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色素増感型太陽電池用光電極の製造方法および色素増感型太陽電池用光電極、並びに色素増感型太陽電池 コモンズ

国内特許コード P130009818
掲載日 2013年8月13日
出願番号 特願2008-502871
登録番号 特許第4446011号
出願日 平成19年3月2日(2007.3.2)
登録日 平成22年1月22日(2010.1.22)
国際出願番号 JP2007054042
国際公開番号 WO2007100095
国際出願日 平成19年3月2日(2007.3.2)
国際公開日 平成19年9月7日(2007.9.7)
優先権データ
  • 特願2006-056422 (2006.3.2) JP
発明者
  • 荒川 裕則
  • 山口 岳志
出願人
  • 学校法人東京理科大学
発明の名称 色素増感型太陽電池用光電極の製造方法および色素増感型太陽電池用光電極、並びに色素増感型太陽電池 コモンズ
発明の概要 透光性基板を構成する透光性支持体としてプラスチック製のものを用いた場合にも高い光電変換効率が得られ、しかも、入射光量を変化させても高いレベルの光電変換効率を維持することができる色素増感型太陽電池が再現性よく確実に得られる色素増感型太陽電池用光電極およびその製造方法、並びに色素増感型太陽電池の提供。
製造方法は、透光性支持体上に透明導電層が形成されてなる透光性基板の当該透明導電層上に光電変換層が積層して形成された色素増感型太陽電池用光電極の製造方法であって、光電変換層は、平均粒子径の異なる少なくとも2種の半導体粒子と、増感色素とを含有するものであって、バインダーおよび有機溶剤を含有せず、前記平均粒子径の異なる少なくとも2種の半導体粒子を含有する水性ペーストによって透明導電層上に形成される塗膜をプレス処理する工程を含む。
従来技術、競合技術の概要


21世紀の人類が遭遇している深刻な問題として、産業革命以来の大量のエネルギー消費による地球温暖化と化石燃料の枯渇が挙げられる。このため化石燃料を使わず、二酸化炭素を排出しないクリーンで再生可能エネルギーの開発が求められており、このようなクリーンで再生可能エネルギーとしては、水力、風力、地熱、波力など様々あるが、場所を選ばず一定のエネルギーを確保できる太陽光エネルギーが、将来最も有望な再生可能エネルギーのひとつとして注目されている。
太陽光を利用したエネルギー技術の中では、太陽電池が最も広く用いられており、ここ数年来実用化の段階に入ってはいるが、この有望な技術も製造コストが割高であるため一般的な普及には至ってない。太陽光発電によるクリーンなエネルギーの大幅な導入には、低コストの太陽電池の開発が欠かせない条件となっており、このような低コストで製造できる太陽電池として、一般にグレッツェル電池と称される色素増感型太陽電池が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。



この色素増感型太陽電池は、具体的には透光性支持体上に透明導電層が形成された透光性基板、およびこの透明導電層上に形成された、チタニア粒子などの半導体粒子に増感色素が担持されてなる光電変換層とよりなる光電極と、この光電極に電気的に接続された対極とを有し、これらの光電極と対極との間に電解質溶液を介在させて構成されている。
そして、この色素増感型太陽電池は、従来使用されているシリコン系太陽電池と同等以上の光電変換能を有し、さらに、材料である酸化チタンや増感色素、電解質溶液成分などについて、従来のシリコン系太陽電池に比して資源的な制約が少ないことに加え、大気圧下、印刷方式や流れ生産方式で製造でき、製造設備も高価なものは必要ないことから、低コストで大量に製造できるという利点を有する。



従来、色素増感型太陽電池に使用される透光性基板の透光性支持体の材料として、ガラスが挙げられる。透光性支持体としてガラスを用いた色素増感型太陽電池は、一般に、例えば導電性ガラス基板上に有機バインダーを含むチタニアナノ粒子からなるペーストを塗布し、400℃以上の温度で焼成することによって有機バインダーを燃焼させて純粋な酸化物半導体膜を作製しており、このような色素増感型太陽電池の光電変換効率は8%程度、最高でも11%程度である。
一方、近年、透光性基板として、透光性支持体がプラスチック板やプラスチックフィルムなどであるプラスチック製基板を用いることが注目されて検討されている。これは、軽量化やコストの低減が図れ、強靭であり、フレキシブルであることなどの長所を有することから、例えば、屋根の上などに設置したり、自動車のボデイーのような曲面に適用したりすることができ、また、携帯電話の電力源として用いることが期待されるためである。
しかしながら、プラスチック製基板は耐熱温度が低く、400℃以上の温度で焼成するようなガラス基板の場合に通常用いられてきたプロセスを、そのままプラスチック製基板に適用することができず、その結果、十分な光電変換効率が得られる色素増感型太陽電池を形成することができない、という問題があった。
この問題を解決するため、150℃程度の低温で光電変換層を形成させる方法、加圧法、泳導電着法、水熱合成法、マイクロ波加熱法などが提案されているが、いずれの手法を用いた場合においても、プラスチック製基板を用いた色素増感型太陽電池は、ガラス製のものを用いた色素増感型太陽電池の光電変換能を凌駕することはできない。



また、光電変換能の高い色素増感型太陽電池を意図して、プラスチック製基板上に光電変換層を形成するためには、通常、半導体粒子およびバインダーを含有するペーストが使用されている(例えば、特許文献1~3参照。)。このバインダーは、透光性基板上への塗工性を向上させ、透光性基板と半導体粒子との密着性を良好なものとし、得られる色素増感型太陽電池の耐久性を高いものとする目的で用いられている。



然るに、バインダーを含有するペーストは、当該バインダーを溶解させる溶媒によって調製されるところ、このような溶媒が有機溶剤であることも多く、透光性支持体としてプラスチック材料種が限定されてしまう、という問題がある。



例えば、特許文献2には、バインダーを含有し、増感色素が予め担持された1種類の半導体微粒子が分散されたペーストを、導電性PET基板(透光性基板)上に塗布後プレス処理して、光電変換層が形成された色素増感型太陽電池が開示されている。
しかしながら、このプレス処理において例えば当該導電性PET基板と半導体微粒子との密着性などを得るためなどの目的で1000MPa程度の高圧をかけると、導電性PET基板の導電性膜の破損や、当該導電性PET基板自体が歪むなどの問題が発生すると考えられる。
また、予め増感色素が担持された半導体微粒子を用いて形成された光電変換層は、プレス処理によって直接押圧を受ける半導体微粒子の表面の増感色素が剥離してしまう上に、増感色素によって半導体微粒子間の接触が妨げられて電子の移動が阻害され、その結果、得られる色素増感型太陽電池が性能の低いものとなってしまうと考えられる。
さらに、このようにバインダーを用いて製造した色素増感型太陽電池は、光電変換効率が低いことが検証されている。この理由としては、バインダーが半導体微粒子間および半導体微粒子と透光性基板との間に入り込み、それらの接合・接触が妨げられて電子の移動が阻害されるためであると推察される。



現在のところ、ガラス製の透光性基板を用いた色素増感型太陽電池と同程度あるいはそれ以上の高い光電変換効率が得られるプラスチック製基板による色素増感型太陽電池が、再現性良く安定して作製できた旨の報告はない。
また、プラスチック製基板による色素増感型太陽電池として、入射光量を変化させても高いレベルの光電変換効率を維持できるものが期待されているが、未だに達成されていないのが実情である。



【非特許文献1】
Nature,353,p.737-740,1991
【特許文献1】
特開2006-19072号公報
【特許文献2】
特開2004-214129号公報
【特許文献3】
国際公開第2003/107471号パンフレット

産業上の利用分野


本発明は、色素増感型太陽電池用光電極の製造方法および色素増感型太陽電池用光電極、並びに色素増感型太陽電池に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
弾性を有するプラスチック製の透光性支持体上に透明導電層が形成されてなる透光性基板の当該透明導電層上に光電変換層が積層して形成された色素増感型太陽電池用光電極の製造方法であって、
前記光電変換層は、平均粒子径の異なる少なくとも2種のチタニア粒子と、増感色素とを含有するものであって、
バインダーおよび有機溶剤を含有せず、前記平均粒子径の異なる少なくとも2種のチタニア粒子を含有する水性ペーストを、前記透明導電層上に塗布して塗膜を形成後、当該塗膜をプレス処理する工程と、
当該プレス処理して得られる層に増感色素を担持させる工程とを含み、
前記チタニア粒子として、チタンのアルコキサイドを4級アンモニウム塩によって加水分解する塩基性法により得られたものを用いることを特徴とする色素増感型太陽電池用光電極の製造方法。

【請求項2】
前記透光性基板が、透明導電層の表面が超音波洗浄処理、エッチング処理および/またはUV-オゾン処理されたものであることを特徴とする請求項1に記載の色素増感型太陽電池用光電極の製造方法。

【請求項3】
前記光電変換層は、プレス処理して得られる層上に、バインダーおよび有機溶剤を含有せず、平均粒子径の異なる少なくとも2種の、チタンのアルコキサイドを4級アンモニウム塩によって加水分解する塩基性法により得られたチタニア粒子を含有する水性ペーストの塗膜よりなる層を1層以上形成させて機能性半導体層を得、この機能性半導体層に増感色素を担持させて得られるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の色素増感型太陽電池用光電極の製造方法。

【請求項4】
弾性を有するプラスチック製の透光性支持体上に透明導電層が形成されてなる透光性基板の当該透明導電層上に機能性半導体層が設けられた光電極構造体の当該機能性半導体層に増感色素が担持された色素増感型太陽電池用光電極であって、
前記機能性半導体層は、プレス処理された層を透明導電層に接触した状態で有し、当該プレス処理された層は、平均粒子径の異なる少なくとも2種のチタニア粒子を含有しバインダーを含有しないものであることを特徴とする色素増感型太陽電池用光電極。

【請求項5】
前記平均粒子径の異なる少なくとも2種のチタニア粒子に含有されるチタニア粒子が、平均粒子径が3~40nmのもの、および平均粒子径が50nm以上のものの2種であることを特徴とする請求項4に記載の色素増感型太陽電池用光電極。

【請求項6】
前記平均粒子径の異なる少なくとも2種のチタニア粒子における平均粒子径が3~40nmのチタニア粒子の含有割合が50~95質量%であることを特徴とする請求項5に記載の色素増感型太陽電池用光電極。

【請求項7】
前記光電極構造体の機能性半導体層が、プレス処理された層と、当該プレス処理された層上に積層された、平均粒子径の異なる少なくとも2種のチタニア粒子を含有しバインダーを含有せず、プレス処理されていない少なくとも1層の層とによる多層構造であることを特徴とする請求項4~請求項6のいずれか一に記載の色素増感型太陽電池用光電極。

【請求項8】
前記機能性半導体層のプレス処理された層の厚みが、3~40μmであることを特徴とする請求項4~請求項7のいずれか一に記載の色素増感型太陽電池用光電極。

【請求項9】
前記機能性半導体層のプレス処理された層は、クラックが埋められた痕跡を有することを特徴とする請求項4~請求項8のいずれか一に記載の色素増感型太陽電池用光電極。

【請求項10】
前記光電極構造体における透光性基板および機能性半導体層のプレス処理された層よりなる積層体の波長500nmの光透過率が20~65%であり、かつ、波長700nmの光透過率が30~75%であることを特徴とする請求項4~請求項9のいずれか一に記載の色素増感型太陽電池用光電極。

【請求項11】
請求項4~請求項10のいずれか一に記載の色素増感型太陽電池用光電極を備え、
当該色素増感型太陽電池用光電極が、電解質部分を介して対極と対向するよう設けられていることを特徴とする色素増感型太陽電池。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
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