブレーション法により作成したこと、および、結晶成長の面方位依存性が報告されている。



さらに、非特許文献3には、Siの[001]面上に、エルビウムシリサイド(ErSi2)を成長させるとき、自己組織化によりナノワイヤが形成されることが開示されている。そして、固体表面にナノ構造が自己形成されるモデルが示されている。これを簡単に要約すると、次ぎのものである。



基板と薄膜の原子の化学結合力をDsm、薄膜の原子同士の化学結合力をDmmとする。このとき、Dsm>Dmmであれば、基板上に平面構造を持った層が一層ずつできあがる。Dmm<Dsmであれば、はじめ基板上に結晶核が形成され、最後にそれらが合体して薄膜化する。そしてDsm>>Dmmで、基板と薄膜の結晶格子定数にミスマッチが大きい場合、一層目は基板をできる限り覆う。1 層目のおかげで2層目以降は基板の影響を受けない。しかし、格子定数のミスマッチで生じたひずみは膜の厚さが増すと大きくなる。このひずみが原因で、ピラミッド構造ができたり、ひずみの異方性によりワイヤ状になったりする。




【特許文献1】特開2003-71799号公報

【非特許文献1】"Self-assembled growth of epitaxial erbium disilicide nanowire on silicon (001)" by Yong Chen et al [Applied Physics Letters Vol 76, Number 26, (26 June 2000) Page 4004-4006]

【非特許文献2】第65回応用物理学会学術講演会(2004年度秋季)講演予稿集 (JSAP Catalog Number AP 041136-03)

【非特許文献3】ウェブサイト『www.nanoelectronics.jp/kaitai/selfassemble/8.htm』

産業上の利用分野


本発明は、ナノワイヤの製造方法に関するものである。
なお、本明細書において、ナノワイヤとは、太さが数ナノメータから数十ナノメータ程度で、アスペクト比(太さに対する長さの比)が10以上の線条状構造体をいう。

特許請求の範囲 【請求項1】
表面が清浄な結晶面である基板を準備する基板準備過程と、その基板上で自己組織化によりナノワイヤを形成するナノワイヤ材料を準備するナノワイヤ材料準備過程と、上記ナノワイヤ材料を上記基板の表面に付着させる材料供給過程と、上記材料が付着された上記基板を真空中で所定温度に保つアニール過程とを含むナノワイヤの製造方法において、上記基板の上記ナノワイヤ材料が付着された表面の前に微小空間を形成する微小空間形成過程を設け、上記アニール過程を上記基板の上記ナノワイヤ材料が付着された表面の前に微小空間を形成した状態で行うことを特徴とする、ナノワイヤの製造方法。

【請求項2】
上記自己組織化によりナノワイヤを形成するナノワイヤ材料が、Er,Nd,Yb等の希土類元素、あるいは、Ni,Mn,Cr,Co等の3d遷移金属元素、またはそれらとSiの化合物または合金、または、GeまたはGeEr、あるいはそれらを含む化合物または合金であることを特徴とする、請求項1記載のナノワイヤの製造方法。

【請求項3】
上記基板の表面が、Siの単結晶の[100]面、または[110]面、または[111]面であることを特徴とする、請求項1に記載のナノワイヤの製造方法。

【請求項4】
上記材料供給過程が、スピンコーティング法により、上記ナノワイヤを製造するための材料を溶かした溶液をスピンコータを用いて上記基板の表面に塗布する過程、あるいは、レーザアブレーション法により、上記ナノワイヤを製造するための材料をターゲットとしてレーザ照射を行い上記基板の表面に上記材料を付着させる過程からなることを特徴とする、請求項1に記載のナノワイヤの製造方法。

【請求項5】
上記微小空間形成過程が、穴が設けられたスペーサを上記基板の上記材料が付着された面の前に置き、さらにそのスペーサの穴を蓋部材で覆うことにより、上記基板の前面に微小空間を形成するスペーサ式微小空間形成過程、あるいは、浅い凹部が形成された被覆部材を、上記基板の上記材料が付着された面の前に上記凹部が位置するように載置することにより、上記基板の前面に微小空間を形成する凹部式微小空間形成過程からなることを特徴とする、請求項1に記載のナノワイヤの製造方法。

【請求項6】
上記アニール過程で、上記基板の上記材料を付着させた面と反対側の面側から上記基板を加熱することを特徴とする、請求項1に記載のナノワイヤの製造方法。

【請求項7】
上記アニール過程で、上記基板の温度を、上記ナノワイヤを作るための材料の蒸発温度より高く、かつ、上記ナノワイヤの構成元素の蒸発温度より僅かに低い温度に保つことを特徴とする、請求項1に記載のナノワイヤの製造方法。

【請求項8】
上記ターゲットが、ErCl3、またはErを含有するSiであることを特徴とする、請求項記載のナノワイヤの製造方法。

【請求項9】
上記ナノワイヤの材料が、ErCl3等の希土類塩化物であり、上記アニール過程における基板の加熱温度が、1000~1200℃であることを特徴とする、請求項1に記載のナノワイヤの製造方法。

【請求項10】
上記ナノワイヤの材料が、ErCl3等の希土類塩化物であり、上記アニール過程における基板の加熱温度が、上記希土類塩化物の分解温度と、1000~1200℃のワイヤ生成温度の2段階であることを特徴とする、請求項1に記載のナノワイヤの製造方法。

【請求項11】
請求項1の方法で形成されたナノワイヤを導電要素として使用することを特徴とする、ナノワイヤの利用方法。

【請求項12】
請求項1方法で形成されたナノワイヤを第1の導電要素とし、上記ナノワイヤ表面の酸化層を電気絶縁体要素とし、さらにナノワイヤに近接して公知の方法により形成された導電要素を第2の導電要素とした電気素子であって、上記第2の導電要素をゲート要素とすることを特徴とする、電子素子
産業区分
  • その他機械要素
  • 固体素子
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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