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神経ペプチドを用いた神経因性疼痛軽減薬剤ならびに抗うつ薬剤 新技術説明会

国内特許コード P130010088
掲載日 2013年11月25日
出願番号 特願2012-525407
登録番号 特許第5861215号
出願日 平成23年7月20日(2011.7.20)
登録日 平成28年1月8日(2016.1.8)
国際出願番号 JP2011066418
国際公開番号 WO2012011486
国際出願日 平成23年7月20日(2011.7.20)
国際公開日 平成24年1月26日(2012.1.26)
優先権データ
  • 特願2010-165772 (2010.7.23) JP
発明者
  • 池田 哲也
出願人
  • 国立大学法人 宮崎大学
発明の名称 神経ペプチドを用いた神経因性疼痛軽減薬剤ならびに抗うつ薬剤 新技術説明会
発明の概要 【課題】神経因性疼痛の治療を満足させる薬剤の開発を課題とする。すなわち,副作用の少ない優れた哺乳動物用の神経因性疼痛軽減薬剤の開発を課題とする。
【解決手段】下記式(1)のペプチドを有効成分とすることを特徴とする哺乳動物用神経因性疼痛軽減薬剤又は哺乳動物用抗うつ薬剤である
x-y-Gly - Trp - NH2(1)
(x,yともに,Pro,Gly,Ala,Val,Leu,Ile,Met,PheおよびTrpから選択される0又は1個のアミノ酸。これにより,安価で副作用の少ない哺乳動物用の神経因性疼痛軽減薬剤の提供が可能となった。また,これらのペプチドついては,脳内セロトニン量を増加させるため,哺乳動物用の抗うつ薬剤としての提供も可能である。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


神経ペプチドとは,複数個のアミノ酸がペプチド結合を介して結合した分子(ペプチド)であって,シナプスや神経筋接合部で情報を伝達する役割を有するものをいう。



かかる神経ペプチドは,古くより,様々な動物種の組織抽出物から単離されており,多くの知見が得られてきた。かかる知見の蓄積量の変化を反映して,神経ペプチドに対する一定の見解も時代により変化が見られてきた。
現在,神経ペプチドに対する一定の見解として,動物の類縁関係が離れるに従って,その神経ペプチドの構造や活性の性質は変化し,異なる動物門に属する神経ペプチド群の性質には大差が見られるのが通常と考えられている(非特許文献1,非特許文献2)。このことは,同じ動物門内には相同性の高い神経ペプチドが多く分布しているが,動物門が異なるとそれら神経ペプチド群の構造や性質が大きく異なってくることを示唆するものである。



このように動物門の違い,類縁関係の遠近により,神経ペプチドにおいてもその活性や構造が異なるというのが通常である。例外として,軟体動物の神経ペプチドは,異なる動物門である環形動物には活性を示し,あたかも同一の動物門に属しているかのように,その神経ペプチドの構造も類似していることが挙げられる(非特許文献1,非特許文献2)。
このように若干の例外はあるものの,異なる動物門において神経ペプチドが活性を有する,または構造が類似することは極めてめずらしいことである。そのため,例えば,多く研究のなされてきた軟体動物の神経ペプチドでさえ,異なる動物門であり類縁関係も遠い哺乳動物において,軟体動物における効果と同様の効果が現実に確認された報告例は知られておらず,ましてヒトで医薬利用されている例は現在まで知られていない。



一方,神経因性疼痛(Neuropathic Pain,Neuralgia)とは,末梢神経および中枢神経の障害や,機能的障害による慢性疼痛疾患の一種をいう。神経因性疼痛の代表的なものとして糖尿病性疼痛や癌性疼痛,神経痛などが挙げられる。また,特徴的な痛み症状として,痛み刺激をより強く感じる痛覚過敏や本来なら痛み刺激とならない触覚や温覚を痛みとして感じる異痛(アロディニア)を示す。
このような神経因性疼痛による痛みは,痛みが本来もつ組織障害の警告という生理的役割は既に失われており,痛み自体が障害となっている。そのため,神経因性疼痛による痛みを取り除くこと自体が患者の治療目的となっており,薬物治療として鎮痛薬が用いられている。



鎮痛薬として,モルヒネに代表される麻薬性鎮痛薬,インドメタシンに代表される非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)などが従来から知られている。しかし,これらの鎮痛薬は,神経因性疼痛に対して一般的に効果が小さい(特許文献1,非特許文献3,非特許文献4)。特に麻薬性鎮痛薬などは効果が小さく,この麻薬性鎮痛薬の鎮痛効果の不十分さが神経因性疼痛の大きな特徴とされ,このことを利用して神経因性疼痛の診断が行なわれる場合もある(非特許文献5)。



このように従来の鎮痛薬が神経因性疼痛に対し治療効果を奏しないことから,現在,神経因性疼痛に対する鎮痛薬の一つとして第三世代の抗うつ剤といわれる選択的セロトニン再取り込み阻害剤(以下,SSRI)が用いられている(特許文献2)。しかしながら,SSRIは,精神病症状や過敏症,他の併用薬によって心血管系の副作用がでてしまう場合があり,セロトニン症候群と呼ばれる副作用発症の危険性があるため,専門家の指導を必要とする取扱いが非常に難しい薬剤である。最も副作用の少ないとされる第四世代のセロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)についても,SSRI同様,併用薬との相互作用も多いことから,取扱いには十分な注意が必要な薬剤である(特許文献1)。



このように,神経因性疼痛においては,既存の鎮痛薬の効果が乏しい,もしくは現在用いられている鎮痛薬であっても取扱いが困難であり必ずしも安全性が高いとはいえないのが現状である。これらの事情などを背景として,神経因性疼痛においては,十分な治療効果があげられていないのが現状である。

産業上の利用分野


本発明は,神経ペプチドの新規な医療用途に関する。さらに詳しくは,かかる医療用途を利用した哺乳動物用の神経因性疼痛軽減薬剤ならびに抗うつ薬剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
Ala-Pro-Gly-Trp-NH2,Pro-Gly-Trp-NH2又はGly-Trp-NH2のいずれかから選択されるペプチドを有効成分とする哺乳動物用神経因性疼痛軽減薬剤又は哺乳動物用抗うつ薬剤。
産業区分
  • 高分子化合物
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012525407thum.jpg
出願権利状態 登録


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