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変異型逆転写酵素

国内特許コード P130009936
整理番号 S2012-0392-N0
掲載日 2013年9月27日
出願番号 特願2012-030848
公開番号 特開2013-165669
出願日 平成24年2月15日(2012.2.15)
公開日 平成25年8月29日(2013.8.29)
発明者
  • 保川 清
  • 小西 篤
  • 井上 國世
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 変異型逆転写酵素
発明の概要

【課題】二次構造の形成が抑制される温度条件下においても、効率よく逆転写反応を行なうことができる変異型逆転写酵素、その核酸、その製造方法、逆転写方法、逆転写反応キットおよび検出キットを提供すること。
【解決手段】逆転写酵素活性を有する変異型逆転写酵素であって、特定のアミノ酸配列からなる野生型逆転写酵素のDNA相互作用領域に局在するアミノ酸残基が、正電荷アミノ酸残基または非極性アミノ酸残基に置換されており、かつ前記野生型逆転写酵素のDNA相互作用領域よりも大きい正の実効電荷を有するDNA相互作用領域を有することを特徴とする変異型逆転写酵素、それをコードする核酸、製造方法、逆転写方法、逆転写反応キットおよび検出キット。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


逆転写酵素は、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有していることから、例えば、生体で発現しているタンパク質に対応するmRNAの量または塩基配列の解析、cDNAライブラリーの構築などの用途に用いられている。かかる用途には、従来、モロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素(以下、「MMLV逆転写酵素」という)またはトリ骨髄芽球症ウイルス逆転写酵素(以下、「AMV逆転写酵素」という)が用いられている。



MMLV逆転写酵素は、遺伝子工学的手法により、大腸菌内で可溶性タンパク質として容易に生産させることができる。また、MMLV逆転写酵素は、単量体酵素であるので、異なる種類のサブユニットから構成されるヘテロ多量体酵素と比べて、当該MMLV逆転写酵素における特定アミノ酸残基の改変による酵素活性への影響が現れやすい傾向がある。



一方、AMV逆転写酵素には、MMLV逆転写酵素よりもcDNA合成時における反応速度が大きいという長所がある。しかしながら、AMV逆転写酵素には、大腸菌など原核生物内では、可溶性タンパク質として生産させにくいという欠点がある。そこで、原核生物の生育温度を下げることによって可溶性のAMV逆転写酵素を発現させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。



ところで、mRNAが二次構造を形成しやすい塩基配列を有する場合、逆転写酵素によるcDNAの合成が前記二次構造によって妨げられるため、反応温度を高くすることによって二次構造の形成を抑制しながらcDNAを合成することが望まれる。しかしながら、野生型AMV逆転写酵素は、RNAの二次構造の形成が抑制されるような温度では、失活することがある。また、野生型AMV逆転写酵素には、ヘテロ多量体酵素であることから、特定アミノ酸残基の改変によって改良しがたいという欠点がある。



そこで、二次構造の形成が抑制される温度条件下においても用いることができ、効率よく逆転写反応を行なうことができ、汎用性の高い逆転写酵素が求められている。

産業上の利用分野


本発明は、変異型逆転写酵素に関する。さらに詳しくは、本発明は、遺伝子解析、疾患などの検査などに有用な、変異型逆転写酵素、それをコードする核酸、前記変異型逆転写酵素を用いる逆転写方法、逆転写反応キットおよび検出キットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
逆転写酵素活性を有する変異型逆転写酵素であって、配列番号:2に対応するアミノ酸配列からなる野生型逆転写酵素のDNA相互作用領域に局在するアミノ酸残基が、正電荷アミノ酸残基または非極性アミノ酸残基に置換されており、かつ前記野生型逆転写酵素のDNA相互作用領域よりも大きい正の実効電荷を有するDNA相互作用領域を有することを特徴とする変異型逆転写酵素。

【請求項2】
前記野生型逆転写酵素のDNA相互作用領域が、配列番号:2の1位のスレオニン残基~426位のアラニン残基に対応する配列からなる領域である請求項1に記載の変異型逆転写酵素。

【請求項3】
前記DNA相互作用領域に局在するアミノ酸残基が、配列番号:2の238位のバリン残基に対応するアミノ酸残基、388位のロイシン残基に対応するアミノ酸残基および450位のアスパラギン酸残基に対応するアミノ酸残基からなる群より選ばれた少なくとも1つのアミノ酸残基である請求項2に記載の変異型逆転写酵素。

【請求項4】
(a)配列番号:2の238位のバリン残基に対応する残基のアラニン残基、リジン残基またはアルギニン残基への置換、
(b)配列番号:2の388位のロイシン残基に対応する残基のアラニン残基、リジン残基またはアルギニン残基への置換、および
(c)配列番号:2の450位のアスパラギン酸残基に対応する残基のアラニン残基、リジン残基またはアルギニン残基への置換
からなる群より選択された少なくとも1つを有する請求項3に記載の変異型逆転写酵素。

【請求項5】
前記配列番号:2に対応するアミノ酸配列が、DNA相互作用領域中にアミノ酸残基の保存的置換を有するアミノ酸配列である請求項1~4のいずれかに記載の変異型逆転写酵素。

【請求項6】
前記配列番号:2に対応するアミノ酸配列が、
(1)配列番号:2に示されるアミノ酸配列において、DNA相互作用領域を除く配列中に1または数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入または付加をさらに有し、かつ逆転写酵素活性を有するポリペプチドのアミノ酸配列、または
(2)配列番号:2に示されるアミノ酸配列において、DNA相互作用領域を除く配列に対する配列同一性が少なくとも80%であり、かつ逆転写酵素活性を有するポリペプチドのアミノ酸配列
である請求項1~5のいずれかに記載の変異型逆転写酵素。

【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の変異型逆転写酵素をコードする核酸。

【請求項8】
請求項1~6のいずれかに記載の変異型逆転写酵素を製造する方法であって、
(A) 請求項7に記載の核酸を保持する細胞を培養して当該核酸にコードされた変異型逆転写酵素を発現させ、培養物を得る工程、および
(B) 前記工程で得られた培養物から変異型逆転写酵素を回収する工程
を含む、変異型逆転写酵素の製造方法。

【請求項9】
前記細胞が、昆虫細胞である請求項8に記載の変異型逆転写酵素の製造方法。

【請求項10】
請求項1~6のいずれかに記載の変異型逆転写酵素を用いてRNAからcDNAを合成することを特徴とする逆転写方法。

【請求項11】
逆転写反応を行なうためのキットであって、請求項1~6のいずれかに記載の変異型逆転写酵素を含有することを特徴とする逆転写反応キット。

【請求項12】
生体から得られたRNAを含む試料中のマーカーを検出するためのキットであって、請求項1~6のいずれかに記載の変異型逆転写酵素と前記マーカーの検出用試薬とを含有することを特徴とする検出キット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 審査請求前
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