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新規虚血マーカー及びこれを用いた虚血状態の検出方法

国内特許コード P130010048
整理番号 DH23-027
掲載日 2013年11月12日
出願番号 特願2011-170238
公開番号 特開2011-257419
登録番号 特許第5360923号
出願日 平成23年8月3日(2011.8.3)
公開日 平成23年12月22日(2011.12.22)
登録日 平成25年9月13日(2013.9.13)
発明者
  • 水上 洋一
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 新規虚血マーカー及びこれを用いた虚血状態の検出方法
発明の概要

【課題】
本発明は、虚血-再灌流時に虚血組織から特異的に放出され、虚血状態を感度良く識別可能なマーカータンパク質及びこれを用いた虚血状態の検出方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
上記課題の解決のため、本発明は、虚血-再灌流刺激特異的に発現が亢進するタンパク質群、好適にはアポトーシス誘導因子(AIF)、骨形成タンパク質-1(BMP-1)、CD13、CD14、テネイシンC(TnC)、アグリンのうち少なくとも1つからなる虚血マーカータンパク質、及び前記マーカータンパク質の発現レベルを測定することを特徴とする虚血状態の検出方法を提供する。
【選択図】図2

従来技術、競合技術の概要


虚血-再灌流(Ischemic hypoxia and reoxygenation;IH/R)は、例えば心筋梗塞や心臓バイパス手術、心臓移植などで発生する心臓の主要な疾患状態である。心臓冠動脈の虚血-再灌流が発生した場合、心臓は肥大したり、虚血周囲で細胞死が観察されたり、また、心筋の繊維化が見られる。これらの現象はリモデリングと呼ばれており、これは虚血にさらされた心筋細胞ばかりでなく虚血周囲の組織においてもよく観察されている。幾つかのケースでは、虚血にさらされた心筋細胞に対する隣接する血管からの血管新生が観察されている。これらのことは、虚血-再灌流時に何らかのシグナルを伝達するための様々な因子が放出されていることを示唆している(非特許文献1,2)。



実際、心臓は全身に血液を送るポンプの役割ばかりでなく、ホルモン性因子を放出する内分泌系の組織として働いていることもよく知られている。一酸化窒素やプロスタグランジン、アデノシンといった低分子物質が心臓から放出され、心臓血管系の制御に関与している。これらの低分子に加え、骨形成因子(Bone morphogenetic protein;BMP)の刺激により心筋細胞から放出されるトランスフォーミング成長因子-β(Transforming growth factor-β)が線維芽細胞から心筋繊維細胞への転換を促している。一方、心臓虚血時には、炎症性サイトカインもまた心臓から放出されている(非特許文献6-8)。腫瘍壊死因子は虚血心筋において産生され、リアナジン受容体阻害を介して心臓の収縮抑制に関与している。炎症性サイトカインであるインターロイキン1β(IL-1β)やインターロイキン6(IL-6)も虚血後の心臓から放出されている。IL-1βは心筋の直接的な阻害に加え、カルシウムを制御する遺伝子のダウンレギュレーションを介して心臓の収縮を抑制している。IL-6は、L型タイプのカルシウムチャネルを阻害することによってカルシウムの細胞内流入や心臓収縮の抑制に働いている。線維芽細胞成長因子(Fibroblast growth factor;FGF)やヘパリン結合性成長因子(Heparin-binding growth factor;HBGF)は心筋虚血時に放出され防護因子として働くことも報告されている(非特許文献9-15)。この様に虚血-再灌流時には様々なシグナル伝達機構が機能を果たしていることが明らかになってきており、これらのペプチド性因子を心臓虚血を捕捉するためのマーカーとして利用する動きも広がってきている。



ペプチド性の虚血マーカー、特に心臓虚血のマーカーとしては、これまでにPEP-19,IgA結合性アルカリ性ホスファターゼ、心房性/脳性ナトリウム利尿ペプチド、虚血変成アルブミン、酸素調節タンパク質、トロポニン、カルシトニン、ウロテンシン、ミオグロビン、ミオシン、アネキシン、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、リポタンパク質やクレアチンキナーゼ、エノラーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼなどの酵素などが開示されている(特許文献1-18)。しかしながら、従来の虚血マーカーは、虚血状態にありながらも簡便な検出可能な程度には十分に放出されないものや、逆に虚血状態とは無関係な要因により放出されるケースなどがあり、更に従来のマーカーでは検出が困難な虚血の症例も見出されている。一方で、虚血が複数の複雑な反応の集積であることが明らかにされ、単独のマーカーだけではなく複数のマーカーを組み合わせることによって虚血状態の判定がなされてきたというこれまでの経緯からも、虚血-再灌流イベントと生理的・機能的に結びついた、特異性や再現性の高い新規な虚血マーカーの開発が待たれていた。

産業上の利用分野


本発明は、哺乳動物組織における虚血状態を効果的に検出可能なマーカーに関し、より詳しくは、虚血-再灌流時に特異的に放出され、特異的なマーカーとして利用可能なタンパク質及びこれを用いた虚血状態の検出方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
哺乳動物から採取した試料中に含まれる骨形成タンパク質-1(BMP-1)のタンパク質量を測定することを特徴とする、哺乳動物組織における虚血状態の検出方法。
産業区分
  • 治療衛生
  • 微生物工業
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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