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てんかん波を伴う疾患治療剤 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P130010087
掲載日 2013年11月25日
出願番号 特願2012-525374
登録番号 特許第5791604号
出願日 平成23年7月12日(2011.7.12)
登録日 平成27年8月14日(2015.8.14)
国際出願番号 JP2011065845
国際公開番号 WO2012011407
国際出願日 平成23年7月12日(2011.7.12)
国際公開日 平成24年1月26日(2012.1.26)
優先権データ
  • 特願2010-164770 (2010.7.22) JP
発明者
  • 大内田 守
  • 大守 伊織
  • 改田 祐子
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 てんかん波を伴う疾患治療剤 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 てんかん波に伴う疾患治療剤として、取り扱いが容易で副作用が低く、かつ即効性のある治療剤を提供する。吸気の二酸化炭素濃度を制御することにより、体液中のpHを酸性側に変動させ、てんかん波を軽減しうる。二酸化炭素を有効成分とするてんかん波に伴う疾患治療剤による。
従来技術、競合技術の概要


わが国では約100万人のてんかん(epilepsy)患者が存在するといわれている(日本脳神経外科学会及び日本てんかん学会公表)。てんかんとは、脳の神経細胞の突発的な異常興奮によって起こる、発作性・反復性の運動、意識、知覚、行動、自律神経系の異常をさし、脳の病変によって起こる慢性反復性の発作を特徴とする。てんかんでは、脳波でてんかん波が検出される場合が多いが、発作が起こっていない状態など、てんかん波が必ずしも検出されない場合もある。一方、脳波でてんかん波を認める場合であっても、必ずしもてんかんとは診断されない場合もある。



てんかんの罹患率は1000人当たり約8~10人で、神経疾患の中で頻度が高い疾患である。てんかんの主な症状には、けいれん(強直性又は間代性などの不随意運動)や、けいれんを伴わない欠神発作(意識消失)などがある。近年、分子遺伝学研究の発展によりてんかんの原因遺伝子が同定されつつある。その結果、てんかんと種々のチャネル遺伝子との関連性が明らかとなり、一部のてんかん症候群はチャネル遺伝子の変異によって発症する、いわゆる channelopathy(チャネル病) と考えられるようになってきた。特に、電位依存性Ca2+ チャネルや、電位依存性Na+ チャネル、K+ チャネルなどの変異がてんかん患者において検出されている。



現在のてんかん治療剤は、合成化合物の経口投与、座薬もしくは静脈投与である。現在のてんかん患者の治療薬としては、チャネルブロッカーなどの合成化合物の経口投与剤が挙げられる。特にてんかん重積状態の場合は即効性のある治療法が望まれるため、薬剤の静脈注射を行っている。しかし、次に示す少なくとも(1)~(3)の事由により不都合がある。(1)薬剤抵抗性のてんかん症候群が存在し、まだ効果不十分な症例が存在する。(2)てんかん重積では静脈内への薬物投与が必要となるが、静脈ラインの確保が難しい患者(小児など)には対応が不可能である。(3)入院時での急な発作の場合には静脈内への薬物投与が可能であるが、各家庭などでの急な発作の場合、薬剤の静脈注射は不可能であるし、経口投与では効果が表れるまでに時間がかかりすぎ、けいれんの持続時間が長くなることによって後遺症を合併する危険性が増す。急な発作の場合、入院患者には静脈投与で対処可能であるが、入院時以外の場合は即効性のある治療法(従来技術)が存在しない。経口投与、座薬では効果が現れるまでに時間を要するからである。



他のてんかん薬で効果不十分な場合に使用可能な抗てんかん薬として、アセタゾラミド(AZA)が公知である(非特許文献1)。アセタゾラミドは、炭酸脱水酵素阻害剤であり、炭酸から水と二酸化炭素が生成する過程において炭酸脱水酵素を阻害する。その結果、重炭酸ナトリウムの排泄を増加させることにより、代謝性のアシドーシスを引き起こすことが知られている。しかしながら、アセタゾラミドは内服薬であるため、病院以外では急な発作に対しては即効性がない。また、投与により血中pHが下がりすぎる危険性がある。さらには、重要な副作用として、ショック、貧血(再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少性紫斑病)、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症、急性腎不全、腎・尿路結石、精神錯乱、けいれんなどの中枢神経症状などが現れる恐れがある。また、アセタゾラミドについても、効果が現れるまでには、時間がかかりすぎる点も問題である。



そこで、取り扱いが容易で副作用が低く、かつ即効性のあるてんかん発作治療剤の開発が望まれている。なお、生後8-11日目のラットを48±2℃で55分間おいた場合に、脳中アルカローシスが引き金となって熱性けいれん(febrile seizures)が起こり、5%二酸化炭素を含むチャンバー内に置くことで脳中アルカローシスを抑制しうることが報告されている(非特許文献2)。しかしながら、てんかんに対する二酸化炭素の効果について、検討した報告はない。また、熱性けいれんが生じる要因としては、遺伝的要因、発熱の程度、神経の幼弱性が複雑に絡んでいると考えられているが、当報告(非特許文献2)は最も大きな比重を占める遺伝的要因を考慮していない。

産業上の利用分野


本発明は、二酸化炭素を有効成分として含むことを特徴とする、てんかん波に伴う疾患の治療剤に関する。また、二酸化炭素を有効成分として含む、てんかん波に伴う疾患治療剤を投与するための医療機器に関する。



本出願は、参照によりここに援用されるところの日本出願、特願2010-164770号優先権を請求する。

特許請求の範囲 【請求項1】
二酸化炭素を有効成分として含む、P/Q-型電位依存性カルシウムチャネルCav2.1のα1サブユニット遺伝子変異によるてんかん波に伴う欠神発作の治療剤であって、てんかん波に伴う欠神発作のスパイクインデックスを1とした場合に、投与開始後60分以内にスパイクインデックスを0.416以下に低減しうる、てんかん波に伴う欠神発作治療剤。

【請求項2】
欠神発作治療剤が吸入用治療剤である、請求項1に記載の欠神発作治療剤

【請求項3】
吸入の際の吸入される気体の二酸化炭素の濃度が、1~10%(v/v)となるように含まれる、請求項に記載の欠神発作治療剤

【請求項4】
請求項1~のいずれか1に記載の欠神発作治療剤が、医療用ガスボンベに充填されていることを特徴とする、てんかん波に伴う欠神発作治療用ガスボンベ。

【請求項5】
請求項に記載の欠神発作治療用ガスボンベが、医療用吸引ガス装置に接続されていることを特徴とする、てんかん波に伴う欠神発作治療用吸引ガス装置。
産業区分
  • 高分子化合物
  • 薬品
  • 治療衛生
  • 運動娯楽用
  • 家具
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012525374thum.jpg
出願権利状態 登録
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