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がんの予防用または治療用物質のスクリーニング方法

国内特許コード P130009953
整理番号 2012-034
掲載日 2013年10月2日
出願番号 特願2013-030503
公開番号 特開2014-158440
出願日 平成25年2月20日(2013.2.20)
公開日 平成26年9月4日(2014.9.4)
発明者
  • 大島 正伸
  • 石川 智夫
  • 大島 浩子
出願人
  • 国立大学法人金沢大学
発明の名称 がんの予防用または治療用物質のスクリーニング方法
発明の概要 【課題】腫瘍形成におけるTNF-αの役割を解明し、抗がん剤の新規スクリーニング方法を提供する。
【解決手段】腫瘍形成におけるTNF-αの役割を解明し、がんの予防剤および治療剤の新規標的となる腫瘍形成促進因子であるGna14遺伝子、Noxo1遺伝子を見出した。そして、これら遺伝子の発現を抑制する物質を選択する工程を含むスクリーニング方法を提供する。本発明のスクリーニング方法により選択された物質は、Noxo1遺伝子およびGna14遺伝子の発現を抑制し、細胞の未分化状態の維持を解除することにより、腫瘍の発生、維持を阻害することができる。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



(胃がん)

胃がんは、世界中の悪性腫瘍の中で4番目に多いがんであり、2番目の主要な死因である。ヘリコバクターピロリ感染は、胃悪性腫瘍の前兆となる可能性がある慢性胃炎を誘発する。ヘリコバクターピロリ由来毒性因子は胃腫瘍形成に関与するが、ヘリコバクターピロリ感染に対する炎症反応も胃がん発生に重要である。例えば、炎症誘発性サイトカイン遺伝子、IL-1β、IL-1受容体の内在性アンタゴニストをコードするIL-1RN、および腫瘍壊死因子(TNF)-αにおける遺伝子多型は、胃がんのリスクの増加に関連する。

さらに、IL-1β、IL-1RN、TNF-αおよびIL-10における特定の多型の組み合わせは、胃がんについてのオッズ比を27倍に増加させるが、このことは、胃腫瘍形成におけるこれらのサイトカインの重要な役割を示している。胃内でIL-1βを発現するトランスジェニックマウスは胃炎関連胃がんを発症したが、このことは、IL-1βが胃腫瘍形成を誘発する可能性があることを示している。一方、胃腫瘍形成におけるTNF-αの役割は、遺伝子モデル系を用いてまだ完全には検討されていない。





(TNF-α)

以前からの報告により、TNF-αが、様々な器官におけるがん発生における重要なサイトカインであることが示されている。TNF-α産生は予後不良に関連し、一部の進行がん患者においてTNF-αの血漿濃度が増加する(非特許文献1)。マウスの遺伝子研究では、肝臓、皮膚および大腸におけるがん発生におけるTNF-αまたはTNFR1受容体シグナリングの役割が示されている(非特許文献2,3,4)。

さらに、TNF-αは、IL-6およびCXCL12を有する卵巣がん細胞内において腫瘍促進サイトカイン/ケモカインシグナリングネットワークを生成し、それは腹膜播種に重要である(非特許文献5)。これらの結果は、炎症性微小環境におけるTNF-αががん発生において主要な役割を果たすことを示す。





(胃腫瘍形成におけるTNF-αの役割)

本発明者等は、Ganマウスを用いて胃腫瘍形成におけるTNF-αの役割を検討した。Ganマウスは、標準的なWntシグナリングおよびCOX-2/PGE2経路の両方の活性化を誘発する、腺胃内でそれぞれWnt1、COX-2およびmPGES-1をコードするWnt1、Ptgs2およびPtgesの同時発現によって引き起こされる腺型胃腫瘍を発症する(非特許文献6,7)。Wntシグナリング活性化は、ヒト胃がん発生の主要原因の1つである(非特許文献7,8)。COX-2/PGE2経路は、胃がんを含む広範囲にわたるがんにおいて誘発され、COX-2/PGE2経路に関連した炎症反応は、腫瘍発生にとって重要である(非特許文献9)。

さらに、ヘリコバクターピロリ感染関連前悪性および悪性胃がん組織においてCOX-2が発現し、そのレベルはヘリコバクターピロリの根絶によって低下するが(非特許文献10,11)、このことは、ヘリコバクターピロリ感染がCOX-2/PGE2経路誘発の原因の1つであることを示している。従って、Ganマウスは、ヒト胃がんと同様の分子メカニズムおよび宿主反応によって引き起こされる胃腫瘍を発症する。さらに、Ganマウス腫瘍の遺伝子発現プロファイルは、ヒトintestinal型胃がんと同様である(非特許文献12)。





(Noxo1)

Noxo1は、NOXのサイトゾル調節サブユニットの成分であるNADPHオキシダーゼ(NOX)組織化タンパク質1をコードし、触媒アイソフォームNOX1に関連する(非特許文献13)。NOX1は、活性酸素種産生酵素であり、レドックス感受性シグナリング経路を調節するNOXファミリーメンバーの内の1つである。





(Gna14)

Gna14については、ほとんど知られていない。Gna14は、グアニンヌクレオチド結合タンパク質サブユニットアルファ14(Gα14)(Gタンパク質のGqαサブファミリーのメンバー)をコードする(非特許文献14)。Gα14は、NF-κB経路を活性化するソマトスタチン2型受容体およびケモカイン受容体CCR1を含む様々なGタンパク質共役型受容体(GPCR)によって用いられる(非特許文献15、16)。

産業上の利用分野



本発明は、がんの予防用または治療用物質のスクリーニング方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
Gna14遺伝子および/またはNoxo1遺伝子の発現を抑制する被験物質を選択する工程を含む、がんの予防用または治療用物質のスクリーニング方法。

【請求項2】
前記がんが胃がんである、請求項1に記載のスクリーニング方法。

【請求項3】
前記胃がんは慢性炎症に起因する胃がんである、請求項1または2に記載のスクリーニング方法。

【請求項4】
前記胃がんはTNF-αが発症に関与している胃がんである、請求項1~3のいずれか一に記載のスクリーニング方法。

【請求項5】
1)がん由来細胞株と被験物質を接触させる工程;
2)がん由来細胞株のNoxo1遺伝子および/またはGna14遺伝子の発現量を測定する工程、または、がん由来細胞株のNoxo1および/またはGna14の発現量を測定する工程;
3)該発現量を被験物質と接触のない対照群の発現量または予め設定された基準発現量と比較する工程
を含む、請求項1~4のいずれか一に記載のスクリーニング方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
(有)金沢大学ティ・エル・オーは、金沢大学の研究者の出願特許を産業界へ技術移転することを主目的として、金沢大学の教官の出資により設立された技術移転機関です。
ご興味のある方は、下記「問合せ先」へ整理番号と共にご連絡願います。
なお、既に活用のお申し込み・お打合わせ等の段階に入っている場合もございますので、予めご承知おきください。


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