TOP > 国内特許検索 > 金属錯体化合物及び当該金属錯体化合物を利用したアミド類の製造方法

金属錯体化合物及び当該金属錯体化合物を利用したアミド類の製造方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P130010089
掲載日 2013年11月25日
出願番号 特願2012-527726
登録番号 特許第5732678号
出願日 平成23年7月29日(2011.7.29)
登録日 平成27年4月24日(2015.4.24)
国際出願番号 JP2011067531
国際公開番号 WO2012017966
国際出願日 平成23年7月29日(2011.7.29)
国際公開日 平成24年2月9日(2012.2.9)
優先権データ
  • 特願2010-174025 (2010.8.2) JP
発明者
  • 押木 俊之
  • 村中 誠
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 金属錯体化合物及び当該金属錯体化合物を利用したアミド類の製造方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 本発明の課題は、高い触媒活性を有し、安価でかつ固体触媒法(微量の銅イオン混入の問題等)や生体触媒法(多量の水や菌体の活性保持の問題等)が有する製造時の原理的な制約のない錯体触媒を提供することである。本発明に係る触媒は、下記一般式(I)で表される金属錯体化合物を含有する。
式(I)中、Mはルテニウム等の金属イオンを表し、Lは置換基を有していてもよい炭素数1~30の環状又は非環状の中性又は-1価の不飽和炭化水素基を表し、L及びLはそれぞれ独立して塩素等を表し、Lはリン又はヒ素を介してMに結合した下記一般式(IIa)又は(IIb)で表される化合物である。
式(IIa)及び(IIb)中、Eはリン又はヒ素を表し、Yは酸素又は硫黄を表し、Y、Y、及びYはそれぞれ独立して、水素原子、アリール基等を表し、Hは水素原子を表す。


従来技術、競合技術の概要


アクリルアミド等のアミド類は、例えば凝集剤、紙力増強剤、塗料、原油採掘用薬剤、石油(原油)増進回収用薬剤、滑剤、可塑剤、離型剤及び消泡剤等、多岐にわたる用途に用いられる重要な化合物である。かかるアミド類の製造方法としては、触媒の存在下、ニトリル類と水を反応させる方法が知られており、固体触媒、生体触媒又は金属錯体触媒を用いる方法が主に用いられている。



固体触媒法としては、例えば銅を含む触媒を用いる方法が知られているが(特許文献1、2)、原料のニトリルからアミドへの転化率が100%に達しないために原料をリサイクルする必要があることや、製品アミド中に触媒由来の銅イオンが微量混入すること等の問題があった。



一方、固体触媒法の欠点を克服し、転化率が100%で銅イオンの混入がない方法として、生体触媒法が用いられている(非特許文献1)。しかし、生体触媒法においては、生体を用いることから反応系に多量の水を必要とし、結晶体のアミドを得るためには前記多量の水を除去するための工程・設備(多量のエネルギー)が必要となる。さらに生体触媒の培養や冷凍保管や、その解凍条件の煩雑さ、製造されたアミド類からの生体触媒除去方法等、改良の余地があった。



この他に、錯体触媒を用いる方法として、例えば白金ホスフィン錯体触媒を用いる方法が知られている(特許文献3)。白金錯体触媒はその活性が高いものであるが、高価でその調製が煩雑であるなどの問題があった。一方、本発明者らは、ルテニウム錯体やイリジウム錯体とホスフィン化合物との組み合わせによる触媒作用を用いたアミド化合物の合成方法について研究を行ってきた(特許文献4、5)。しかし、これらルテニウム錯体やイリジウム錯体とホスフィン化合物との組み合わせによる触媒についても、より低温で熱エネルギー投入の少ない条件下での反応実施、さらには生成するアミド類の収率や純度(特にアクリル系アミド)等の点で改良の余地があった。また、最近、ルテニウム錯体触媒と界面活性剤を組み合わせる触媒系が報告されたが、アミド類の製造効率(触媒活性)は極めて低く、その経済性は極めて低い(非特許文献2)。



なお、非特許文献3(化合物8)には、ペンタフルオロベンジル基を有するホスフィン化合物を配位子とするルテニウム錯体が開示されている。しかしながら、当該化合物の用途、特にアミドの製造における触媒としての用途は、全く記載も示唆もされていない。

産業上の利用分野


本発明は、金属錯体化合物、当該金属錯体化合物を含む触媒、及び前記金属錯体化合物の触媒作用を利用したアミド類の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(I)で表される金属錯体化合物を含む、水和反応に用いられる水和触媒。
【化1】


(式(I)中、Mはルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム又は白金からなる群より選ばれる金属イオンを表し、Lは置換基を有していてもよい炭素数1~30の環状又は非環状の中性又は-1価の不飽和炭化水素基を表し、L及びLはそれぞれ独立してフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいアルコキシ基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、Lはリン又はヒ素を介してMに結合した下記一般式(IIa)又は(IIb)で表される化合物である。)
【化2】


(式(IIa)及び(IIb)中、Eはリン又はヒ素を表し、Yは酸素又は硫黄を表し、Y、Y、及びYはそれぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、置換基及び炭素以外のヘテロ原子を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、Hは水素原子を表す。)

【請求項2】
下記一般式(III)
【化3】


(式(III)中、Mはルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム又は白金からなる群より選ばれる金属イオンを表し、Lは置換基を有していてもよい炭素数1~30の環状又は非環状の中性又は-1価の不飽和炭化水素基を表し、L及びLはそれぞれ独立してフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいアルコキシ基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、ただしMの価数が+1及び+2のときはLは存在しない場合があり、一般式(III)で表される化合物は会合体を形成していてもよい。)
で表される化合物と、
下記一般式(IIa)又は(IIb)
【化4】


(式(IIa)及び(IIb)中、Eはリン又はヒ素を表し、Yは酸素又は硫黄を表し、Y、Y、及びYはそれぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、置換基及び炭素以外のヘテロ原子を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、Hは水素原子を表す。)
で表される化合物とからなる複合体を含む、水和反応に用いられる水和触媒。

【請求項3】
が、置換基を有していてもよい炭素数が1~30である環状のジエン、トリエン又はテトラエンからなりかつ中性又は-1価の不飽和炭化水素基である、請求項1又は2に記載の水和触媒。

【請求項4】
が、置換基を有していてもよい炭素数が1~30である非環状のジエン、トリエン又はテトラエンからなりかつ中性又は-1価の不飽和炭化水素基である、請求項1又は2に記載の水和触媒。

【請求項5】
前記一般式(IIa)又は(IIb)で表される化合物が、置換基を有していてもよい炭素数が1~30の2級のホスフィンオキシド、脂肪族リン酸エステル、脂肪族亜リン酸エステル、芳香族リン酸エステル又は芳香族亜リン酸エステルのいずれかである、請求項1又は2に記載の水和触媒。

【請求項6】
前記一般式(IIa)又は(IIb)で表される化合物が、置換基を有していてもよいジアリールホスフィンオキシド、ジアルキルホスフィンオキシド、置換基を有していてもよいフェニル基と置換基を有していてもよいアルキル基を有する2級のホスフィンオキシド、炭素数1~30のジアルキル亜リン酸エステル、置換基を有していてもよいジフェニル亜リン酸エステル、又は置換基を有していてもよいフェニル基と置換基を有していてもよいアルキル基を有する亜リン酸エステル、のいずれかである、請求項1又は2に記載の水和触媒。

【請求項9】
さらに反応促進剤を含む、請求項1~6のいずれかに記載の水和触媒。

【請求項10】
前記反応促進剤が、置換基を有していてもよいジフェニルホスフィンオキシド、ジアルキルホスフィンオキシド、置換碁を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいアルキル基を有するホスフィンオキシド、炭素数1~30のジアルキル亜リン酸エステル、置換基を有していてもよいジフェニル亜リン酸エステル、置換基を有していてもよいフェニル基と置換基を有していてもよいアルキル基を有する亜リン酸エステル、置換基を有してもよい脂肪族アルコール、置換基を有してもよい芳香族アルコール、置換基を有してもよい脂肪族カルボン酸又は置換基を有してもよい芳香族カルボン酸、のいずれかである請求項9に記載の水和触媒。

【請求項11】
前記一般式(I)で表される金属錯体化合物又は前記一般式(II)で表される化合物1モルに対して、前記反応促進剤を1~100モルの範囲で含む請求項9又は10に記載の水和触媒。

【請求項12】
ニトリル類の水和に用いられる、請求項1~6,9~11のいずれかに記載の水和触媒。

【請求項13】
請求項12に記載の触媒を準備する工程と、
前記触媒を、ニトリル類と水及び/又は有機溶媒の混合物に添加する工程と、
前記触媒を加えた混合物を0~150℃の温度で、0.1~48時間反応させる工程と、
を含むことを特徴とする、アミドの製造方法。

【請求項14】
前記ニトリル類が、置換基を有してもよい炭素数1~30の脂肪族ニトリルである、請求項13に記載のアミドの製造方法。

【請求項15】
前記ニトリル類が、置換基を有してもよい炭素数1~30の芳香族ニトリルである、請求項13に記載のアミドの製造方法。

【請求項16】
前記ニトリル類が、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリルのいずれかである、請求項14に記載のアミドの製造方法。
産業区分
  • 処理操作
  • その他無機化学
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2012527726thum.jpg
出願権利状態 登録
特許内容に関しての問い合せ窓口は岡山大学連携機構知的財産部門です。

技術移転に関しては岡山TLOが窓口になります。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close