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右手/左手系複合導波管

国内特許コード P130010045
整理番号 FUJ-H20051
掲載日 2013年11月12日
出願番号 特願2009-123974
公開番号 特開2010-273170
登録番号 特許第5322223号
出願日 平成21年5月22日(2009.5.22)
公開日 平成22年12月2日(2010.12.2)
登録日 平成25年7月26日(2013.7.26)
発明者
  • 真田 篤志
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 右手/左手系複合導波管
発明の概要

【課題】右手系伝送路としても左手系伝送路としても動作可能な低損失かつ高耐電力の複合導波管を低コストで提供し、そのような右手/左手系複合導波管の形態を薄型の平板状構造として、小型機器および薄型機器への実装も可能とする。
【解決手段】複数の単位構造体31が電磁波を伝送する方向に配列された構造の右手/左手系複合導波管41であって、前記単位構造体は、幅寸法に比べて厚さ寸法が1/5以下の平板形状の主導波管11と、前記主導波管から分岐され先端側が短絡された先端短絡スタブ21とからなり、前記先端短絡スタブは、前記主導波管からの分岐位置の近傍で前記主導波管とほぼ平行になるように折り曲げられた構造のものである。
【選択図】図5

従来技術、競合技術の概要


金属、誘電体、磁性体、超伝導体などの小片(単位構造体)を、波長に対して十分短い間隔(波長の10分の1程度以下)で並べることで自然にはない性質を持った媒質を人工的に構成することができる。この媒質を自然にある媒質のカテゴリに比べてより大きいカテゴリに属する媒質と言う意味でメタマテリアル(metamaterials)と呼んでいる。メタマテリアルの性質は、単位構造体の形状、材質およびそれらの配置により様々に変化する。



中でも、等価的な誘電率εと透磁率μとが同時に負となるメタマテリアルは、その電界と磁界と波数ベクトルが左手系をなすことから「左手系媒質(LHM:Left-Handed Materials)」と名付けられた。この左手系媒質を本明細書においては左手系メタマテリアルと呼ぶ。これに対して、等価的な誘電率εと透磁率μとが同時に正となる通常の媒質は「右手系媒質(RHM:Right-Handed Materials)」と呼ばれる。これら誘電率ε、透磁率μと媒質との関係領域は、図1に示すように、誘電率εの正負および透磁率μの正負に応じた第1象限~第4象限の媒質に分類できる。右手系媒質は第1象限の媒質であり、左手系媒質は第3象限の媒質である。



特に、左手系メタマテリアルは、波の群速度(エネルギーの伝播する速度)と位相速度(位相の進む速度)の符号が逆転している波(バックワード波と呼ばれる)の存在や、また、非伝播領域で指数関数的に減衰する波であるエバネセント波の増幅、等の特異な性質を持つものである。そして、左手系メタマテリアルによるバックワード波を伝送する線路を人工的に構成することができる。このことは、下記の非特許文献1、非特許文献2にも記載されているように公知である。



この左手系媒質構成の概念に基づき、金属パターンからなる単位セルを周期的に並べてバックワード波を伝播させる線路が提案されている。これまで、その伝送特性が理論的に取り扱われ、この線路が左手系伝送帯域を持つこと、左手系伝送帯域と右手系伝送帯域との間にバンドギャップが生じること、そのバンドギャップ幅は単位セル中のリアクタンスによりコントロールすることができること等が理論的に明らかになっている。これらに関しては、下記の非特許文献3に記載されている。



また、左手系媒質の特性を有する導波管としては、下記の非特許文献4、非特許文献5に記載されたものが提案されている。非特許文献4には、伝送する電磁波の周波数において伝搬領域となる主導波管と、主導波管中に設けた絞り(誘導性窓)と、主導波管から分岐した先端短絡スタブとを備えた周期構造の左手系導波管が記載されている。また、非特許文献5には、伝送する電磁波の周波数において遮断領域となる主導波管と、主導波管から分岐した先端短絡スタブとを備えた周期構造の左手系導波管が記載されている。この非特許文献5の左手系導波管における先端短絡スタブ中には誘電体が挿入されている。

産業上の利用分野


本発明は電磁波を伝播させるための導波管であって右手系伝送路としても左手系伝送路としても動作可能な複合導波管およびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、主導波管と先端短絡スタブとからなる単位構造体を周期的に配列した構造を有し、低損失かつ高耐電力であり、低コストで製造可能であるとともに、全体の構造を薄型の平板状にできる右手/左手系複合導波管に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数の単位構造体(31)が電磁波を伝送する方向に配列された構造の右手/左手系複合導波管であって、
前記単位構造体(31)は、幅寸法に比べて厚さ寸法が1/5以下の平板形状の主導波管(11)と、前記主導波管(11)から分岐され先端側が短絡された先端短絡スタブ(21)とからなり、
前記先端短絡スタブ(21)は、前記主導波管(11)からの分岐位置の近傍で前記主導波管(11)とほぼ平行になるように折り曲げられた構造のものである右手/左手系複合導波管。

【請求項2】
複数の単位構造体(32)が電磁波を伝送する方向に配列された構造の右手/左手系複合導波管であって、
前記単位構造体(32)は、幅寸法に比べて厚さ寸法が1/5以下の平板形状の主導波管(11)と、平板状の前記主導波管(11)の上下面の一方の面から分岐され先端側が短絡された第1先端短絡スタブ(21)と、前記主導波管(11)の上下面の他方の面から分岐され先端側が短絡された第2先端短絡スタブ(22)とからなり、
前記第1先端短絡スタブ(21)および前記第2先端短絡スタブ(22)は、前記主導波管(11)からの分岐位置の近傍で前記主導波管(11)とほぼ平行になるように折り曲げられた構造のものである右手/左手系複合導波管。

【請求項3】
複数の単位構造体(32)が電磁波を伝送する方向に配列された構造の右手/左手系複合導波管であって、
前記単位構造体(32)は、幅寸法に比べて厚さ寸法が1/5以下の平板形状の主導波管(11)と、平板状の前記主導波管(11)の上下面の一方の面から分岐され先端側が短絡された第1先端短絡スタブ(21)と、前記主導波管(11)の上下面の他方の面から分岐され先端側が短絡された第2先端短絡スタブ(22)とからなり、
前記第1先端短絡スタブ(21)および前記第2先端短絡スタブ(22)は、前記主導波管(11)からの分岐位置の近傍で前記主導波管(11)とほぼ平行になるように折り曲げられた構造のものであり、
前記第2先端短絡スタブ(22)は、外部空間に電磁波を放射する放射開口(221)が設けられたものである右手/左手系複合導波管。

【請求項4】
平板状の金属からなる第1層(411)と、
平板状の金属に前記先端短絡スタブ(21)の電磁波伝送空間となるべき空洞部を形成した第2層(412)と、
平板状の金属に先端短絡スタブ(21)の分岐部となるべき接続開口(111)を形成した第3層(413)と、
平板状の金属に主導波管(11)の電磁波伝送空間となるべき空洞部(11)を形成した第4層(414)と、
平板状の金属からなる第5層(415)とを、
前記第1層(411)から前記第5層(415)の順に互いに積層して接合し、前記先端短絡スタブ(21)を前記主導波管(11)からの分岐位置の近傍で前記主導波管(11)とほぼ平行になるように折り曲げられた構造とするとともに、全体を薄型の導波管としたものである右手/左手系複合導波管。

【請求項5】
平板状の金属からなる第1層と、
平板状の金属に第1先端短絡スタブ(21)の電磁波伝送空間となるべき空洞部を形成した第2層と、
平板状の金属に前記第1先端短絡スタブ(21)の分岐部となるべき接続開口を形成した第3層と、
平板状の金属に主導波管(11)の電磁波伝送空間となるべき空洞部を形成した第4層と、
平板状の金属に第2先端短絡スタブ(22)の分岐部となるべき接続開口(112)を形成した第5層と、
平板状の金属に前記第2先端短絡スタブ(22)の電磁波伝送空間となるべき空洞部を形成した第6層と、
平板状の金属に、外部空間に電磁波を放射するための放射開口(221)を形成した第7層とを、
前記第1層から前記第7層の順に互いに積層して接合し、前記第1先端短絡スタブ(21)および前記第2先端短絡スタブ(22)を前記主導波管(11)からの分岐位置の近傍で前記主導波管(11)とほぼ平行になるように折り曲げられた構造とするとともに、全体を薄型の導波管としたものである右手/左手系複合導波管。
産業区分
  • 伝送回路空中線
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009123974thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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