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植物葉の水分ストレスを推定する方法、植物葉の水分ストレスを推定するための装置及び植物葉の水分ストレスを推定するためのプログラム 外国出願あり

国内特許コード P130010038
整理番号 H20-050
掲載日 2013年11月12日
出願番号 特願2008-514470
登録番号 特許第5258044号
出願日 平成19年5月1日(2007.5.1)
登録日 平成25年5月2日(2013.5.2)
国際出願番号 JP2007059334
国際公開番号 WO2007129648
国際出願日 平成19年5月1日(2007.5.1)
国際公開日 平成19年11月15日(2007.11.15)
優先権データ
  • 特願2006-128090 (2006.5.2) JP
発明者
  • 山本 晴彦
  • 岩谷 潔
  • 原田 陽子
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 植物葉の水分ストレスを推定する方法、植物葉の水分ストレスを推定するための装置及び植物葉の水分ストレスを推定するためのプログラム 外国出願あり
発明の概要

【課題】非破壊的手法により、長時間を要せずに植物葉の水分ストレスの推定を行い、使用するソフトウェア、ハードウェアを簡易なものとし、使用上あるいはコスト的に実用的であって、一般的な生産者が簡便に利用できるようにする。
【解決手段】光照射された植物葉からの反射光を近赤外分光器により測定して反射スペクトル取得し、これから得られた近赤外の波長範囲にわたるスペクトルデータを吸光度スペクトルデータに変換し、二次微分したものについて重回帰分析、共線性の診断により複数のモデルに分け、代表的な波長を選択し、また一部のスペクトルデータを用いて予測精度の検定を行って、重相関係数(R)、予測標準誤差(SEP)、葉内水分ポテンシャル(LWP)の予測値を算出する。
【選択図】 図5

従来技術、競合技術の概要


近年、多種少量の果実消費の影響を受けて、市場ではカンキツ類の果実の価格が低下する傾向が見られる。また、社会的な傾向とともに、カンキツ類の栽培は気象等の自然的条件の影響も受ける。このような中で、生産者としては高糖度で安定した果実の生産を目指して樹体管理を行っているが、高糖度の果実を生産するためには、樹体、園地に応じた水分状態の診断が必要である。



植物葉の水分状態の診断については、葉の色、巻き具合を観察するというような生産者の経験、主観的な判断により行うのが主になっており、測定を行う場合でも、プレッシャーチャンバー法、乾燥法等の破壊的な方法や測定に長時間を要する方法などであって、簡便で実際的方法はなされていなかった。



非破壊的な方法について、次のような文献に開示されている。



非特許文献1、2において用いられている手法は、近赤外分光法を使用し、データの解析にはPLS回帰分析を用いてカンキツ葉の水分ポテンシャルを推定し、樹体の水分ストレスを推定するものである。このPLS回帰分析の手法について概略説明する。



PLS(Partial least squares:部分的最小二乗法)回帰分析は、多変数のデータを解析するにあたり、新たな変数を導入して変数間の情報の重複を排除し、情報量を減らさずに変数の個数を少なくするPCA(Principal Component Analysis:主成分分析)の考え方をもとに、回帰モデルを用いて目的とする変量の予測をする手法である。



PCAでは、変数xに重み(固有ベクトル(vji))をかけて変換した主成分u
=vj1+vj2+・・・+vjm (j=1,2,・・・,q)
を考え、主成分スコアuの分散
uj=(v′)・(Cxx)・(v
が最大になるようにvベクトルを定め、この時の行列(Cxx)(変数xの分散共分散行列)またはそれを変換した行列を用いてデータの解析を行う。



PLSはPCAをもとにしてデータの解析を行う手法であり、これを波長吸光度のようなスペクトルデータの場合について概略説明する。



スペクトルデータをX(x,x,・・・,x)、目的変数をY(y,y,・・・,y)、XとYとに共通の潜在変量をT(t,t,・・・,t)として
X=f(T)+E
Y=g(T)+F
(E,Fはそれぞれの誤差である)とし、X変動中のTの強度をP(p,p,・・・,p)、Y変動中のTの強度をQ(q,q,・・・,q)とすると、
X=TP+E
Y=TQ+F
と表される。PLSでは、TとEでX変動を表現し、(B)をXからYを直接予測する回帰行列式として、回帰式Y=(B)XでYを予測するのと同等である。



直交型PLSでは、互いに直交する因子スコアt,t,・・・,tによってX変動を表現し、最初の誤差行列をE=X-<X>、f=y-<y>(<X>、<y>は平均値)として第1因子のパラメータを求め、その影響を差し引いた新たな誤差行列E、fを生成し、この新たな誤差行列から第2因子のパラメータを求める、という手順を反復し、影響がなくなった段階で終了することになる。



非特許文献1、2に開示のものでは、PLS回帰分析によりデータ解析を行い、推定精度を向上させることに重点をおいている。しかしながら、この手法で水分ストレスを精度よく推定するには、膨大な量のスペクトルデータを収集し、それを解析するための専用のソフトウェアが必要であるため、推定のための装置も小型化できず、コストを要することになり、試験場等で使用することはできても、一般の生産者にとって実用的なものではなかった。

【非特許文献1】宮本久美「平成15年カンキツ経営安定のための連年果実精査システムの確立(平成15~19年)」試験研究成績書(独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究所発行)

【非特許文献2】宮本久美「平成16年カンキツ経営安定のための連年果実精査システムの確立(平成15~19年)」試験研究成績書(独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究所発行)

産業上の利用分野


本発明は植物葉の水分ストレスを推定する技術に関し、特に非破壊的な手法により植物葉の水分ストレスの推定を行うための技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
光照射された植物葉からの反射光を近赤外分光器により測定して得られた反射スペクトルから近赤外の波長範囲にわたるスペクトルデータを得ることと、
前記近赤外の波長範囲にわたるスペクトルデータを含む植物葉についてのすべての測定データを2つの群に分け、一方の群のスペクトルデータについて重回帰分析により複数のモデルに分けるモデル化を行い共線性の診断により適切なモデルを選択して代表的な波長を選択し、他方の群のスペクトルデータを用いて予測精度の検定を行うことと、
前記選択されたモデルに対して、各波長の係数について重回帰分析の表から確認し、前記スペクトルデータの一部を用いて予測精度の検定を行い、重相関係数(R)、予測標準誤差(SEP)、葉内水分ポテンシャル(LWP)の予測値を算出することと、
からなり、前記葉内水分ポテンシャル(LWP)の予測値が選択された代表的な波長についての二次微分の一次式として表されるものであることを特徴とする植物葉の水分ストレスを推定する方法。

【請求項2】
前記近赤外の波長範囲にわたるスペクトルデータが前記反射スペクトルから得られたスペクトルデータを吸光度スペクトルデータに変換し二次微分することにより得られた吸光度スペクトルデータであることを特徴とする請求項1に記載の植物葉の水分ストレスを推定する方法。

【請求項3】
光源を含む光照射手段と、該光照射手段により照射された植物葉からの反射光を受光し近赤外分光器を含む受光手段と、該受光手段で得られた反射スペクトルから近赤外の波長範囲にわたるスペクトルデータを生成するスペクトルデータ生成部と、該スペクトルデータ生成部により生成されたスペクトルデータに対して重回帰分析を行うデータ解析演算部と、該データ解析演算部により解析演算された結果を出力する出力部と、制御部とを備えてなり、
前記データ解析演算部は前記スペクトルデータ生成部により生成されたスペクトルデータを含む植物葉についてのすべての測定データを2つの群に分け、一方の群のスペクトルデータについて重回帰分析により複数のモデルに分けるモデル化を行い共線性の診断により適切なモデルを選択して代表的な波長を選択し、他方の群のスペクトルデータを用いて予測精度の検定を行い、前記選択されたモデルに対して、各波長の係数について重回帰分析の結果の表から確認し、前記スペクトルデータの一部を用いて予測精度の検定を行い、重相関係数(R)、予測標準誤差(SEP)、葉内水分ポテンシャル(LWP)の予測値を算出する演算処理を行うものであり、前記葉内水分ポテンシャル(LWP)の予測値が選択された代表的な波長についての二次微分の一次式として表されるものであり、前記制御部は前記光照射手段、近赤外分光器、スペクトルデータ生成部、データ解析演算部、出力部の動作を制御するものであることを特徴とする植物葉の水分ストレスを推定するための装置。

【請求項4】
前記スペクトルデータ生成部において生成される近赤外の波長範囲にわたるスペクトルデータが前記反射スペクトルから得られたスペクトルデータを吸光度スペクトルデータに変換し二次微分することにより得られた吸光度スペクトルデータであることを特徴とする請求項3に記載の植物葉の水分ストレスを推定するための装置。

【請求項5】
光照射された植物葉からの反射光を近赤外分光器により測定して得られた反射スペクトルから近赤外の波長範囲にわたるスペクトルデータについて、該近赤外の波長範囲にわたるスペクトルデータを含む植物葉についてのすべての測定データを2つの群に分け、一方の群のスペクトルデータについて重回帰分析により複数のモデルに分けるモデル化を行い共線性の診断により適切なモデルを選択して代表的な波長を選択し、他方の群のスペクトルデータを用いて予測精度の検定を行い、前記選択されたモデルに対して、各波長の係数について重回帰分析の表から確認し、前記スペクトルデータの一部を用いて予測精度の検定を行い、重相関係数(R)、予測標準誤差(SEP)、選択された代表的な波長についての二次微分の一次式として表される葉内水分ポテンシャル(LWP)の予測値を算出することをコンピュータにより実行するようにしたこと特徴とする植物葉の水分ストレスを推定するためのプログラム。

【請求項6】
前記近赤外の波長範囲にわたるスペクトルデータが前記反射スペクトルから得られたスペクトルデータを吸光度スペクトルデータに変換し二次微分することにより得られた吸光度スペクトルデータであることを特徴とする請求項5に記載の植物葉の水分ストレスを推定するためのプログラム。
産業区分
  • 試験、検査
  • 農林
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008514470thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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