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新規なDNAメチル化解析方法

国内特許コード P130010069
掲載日 2013年11月22日
出願番号 特願2012-511733
登録番号 特許第5765586号
出願日 平成23年4月21日(2011.4.21)
登録日 平成27年6月26日(2015.6.26)
国際出願番号 JP2011060339
国際公開番号 WO2011132798
国際出願日 平成23年4月21日(2011.4.21)
国際公開日 平成23年10月27日(2011.10.27)
優先権データ
  • 特願2010-098163 (2010.4.21) JP
発明者
  • 横山 勢也
  • 米澤 傑
出願人
  • 国立大学法人 鹿児島大学
発明の名称 新規なDNAメチル化解析方法
発明の概要 本発明は、DNAメチル化を効率的に検出できる方法を提供することを目的とし、具体的には、DNAを重亜硫酸塩処理に供し、重亜硫酸塩処理後のDNAを第1のPCRに供し、次いでNested PCRに供した後、増幅DNAを変性剤濃度勾配ゲル電気泳動に供することを含む、DNAメチル化検出方法に関する。
従来技術、競合技術の概要


エピジェネティクス(Epigenetics)とは、ゲノムでは規定されない遺伝子発現の制御機構を明らかにしようとする、遺伝学又は分子生物学の研究分野である。当該エピジェネティクスを支える主要な分子機構がDNAのメチル化である。DNAメチル化は、化学的に安定であり、DNA配列自体に変化を加えることなく、細胞分裂を通じて伝達される情報である。このようなDNAメチル化の特性により、DNAメチル化は、例えば組織特異的な遺伝子発現、刷り込み、X染色体の不活性化、癌化等の様々な現象において重要な役割を担っていると考えられている。近年では、DNAメチル化酵素遺伝子やDNAメチル化状態の異常に起因する先天的又は後天的疾患、クローン動物におけるDNAメチル化の異常等が既に多数同定されている。
従来において、DNAメチル化を解析すべく様々な方法が存在する。種々のDNAメチル化解析方法は、解析感度、網羅性、解像度、定量性等において異なる特徴を有し、目的に応じて適宜選択される。例えば、特定の遺伝子の転写抑制機構を明らかにする場合には、1塩基レベルの解像度が必要となる。一方、メチル化の頻度を解析する場合には、定量性や精度も考慮しなければならない。
特定領域におけるメチル化DNAの検出では、重亜硫酸塩(Bisulfite)処理による塩基置換反応を行い、DNAの配列を決定する。当該塩基置換反応では、非メチル化シトシンが重亜硫酸ナトリウムと反応して、ウラシルへと変換される。メチル化シトシンは重亜硫酸ナトリウムと反応しないので、原理上全てのシトシンのメチル化状態を塩基の違いとして検出できる。従来における検出方法としては、例えばPCRを使用したメチル化特異的PCR(MSP)法、定量的PCRを使用したReal-time MSP法、TAクローニングを使用したBisulfite-sequencing法、質量分析を使用したMassARRAY法、次世代sequencerを使用したパイロシークエンス法等が挙げられる。さらに、重亜硫酸塩反応を必要としないICON-prove法も開発されている。
目的タンパク質やマイクロRNA(microRNA)の発現量は個々のCpGメチル化の程度のみでは判別が難しく、その特定領域のメチル化パターンや連続性が重要となる。CpGメチル化程度を検出する方法として様々な方法が開発されているものの、そのパターンや連続性を検出する方法としては、Bisulfite-sequencing法のみである。
一方、Bisulfite-DGGE法は、AbramsとStanton(非特許文献1)によって提案された変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(Denaturing Gradient Gel Electrophoresis:DGGE)法を基本とし、P.Guldberg等(非特許文献2)によって開発された方法である。当該方法では、重亜硫酸塩処理後のサンプルをPCRによって増幅した後、そのアプリコンを、ポリアクリルアミドと変性剤の濃度勾配から成るゲルを使用した電気泳動に供する。ポリアクリルアミドの濃度勾配に基づき二本鎖DNAの分子量の違いによる分離を行い、さらに変性剤の濃度勾配に基づき二本鎖DNAの変性度の差異による分離を行い、目的領域中のウラシル(非メチル化シトシン)とシトシン(メチル化シトシン)の違いによる分離が行われる。当該方法は、MSP法と同様に視覚的評価を行うことができ、さらに、電気泳動後のゲル中のバンドをシークエンス反応に転用することができる。また、Bisulfite-sequencing法と比較すると、Bisulfite-DGGE法によれば大幅な時間短縮を行うことができる。
しかしながら、Bisulfite-DGGE法では、重亜硫酸塩処理後にPCRによる増幅を行うため、非メチル化シトシンがチミンに変換され、もとからDNA配列に存在するチミンと混在するため類似した配列が増加することとなる。当該増加に伴い、PCRにおいてミスアニーリングが生じやすく、PCRのサイクル数を上げると、非特異的アンプリコンが増幅されてしまうこととなる。微量サンプルの解析やマイナーなDNAメチル化パターンの検出を行う際には、PCRのサイクル数を上げることが必須であり、その結果、Bisulfite-DGGE法によると、解像度の低下が生じる。また、Bisulfite-DGGE法は、電気泳動ゲルの作製に、ポリアクリルアミドと変性剤の二つのグラジエントを必要とする。そのため、確認したい標的を変更する場合に、ゲルの最適化を検討する必要があり、大変煩雑である。

産業上の利用分野


本発明は、例えば、DNAメチル化パターン及び連続性等のDNAメチル化を検出する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
DNAを重亜硫酸塩処理に供する工程と、
標的領域の外側の領域に対応する2つのプライマーから成る1組の第1プライマーセットを用いて重亜硫酸塩処理後のDNAを第1のPCRに供する工程と、
標的領域に対応する2つのプライマーから成る1組の第2プライマーセットを用いて第1のPCR後の増幅DNAを第2のPCRに供する工程と、
第2のPCR後の増幅DNAを変性剤濃度勾配ゲル電気泳動に供する工程と、
を含み、第2プライマーセットのプライマーのアニーリング位置は、標的領域に対して第1プライマーセットのプライマーのアニーリング位置の内側に存在し、第1及び第2プライマーセットのプライマーのアニーリング位置にCpG部位が存在せず、且つ第2プライマーセットのプライマーは、標的領域に存在する検出対象のCpG部位にアニーリングしない、DNAメチル化検出方法。

【請求項2】
第2プライマーセットの一方のプライマーは、5'側にGC-clamp配列を有する、請求項1記載の方法。

【請求項3】
変性剤濃度勾配ゲルが濃度勾配として変性剤濃度勾配のみを有する、請求項1記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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