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TDP-43の凝集体が蓄積する疾患を治療及び/又は予防するための化合物のスクリーニング方法

国内特許コード P130009918
整理番号 S2013-0583-N0
掲載日 2013年9月25日
出願番号 特願2013-046451
公開番号 特開2014-171425
出願日 平成25年3月8日(2013.3.8)
公開日 平成26年9月22日(2014.9.22)
発明者
  • 漆谷 真
  • 北原 亮
  • 藤原 範子
  • 伊東 秀文
出願人
  • 国立大学法人滋賀医科大学
  • 学校法人立命館
  • 学校法人兵庫医科大学
発明の名称 TDP-43の凝集体が蓄積する疾患を治療及び/又は予防するための化合物のスクリーニング方法
発明の概要 【課題】全長配列において凝集体形成能及び細胞毒性を有するTDP-43変異体、並びに該TDP-43変異体を利用したTDP-43の凝集体が蓄積する疾患を治療及び/又は予防するための化合物のスクリーニング方法を提供する。
【解決手段】TDP-43のアミノ酸配列において、173位及び/又は175位のシステインが置換されたアミノ酸配列からなるTDP-43変異体、並びに以下の工程を含む、TDP-43の凝集体が蓄積する疾患を治療及び/又は予防するための化合物のスクリーニング方法:(1)該TDP-43変異体に候補となる化合物を接触させる工程、(2)該化合物の凝集体形成阻害活性を検出する工程、及び(3)凝集体形成を阻害する化合物を選択する工程。
【選択図】図6
従来技術、競合技術の概要



主要な認知症の1型である前頭側頭葉変性症(FTLD)と最難治性致死性神経難病である筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因タンパク質として、核タンパク質であるTDP-43 (TAR DNA-binding protein of 43kDa)が同定されている。TDP-43はFTLDやALSにおいて核の局在性が低下し、細胞質内で病的凝集体を形成するがその機序は不明である。





TDP-43は、FTLDとALSにおけるユビキチン化封入体において非常に高率に認められることが判明している。現在TDP-43の異常病理所見を呈する疾患は、TDP-43プロテイノパチーという疾患群と位置づけられ、各種の報告からTDP-43の機能異常がALS病態の本質である可能性が高まっている。





このようにTDP-43の生理的・病理的機能を解明することはALSの克服に繋がる可能性があり、世界中で精力的な研究が進められている。TDP-43プロテイノパチーの最も明確且つ重要な病理所見は、TDP-43の核染色性の低下と細胞質での封入体形成である。この異所性局在の機能解明はALSの病態理解に不可欠である。





TDP-43の分子構造は、2ヶ所のRNA結合領域(RRM)とカルボキシル(C)末端側のグリシンリッチ領域、核移行シグナル(NLS)、及び核外輸送シグナル(NES)を有する。





TDP-43は、本来核タンパク質であるが、FTLDやALSでは核外脱出と凝集体形成をし、それらがユビキチン化とリン酸化を受けることが特徴とされている。さらにその際、TDP-43が35kDa、25kDaの凝集性の高いC末端側の断片(C末断片)に切断されることが知られており、病巣における共通の所見である。しかしながら、これまでの研究の蓄積から、こうした現象は疾患の進行期のものであり、タンパク質構造異常を惹起する病初期の構造変化については未だ不明である。





TDP-43のC末断片は、実際に患者組織に存在し、培養細胞や遺伝子改変マウスで細胞質内に封入体形成をすることが広く知られており(例えば、非特許文献1、2)、このシステムを用いた薬剤スクリーニングは存在する。しかしながら、これら断片化が疾患発症の初期に出現する証拠は皆無であり、動物実験でもこれら断片の過剰発現はALSモデルとしては非典型的且つ不完全である。





また、FTLD及びALS以外にもTDP-43の異所性局在を呈する疾患として、低悪性度グリオーマ、アルツハイマー病、ハンチントン病、ピック病、パーキンソン病、レビー小体病、大脳皮質基底核変性症、封入体筋炎、B細胞リンパ腫(M期)等が報告されている。





TDP-43は、頭部外傷や軸索の引き抜き損傷、挫滅損傷で一過性に細胞質に異所性局在することが報告されているが、この場合TDP-43の局在異常は一過性でFTLDやALSの病型を示さない(非特許文献3)。

産業上の利用分野



本発明は、凝集体形成能を有するTDP-43変異体及び該TDP-43変異体内のRRM1ドメイン、並びに該TDP-43変異体又はRRM1ドメインを利用したTDP-43の凝集体が蓄積する疾患を治療及び/又は予防するための化合物のスクリーニング方法に関する。また、本発明は、TDP-43の凝集体が蓄積する疾患のモデルとなるトランスジェニック非ヒト動物に関する。さらに、本発明は、TDP-43の凝集体に結合する抗体又は抗体断片、該抗体又は抗体断片を含む診断薬、診断用キット、並びに医薬組成物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
TDP-43のアミノ酸配列において、173位及び/又は175位のシステインが置換されたアミノ酸配列からなるTDP-43変異体。

【請求項2】
請求項1に記載のTDP-43変異体内のRRM1ドメイン。

【請求項3】
以下の工程を含む、TDP-43の凝集体が蓄積する疾患を治療及び/又は予防するための化合物のスクリーニング方法:
(1)請求項1に記載のTDP-43変異体又は請求項2に記載のRRM1ドメインに候補となる化合物を接触させる工程、
(2)該化合物の凝集体形成阻害活性を検出する工程、及び
(3)凝集体形成を阻害する化合物を選択する工程。

【請求項4】
請求項1に記載のTDP-43変異体をコードするDNAが導入されたトランスジェニック非ヒト動物。

【請求項5】
前記非ヒト動物がマウス、ラット、線虫又はショウジョウバエである、請求項4に記載のトランスジェニック非ヒト動物。

【請求項6】
請求項4又は5に記載のトランスジェニック非ヒト動物を用いることを特徴とする、TDP-43の凝集体が蓄積する疾患を治療及び/又は予防するための化合物のスクリーニング方法。

【請求項7】
TDP-43の108~116位に対応するアミノ酸配列からなるペプチドに結合する抗体又は抗体断片。

【請求項8】
請求項7に記載の抗体又は抗体断片を含むTDP-43の凝集体が蓄積する疾患の診断薬。

【請求項9】
請求項7に記載の抗体又は抗体断片を含むTDP-43の凝集体が蓄積する疾患の診断用キット。

【請求項10】
請求項7に記載の抗体又は抗体断片を含む医薬組成物。

【請求項11】
TDP-43の凝集体が蓄積する疾患の治療用及び/又は予防用である、請求項10に記載の組成物。

【請求項12】
以下の工程を含む、TDP-43の凝集体が蓄積する疾患を治療及び/若しくは予防するための化合物のスクリーニング方法:
(1)請求項1に記載のTDP-43変異体又は請求項2に記載のRRM1ドメインに、請求項7に記載の抗体又は抗体断片と候補となる化合物を接触させる工程、
(2)該化合物の結合阻害活性を検出する工程、及び
(3)該抗体又は抗体断片の結合を阻害する化合物を選択する工程。

【請求項13】
以下の工程を含む、TDP-43の凝集体が蓄積する疾患の診断用の化合物のスクリーニング方法:
(1)請求項1に記載のTDP-43変異体又は請求項2に記載のRRM1ドメインに、請求項7に記載の抗体又は抗体断片と候補となる化合物を接触させる工程、
(2)該化合物の結合阻害活性を検出する工程、及び
(3)該抗体又は抗体断片の結合を阻害する化合物を選択する工程。

【請求項14】
TDP-43の108~116位に対応するアミノ酸配列を含むペプチド。

【請求項15】
請求項14に記載のペプチドをコードする核酸。

【請求項16】
請求項14に記載のペプチド又は請求項15に記載の核酸を含む、TDP-43の凝集体に対する抗体の産生を刺激又は増強するための医薬組成物。

【請求項17】
ワクチンである請求項16に記載の組成物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2013046451thum.jpg
出願権利状態 公開


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