TOP > 国内特許検索 > カビ類ポリケチド合成遺伝子の酵母での異種発現

カビ類ポリケチド合成遺伝子の酵母での異種発現 新技術説明会

国内特許コード P130010091
掲載日 2013年11月26日
出願番号 特願2012-528598
出願日 平成23年8月11日(2011.8.11)
国際出願番号 JP2011004566
国際公開番号 WO2012020574
国際出願日 平成23年8月11日(2011.8.11)
国際公開日 平成24年2月16日(2012.2.16)
優先権データ
  • 特願2011-007312 (2011.1.17) JP
  • 特願2010-181279 (2010.8.13) JP
発明者
  • 渡辺 賢二
  • 守屋 央朗
出願人
  • 静岡県公立大学法人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 カビ類ポリケチド合成遺伝子の酵母での異種発現 新技術説明会
発明の概要

本発明は、真核生物が有するイントロンを含む遺伝子から、該遺伝子に含まれるイントロンを除去してエクソン配列のみを連結し、該連結された配列を含む発現ベクターを作製する方法に関する。詳しくは、イントロンを含むカビの巨大遺伝子から、エクソン配列を一または複数のフラグメントとしてPCRにより増幅し、ギャップリペアークローニング法を利用して該フラグメントおよび制限酵素処理したベクターを連結し、連結されたエクソン配列を含む発現ベクターを作製する方法、巨大遺伝子のcDNAフラグメントを合成して連結し、全長cDNA配列を含む発現ベクターを作製する方法、該方法により作製された発現ベクターが導入された形質転換体、該形質転換体により産生されるタンパク質、ならびに該発現ベクターを用いて該タンパク質により産生される化合物を得る方法に関する。

従来技術、競合技術の概要


カビのゲノム配列の解析結果から、カビゲノム上に、二次代謝産物の生合成遺伝子と推定される複数の遺伝子が存在することが明らかとなったが、これらの遺伝子がコードするタンパク質(二次代謝産物の生合成酵素)の生産は確認されていない。



通常、ゲノム配列がコードしているタンパク質を得るためには、まずmRNAを調製し、逆転写酵素によってcDNAを合成した後、該cDNAを発現ベクターに導入する必要がある。一般に、遺伝子の読み枠が巨大な場合には完全長のcDNAを合成することができない可能性が高いため、cDNAライブラリーでは網羅できない読み枠が存在することがあり、また、遺伝子を、取得した生物とは異なる宿主に導入して発現させること(異種発現)は困難である。



二次代謝産物はこれまでに多くの医薬品リード化合物として用いられており、そのように用いられている二次代謝産物としては、例えばポリケチド系天然物およびペプチド系天然物が挙げられる。これらの天然物は、それぞれポリケチド合成酵素(polyketide synthase、PKS)および非リボソーム依存性ペプチド合成酵素(nonribosomal peptide synthetase、NRPS)によって生合成されることが知られている(非特許文献1-3)。



カビゲノム配列から明らかとなった二次代謝産物の生合成遺伝子と推定される遺伝子についても、該遺伝子がコードするタンパク質によって合成される二次代謝産物の有用性が期待される。しかしながら、カビは真核生物であるため遺伝子中にはイントロンが含まれており、また、遺伝子が巨大であるので、上記のような従来の方法では完全長のcDNAを合成することは難しく、二次代謝産物の生合成遺伝子と推定される遺伝子がコードするタンパク質を合成することが出来なかった。



以上より、カビの巨大生合成遺伝子からイントロンを除き、該遺伝子がコードしているタンパク質を発現させる方法が必要とされていた。

産業上の利用分野


本発明は、真核生物が有するイントロンを含む遺伝子から、該遺伝子に含まれるイントロンを除去してエクソン配列のみを連結し、該連結された配列を含む発現ベクターを作製する方法に関する。詳しくは、イントロンを含むカビの巨大遺伝子から、エクソン配列を複数のフラグメントとしてPCRにより増幅し、ギャップリペアークローニング法を利用して該フラグメントおよび制限酵素処理したベクターを連結し、連結されたエクソン配列を含む発現ベクターを作製する方法、巨大遺伝子のcDNAフラグメントを合成して連結し、全長cDNA配列を含む発現ベクターを作製する方法、該方法により作製された発現ベクターが導入された形質転換体、該形質転換体により産生されるタンパク質、ならびに該発現ベクターを用いて該タンパク質により産生される化合物を得る方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
真核生物が有する、イントロンを含む遺伝子または遺伝子と推定されているゲノム配列の、エクソン配列を連結し、該連結された配列を含む発現ベクターを作製する方法であって、
(a)真核生物から抽出したゲノムから、PCRにより、エクソン配列を複数のフラグメントとして増幅する工程、
ここで、PCRに用いるフォワードプライマーは、5’末端から3’末端の方向に順番に、増幅するフラグメントを連結させるフラグメントのセンス鎖の3’末端部分の配列に相補的な配列、またはベクターの制限酵素処理末端部分のセンス鎖の3’末端部分の配列に相補的な配列、および増幅するフラグメントのセンス鎖の5’末端部分の配列に相補的な配列を持ち、リバースプライマーは、5’末端から3’末端の方向に順番に、増幅するフラグメントを連結させるフラグメントのアンチセンス鎖の3’末端部分の配列に相補的な配列、またはベクターの制限酵素処理末端部分のアンチセンス鎖の3’末端部分の配列に相補的な配列、および増幅するフラグメントのアンチセンス鎖の5’末端部分の配列に相補的な配列を持ち、これらのプライマーを用いることにより、増幅するフラグメントの末端に、該フラグメントに連結させるフラグメントの末端部分と相同な配列またはベクターの制限酵素処理末端部分と相同な配列を付加する、および
(b)工程(a)により得られたフラグメントと、制限酵素処理したベクターとを出芽酵母または分裂酵母に同時に形質転換することにより、相同組換えによってフラグメントとフラグメント、およびフラグメントとベクターとが連結された発現ベクターを得る工程
を含む該方法。
【請求項2】
真核生物が有する、イントロンを含む遺伝子または遺伝子と推定されているゲノム配列の、全長cDNA配列を含む発現ベクターを作製する方法であって、
(a)真核生物から抽出したmRNAからcDNAフラグメントを合成し、該cDNAフラグメントをPCRにより増幅する工程、
ここで、PCRに用いるフォワードプライマーは、5’末端から3’末端の方向に順番に、増幅するフラグメントを連結させるフラグメントのセンス鎖の3’末端部分の配列に相補的な配列、またはベクターの制限酵素処理末端部分のセンス鎖の3’末端部分の配列に相補的な配列、および増幅するフラグメントのセンス鎖の5’末端部分の配列に相補的な配列を持ち、リバースプライマーは、5’末端から3’末端の方向に順番に、増幅するフラグメントを連結させるフラグメントのアンチセンス鎖の3’末端部分の配列に相補的な配列、またはベクターの制限酵素処理末端部分のアンチセンス鎖の3’末端部分の配列に相補的な配列、および増幅するフラグメントのアンチセンス鎖の5’末端部分の配列に相補的な配列を持ち、これらのプライマーを用いることにより、増幅するフラグメントの末端に、該フラグメントに連結させるフラグメントの末端部分と相同な配列またはベクターの制限酵素処理末端部分と相同な配列を付加する、および
(b)工程(a)により得られたcDNAフラグメントと、制限酵素処理したベクターとを出芽酵母または分裂酵母に同時に形質転換することにより、相同組換えによってフラグメントとフラグメント、およびフラグメントとベクターとが連結された発現ベクターを得る工程
を含む該方法。
【請求項3】
真核生物がカビである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
カビがペニシリウム属(Penicilium属)、ケトミウム属(Chaetomium属)、またはアスペルギルス属(Aspergillus属)である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
遺伝子または遺伝子と推定されているゲノム配列が4~20kbである、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
遺伝子または遺伝子と推定されているゲノム配列が、ポリケチド合成酵素または非リボソーム依存性ペプチド合成酵素をコードするものである、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
連結された配列が、配列番号15~21、29および47のいずれかに示される塩基配列を含むポリヌクレオチドである、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1~7に記載の方法により作製された発現ベクターが導入されている、形質転換体。
【請求項9】
請求項8に記載の形質転換体により産生されるタンパク質。
【請求項10】
請求項1~7に記載の方法により作製された発現ベクターを使用して、イントロンを含む遺伝子または遺伝子と推定されているゲノム配列がコードするタンパク質により産生される化合物を得る方法。
【請求項11】
発現ベクターを導入した形質転換体を培養し、培養液または形質転換体から化合物を採取する工程を含む、請求項10に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 審査請求前
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせ下さい。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close