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計測装置及び計測方法

国内特許コード P130009929
整理番号 S2012-0470-N0
掲載日 2013年9月27日
出願番号 特願2012-039854
公開番号 特開2013-174530
登録番号 特許第5901346号
出願日 平成24年2月27日(2012.2.27)
公開日 平成25年9月5日(2013.9.5)
登録日 平成28年3月18日(2016.3.18)
発明者
  • 戸井田 昌宏
出願人
  • 学校法人 埼玉医科大学
発明の名称 計測装置及び計測方法
発明の概要 【課題】 被検体の形態情報と分子情報を同時に計測することが可能な計測装置及び計測方法を提供すること。
【解決手段】 ポンプ光P及びストークス光Sを発生する光源部10と、ポンプ光Pのパルスを伸長して、ストークス光Sのパルス幅をポンプ光Pのパルス幅よりも短くするパルス伸長部30と、ストークス光Sを分割する光分割部41と、パルス伸長されたポンプ光Pと分割された一方のストークス光Sとを被検体S上で走査させる光走査部50と、被検体Sからのアンチストークス光ASを検出する第1の光検出部70と、分割された他方のストークス光Sと、被検体Sからのストークス光Sの反射光との干渉光を検出する第2の光検出部80と、第1の光検出部70からの検出信号と、第2の光検出部80からの検出信号に基づいて、画像生成処理を行う信号処理部90とを含む。
【選択図】 図2
従来技術、競合技術の概要


生体を対象とした非侵襲的な計測では、各種の物理エネルギーの中で光の適応性が高い。一方、生体を生きたままの状態(in vivo)で光計測しようとすると、生体固有の困難な問題が存在する。第一に散乱現象による問題である。すなわち、散乱透過、散乱反射した光には、伝播履歴情報と位置情報が殆ど保持されないため、定量化と画像化が著しく困難である。第二は生体内在物質による妨害の問題である。生体内の特定分子を識別するには分光計測が有力であるが、生体内在物質には紫外光~可視光を吸収する蛍光物質が多種存在しアーティファクトの原因となる。このため、目的物質固有の信号の弁別が困難である。第三は波長のミスマッチの問題である。生体分子は、C-C、C-H、C-O等の振動吸収で特定可能であるが、これら振動吸収の波長帯は赤外域である。生体は約60%が水であり、水の吸収は赤外域で大きく、生体深部の振動分光計測を防げる。一方で、生体は0.7μm~1.2μmの波長域で透過性が良く、この波長域は生体の光学的窓とも呼ばれている。このように生体を生きたままの状態で光計測する際、計測対象物の光特性とプローブ波長のミスマッチが生体内部の情報取得を困難にしている。



今後の健康医療に資する先端技術を考えるとき、疾病の進行プロセスとそこでの現状技術を対置させると理解しやすい。疾病の発現と進行は、遺伝子変化をトリガーに異常タンパク発現、細胞や組織の機能変化、形態変化、自覚症状発現といったプロセスを辿る。一方、診断技術は、疾病の進行プロセスを遡るように進展してきた。すなわち、医師の五感と経験に依拠した症状の補足から、早期の形態変化を補足する画像診断技術へと発展してきた。



ところが、近年、遺伝子診断が長足の進歩を遂げ、遺伝的にどのような疾病リスクがあるかは個々に判る時代になってきた。ただし、発生の時期までは判らない。こうした現状を捉えると、今後は疾病の発生をいかにして早期に的確に捉え、より侵襲の少ない治療を実現していくことが重要である。疾病の早期発見には形態変化に至る前段階の機能変化を捉えることが肝要である。すなわち、恒常性を維持した組織構造をそのままに細胞内、組織内の特定タンパクなどの分子イメージングが求められる。



光を用いた分子イメージングは、蛍光標識薬などのプローブ法と、生体内材物質の特質を活用したノンプローブ法に大別される。ノンプローブ法では、上述の生体計測における波長のミスマッチを解決する方法として、CARS(Coherent Anti-Stokes Raman Scattering)イメージングが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし計測対象の分子分布自体が元々空間的にメリハリのあるものではないため、分子イメージングの解像度は悪いのが一般的である。各種疾病の発症機構やその進展メカニズムの解明において、ターゲット分子の詳細な空間位置情報は必須の情報である。すなわち、形態情報に裏打ちされた分子イメージングが重要な課題である。



非侵襲な生体の形態イメージング技術として、OCT(Optical Coherence Tomography)が知られている。近年では、短パルスレーザーを用いた光源の広帯域化によるin vivoな細胞イメージングが報告されている。また、光源の広い帯域特性を活かして、試料のスペクトル情報を抽出する分光OCTも提案されている。しかし、OCT信号は試料の吸収と散乱を反映したもので、低散乱試料ではスペクトル情報の抽出がある程度可能なものの、組織体のような散乱体では誤差が大きくなり、物質同定に耐えうる分光情報の取得は困難である。

産業上の利用分野


本発明は、被検体の形態情報及び分子情報を計測する計測装置及び計測方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被検体に照射するポンプ光及びストークス光を発生する光源部と、
前記ポンプ光のパルスを伸長して、前記ストークス光のパルス幅を前記ポンプ光のパルス幅よりも短くするパルス伸長部と、
前記ストークス光を分割する光分割部と、
パルス伸長された前記ポンプ光と前記光分割部で分割された一方のストークス光とを前記被検体上で走査させる光走査部と、
前記被検体からのアンチストークス光を検出して検出信号を出力する第1の光検出部と、
前記光分割部で分割された他方のストークス光と、前記被検体からのストークス光の反射光との干渉光を検出して検出信号を出力する第2の光検出部と、
前記第1の光検出部からの検出信号と、前記第2の光検出部からの検出信号に基づいて、画像生成処理を行う信号処理部とを含む、計測装置。

【請求項2】
請求項1において、
パルス伸長された前記ポンプ光は、ピコ秒パルスレーザー光であり、前記ストークス光は、フェムト秒パルスレーザー光である、計測装置。

【請求項3】
請求項1又は2において、
前記光源部が、
前記ポンプ光の第二高調波を励起光とする光パラメトリック発振器を備え、前記光パラメトリック発振器のアイドラー光を前記ストークス光として発生する、計測装置。

【請求項4】
請求項3において、
前記光パラメトリック発振器のシグナル光の波長を変調する光変調部を更に含み、
前記第1の光検出部が、
波長変調された前記シグナル光と、前記被検体からのアンチストークス光との干渉光を検出して検出信号を出力する、計測装置。

【請求項5】
被検体に照射するポンプ光及びストークス光を発生する光発生手順と、
前記ポンプ光のパルスを伸長して、前記ストークス光のパルス幅を前記ポンプ光のパルス幅よりも短くするパルス伸長手順と、
前記ストークス光を分割する光分割手順と、
パルス伸長された前記ポンプ光と前記光分割手順で分割された一方のストークス光とを前記被検体上で走査させる光走査手順と、
前記被検体からのアンチストークス光を検出して検出信号を出力する第1の光検出手順と、
前記光分割手順で分割された他方のストークス光と、前記被検体からのストークス光の反射光との干渉光を検出して検出信号を出力する第2の光検出手順と、
前記第1の光検出手順で出力した検出信号と、前記第2の光検出手順で出力した検出信号に基づいて、画像生成処理を行う信号処理手順とを含む、計測方法。

【請求項6】
請求項5において、
パルス伸長された前記ポンプ光は、ピコ秒パルスレーザー光であり、前記ストークス光は、フェムト秒パルスレーザー光である、計測方法。

【請求項7】
請求項5又は6において、
前記光発生手順では、
前記ポンプ光の第二高調波を励起光とする光パラメトリック発振器のアイドラー光を前記ストークス光として発生する、計測方法。

【請求項8】
請求項7において、
前記光パラメトリック発振器のシグナル光の波長を変調する光変調手順を更に含み、
前記第1の光検出手順では、
波長変調された前記シグナル光と、前記被検体からのアンチストークス光との干渉光を検出して検出信号を出力する、計測方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012039854thum.jpg
出願権利状態 登録


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