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microRNA標的遺伝子検出用キット及びmicroRNA標的遺伝子の検出方法

国内特許コード P130010078
掲載日 2013年11月25日
出願番号 特願2012-520465
登録番号 特許第5841941号
出願日 平成23年6月15日(2011.6.15)
登録日 平成27年11月20日(2015.11.20)
国際出願番号 JP2011063636
国際公開番号 WO2011158847
国際出願日 平成23年6月15日(2011.6.15)
国際公開日 平成23年12月22日(2011.12.22)
優先権データ
  • 特願2010-137924 (2010.6.17) JP
発明者
  • 大内田 守
  • 伊藤 佐智夫
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 microRNA標的遺伝子検出用キット及びmicroRNA標的遺伝子の検出方法
発明の概要 miRNAの標的遺伝子を検出するための検出用キットを提供する。さらには、細胞にベクターを介して遺伝子の導入操作を行なう必要なく、簡便にmiRNAの標的遺伝子を検出する方法を提供する。細胞抽出用試薬、及びmicroRNA用標識試薬又は標識化microRNAを含み、さらにmicroRNA用標識物質との反応試薬を含むmicroRNAの標的遺伝子検出用キットによる。緩和な条件で細胞抽出液を作製し、細胞抽出液に標識したmiRNAを添加し、標識物質を回収することで、容易にmiRNAの標的遺伝子に対応するmRNAを回収し得る。回収したmRNAからcDNAを作製し、miRNAの標的遺伝子を検出する。
従来技術、競合技術の概要


miRNAは、約22~25塩基からなる一本鎖RNAで、細胞の増殖、分化、発生に関わっている機能性低分子RNAである。miRNAは、標的となる遺伝子mRNAの3'非翻訳領域に結合し、その標的遺伝子の翻訳(蛋白合成)を抑制することにより発現調節に関わっている。miRNAはこれまでに数百種類も同定されており、今後もさらに新しい種類が見つかるものと考えられている。近年、miRNAの発現異常などが、癌や様々な疾病に関わっていることが明らかになっており、基礎研究のみならず臨床研究の面からもmiRNAの標的遺伝子を明らかにする必要性が高まっている。例えば、ある種の癌細胞で特定のmiRNAが高発現している、若しくは低発現していることが判明しつつあるが、その真の標的遺伝子は不明のものが殆どである。miRNAが高発現したために癌を発症する場合、miRNAにより蛋白合成が制御されている標的遺伝子は、おそらく癌抑制に関わる遺伝子(癌抑制遺伝子)であると考えられる。一方、miRNAが低発現したために癌が発症する場合、miRNAの標的遺伝子は、おそらく発癌に関わる遺伝子(癌遺伝子)であると考えられる。これらの真の標的遺伝子を明らかにし、癌や疾病の発症機構の解明と、その分子標的治療薬の開発が重要な課題である。



miRNAは、遺伝子発現の制御において重要な役割を担っている。miRNAは、核内で前駆体としてより長いRNAの形でDNAから転写されpri-miRNAとして合成され、Droshaによってpre-miRNAとなり細胞質に運ばれる。このpre-miRNAはDicerの作用により約22~25塩基の二本鎖RNAとなり、一方のRNA(ガイド鎖)が放出され、残された鎖がRISC(RNA-induced silencing complex)複合体に取込まれ、miRNAとして遺伝子機能制御に関与する。このRISC複合体には、AGO蛋白質が含まれていることが知られている。RISC複合体中のmiRNAは、標的となる遺伝子mRNAの3'非翻訳領域(3'UTR)に結合する。miRNAの結合様式は、全配列がペアを形成するのではなく、miRNAの5'側の約8塩基(シード配列と呼ばれる)領域を中心として結合し、全体としてミスマッチを含んだ形で結合する。このことが、miRNAの標的遺伝子の探索を困難なものにしている。いくつかの独自のアルゴリズムで標的を探索する標的遺伝子予測ソフト(miCTS, TargetScan, PicTar, MiRandaなど)が作製されているが、そのソフト解析の結果選ばれてきた標的候補遺伝子は膨大な数にのぼり、現実的な候補遺伝子の絞込みとは言いがたいのが現状である。



miRNAの標的遺伝子を絞り込むための方法として、miRNAが結合したmRNAを精製する方法が報告されている(非特許文献1)。非特許文献1の方法では、まずはじめにFLAGタグ付きAGO遺伝子をレトロウイルスベクターで感染させて細胞に挿入し、さらに3'末端ビオチン化二本鎖miRNAをトランスフェクション試薬で細胞に導入する。その後、細胞を溶解させて細胞抽出液を作製し、抗FALG抗体ビーズでAGO蛋白複合体を回収 (pull down)する。次に大量のFLAGペプチドを添加することにより、抗FALG抗体ビーズからAGO蛋白複合体を遊離させ、続けてストレプトアビジンビーズでビオチン化miRNA複合体(標的遺伝子mRNAを含む)を回収 (pull down)する操作を行なっている。これにより、回収したmRNAを同定し、miRNAの標的遺伝子を絞り込む方法が開示されている。しかしながら、レトロウイルス感染操作は、限られた研究室でしか操作ができないこと、2回も遺伝子導入操作が必要なので細胞への導入効率の低下が大きな欠点になること、2回の回収操作により標的遺伝子に対応するmRNAが分解されてしまうことなどが問題点として考えられる。

産業上の利用分野


本発明は、microRNA(以下、「miRNA」という。)の標的遺伝子検出用キット及びmiRNAの標的遺伝子の検出方法に関する。



本出願は、参照によりここに援用されるところの日本出願、特願2010-137924号優先権を請求する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の1)~3)の工程を含むことを特徴とする、microRNAの標的遺伝子の検出方法:
1)細胞抽出液に、センス鎖が標識された標識化microRNA(二本鎖)を加え、
2)当該細胞抽出液中で、当該標識化microRNAを含むRISC複合体を形成させ、
3)前記細胞抽出液中に含まれるmRNAと、前記標識化microRNAを含むRISC複合体を反応させた後、当該標識化microRNAを回収する。

【請求項2】
請求項1に示す1)~3)の前に、細胞抽出液を調製する工程を含み、得られた細胞抽出液について、請求項1の1)~3)を行う、請求項に記載のmicroRNAの標的遺伝子の検出方法。

【請求項3】
細胞抽出液の調製が、0.02~1.0v/v%の非イオン性界面活性剤を含み、pH7.3~8.0の細胞抽出用試薬を用いて調製する、請求項2に記載のmicroRNAの標的遺伝子の検出方法。

【請求項4】
細胞抽出用試薬が、さらにRNase阻害剤及び/又はプロテアーゼ阻害剤を含む、請求項3に記載のmicroRNAの標的遺伝子の検出方法。

【請求項5】
細胞抽出用試薬が、25mM Tris(pH7.4),60mM KCl,2.5mM EDTA,0.05v/v% NP-40,RNase阻害剤及びプロテアーゼ阻害剤を含む、請求項3又は4に記載のmicroRNAの標的遺伝子の検出方法。

【請求項6】
標識化microRNAがビオチン化microRNAであり、ビオチンとアビジンを反応させ、当該ビオチン化microRNAを回収する、請求項1~5のいずれかに記載のmicroRNAの標的遺伝子の検出方法。

【請求項7】
さらに、回収した複合体から、標識化microRNAと反応したmRNAを回収し、逆転写酵素を用いて、標識化microRNAの標的遺伝子に対応するcDNAを作製する工程を含む、請求項1~6のいずれかに記載のmicroRNAの標的遺伝子の検出方法。

【請求項8】
前記作製したcDNAを分析する工程を含む、請求項に記載のmicroRNAの標的遺伝子の検出方法。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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