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ヘモキニン-1受容体及びヘモキニン-1由来ペプチド

国内特許コード P130010094
掲載日 2013年11月26日
出願番号 特願2012-530706
登録番号 特許第5688718号
出願日 平成23年8月25日(2011.8.25)
登録日 平成27年2月6日(2015.2.6)
国際出願番号 JP2011069178
国際公開番号 WO2012026526
国際出願日 平成23年8月25日(2011.8.25)
国際公開日 平成24年3月1日(2012.3.1)
優先権データ
  • 61/471,338 (2011.4.4) US
  • 特願2010-191039 (2010.8.27) JP
発明者
  • 西森 利數
  • 中山 留美
出願人
  • 国立大学法人 宮崎大学
発明の名称 ヘモキニン-1受容体及びヘモキニン-1由来ペプチド
発明の概要 本発明は、SPに対するアンタゴニスト活性、疼痛抑制活性、炎症抑制活性、及び掻痒抑制活性を有するペプチドを提供することを第1の課題とする。また、本発明は、HK-1に特異的な受容体を用いた疼痛治療薬、炎症治療薬、及び掻痒治療薬の探索方法を提供することを第2の課題とする。
以下の(a)~(c)のいずれかに示されるペプチド又はその製薬上許容される塩:
(a) Arg-Ser-Arg-Thr-Arg-NH2(配列番号7)
[C末端のArg-NH2は、カルボキシル基がアミド化されたArgを示す]
で表されるアミノ酸配列からなるペプチド;
(b) Arg-Pro-Lys-Pro-Gln-NH2(配列番号6)
[C末端のGln-NH2は、カルボキシル基がアミド化されたGlnを示す]
で表されるアミノ酸配列からなるペプチド;
(c) 上記(a)又は(b)のペプチドのアミノ酸配列において、Arg及びLys以外の位置で1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、且つサブスタンスPに対するアンタゴニスト活性、疼痛抑制活性、炎症抑制活性、及び掻痒抑制活性からなる群から選択される少なくとも1つの活性を有するペプチド
(但し、
Arg-Pro-Lys-Pro-Gln-Gln-Phe-NH2(配列番号3)
[C末端のPhe-NH2は、カルボキシル基がアミド化されたPheを示す]
で表されるアミノ酸配列からなるペプチド;及び
Arg-Pro-Lys-Pro-Gln-Gln-Phe-Phe-NH2(配列番号5)
[C末端のPhe-NH2は、カルボキシル基がアミド化されたPheを示す]
で表されるアミノ酸配列からなるペプチドを除く);
により第1の課題を解決することができる。また、GPR83の使用して、疼痛、炎症、又は掻痒の治療に有用な化合物をスクリーニングすることにより第2の課題を解決することができる。
従来技術、競合技術の概要


SPは11個のアミノ酸からなるペプチドであり、そのアミノ酸配列は
Arg-Pro-Lys-Pro-Gln-Gln-Phe-Phe-Gly-Leu-Met-NH2(配列番号1)
[式中、C末端のメチオニンのカルボキシル基はアミド化されている。以下同様に表記する]
である。



一方、HK-1は11個のアミノ酸からなるペプチドであり、そのアミノ酸配列は
Arg-Ser-Arg-Thr-Arg-Gln-Phe-Tyr-Gly-Leu-Met-NH2(配列番号2)
である。



SP及びHK-1は共にタキキニンペプチドに属する。ここで、タキキニンペプチドとは、C末端にFXGLM-NH2(ここで、Xは疎水性アミノ酸である)を有するペプチドを意味する。



SPは脊椎動物だけでなく、無脊椎動物においても見つけられており、炎症、疼痛、かゆみ、筋収縮などに関与し、生体において多様な機能を有している。従って、SPに対する新規のアンタゴニストを見出すことは、SPが関与する多くの症状(例えば、痛み、炎症やかゆみなど)を抑制するための医薬の開発に寄与すると考えられる。



これまでの先行研究により、SPはN末端フラグメント(SP(1-7))
Arg-Pro-Lys-Pro-Gln-Gln-Phe-NH2(配列番号3)
とC末端フラグメント(SP(7-11))
Phe-Phe-Gly-Leu-Met-NH2(配列番号4)
と2領域に分割され、かつこれらのフラグメントは異なる機能を有していることが報告されている(非特許文献1)。具体的には、SPをラットやマウスに投与すると疼痛関連行動(例えば、ひっかき行動)を誘発するが、SPのN末端フラグメントを投与することにより疼痛関連行動を抑制することができる。一方、SPのC末端フラグメントを投与すると疼痛関連行動が誘発される。



また、SPのN末端フラグメント(SP(1-7))
Arg-Pro-Lys-Pro-Gln-Gln-Phe-NH2(配列番号3)
及びSPのN末端フラグメント(SP(1-8))
Arg-Pro-Lys-Pro-Gln-Gln-Phe-Phe-NH2(配列番号5)
がSPに起因する疼痛関連行動を抑制することが報告されている(非特許文献2及び3)。



ところで、HK-1はヒト及びげっ歯類のTAC4遺伝子からその存在が示唆されているペプチドであるが、HK-1特異的受容体と、HK-1と同属ペプチドであるSPに対する受容体(ニューロキニン-1受容体(NK1R))とが異なるかどうかは知られていない。



HK-1がSPと同様にNK1Rに対して高い親和性を有していること(非特許文献4、5、及び6)、並びにHK-1及びSPをラットの髄腔内に投与することによりひっかき行動が誘発され、その行動が投与するペプチドの濃度に依存して誘発され(非特許文献7)、また、その行動が既知のNK1RアンダゴニストL-703,606により抑制されること(非特許文献7及び8)に基づいて、HK-1の受容体がNK1Rであることを示唆しているとの見解もある。



しかし、(1)SPを髄腔内投与すると熱痛覚過敏を誘発することが知られているが(非特許文献9及び10)、HK-1投与では全くその反応が認められないこと(非特許文献7及び11)、(2)タキキニンペプチドのエンドキニン類ペプチドであるエンドキニンC及びエンドキニンDのC末端領域から12個の共通アミノ酸配列により構成されるエンドキニンC/D(EK C/D)を前投与すると、SP誘発ひっかき行動を抑制することはできるが、HK-1誘発ひっかき行動を抑制することができないこと(非特許文献8)、並びに(3)受容体の脱感作に関与する細胞内情報伝達系に対する種々のプロテインキナーゼ阻害剤での処理による受容体脱感作用の阻止を指標に評価すると、SP及びHK-1が誘発する受容体脱感作には異なるプロテインキナーゼが関与していると示唆されること(非特許文献12)に基づけば、NK1Rとは異なるHK-1に特異的な受容体(HK-1-preferred receptor)が存在し、それらの受容体の機能は類似しているが同一ではないことが推測される(非特許文献7、8、及び13)。

産業上の利用分野


本発明は、サブスタンスP(以下「SP」という)由来ペプチド及びヘモキニン-1(以下「HK-1」という)由来ペプチド、並びにこれらのペプチドを含む疼痛治療薬、炎症治療薬、及び掻痒治療薬に関する。また、本発明は、HK-1受容体を用いた疼痛治療薬、炎症治療薬、及び掻痒治療薬のスクリーニング方法にも関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被験物質を非ヒト動物でのin vivoにおいて評価する方法において、
非ヒト動物のGPR83の機能を阻害するステップ;
被験物質をGPR83の機能が阻害された非ヒト動物に投与するステップ;
他の被験物質をGPR83の機能が阻害された他の非ヒト動物に投与するステップ;
被験物質を投与されたGPR83の機能が阻害された非ヒト動物の痒み行動と、他の被験物質を投与されたGPR83の機能が阻害された他の非ヒト動物の痒み行動とを比較するステップ;及び
被験物質がヘモキニン-1又はセロトニンにより誘発される掻痒の関連物質であるか否かを評価するステップ;
を含む、上記方法。

【請求項2】
被験物質を投与されたGPR83の機能が阻害された非ヒト動物の痒み行動が抑制された場合に、被験物質がヘモキニン-1又はセロトニンにより誘発される掻痒の関連物質であると評価するステップ;
をさらに含む、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
被験物質を非ヒト動物でのin vivoにおいて評価する方法において、
非ヒト動物のGPR83の機能を阻害するステップ;
被験物質をGPR83の機能が阻害された非ヒト動物に投与するステップ;
被験物質をGPR83の機能が阻害されていない非ヒト動物に投与するステップ;
被験物質を投与されたGPR83の機能が阻害された非ヒト動物の痒み行動と、被験物質を投与されたGPR83の機能が阻害されていない非ヒト動物の痒み行動とを比較するステップ;及び
被験物質のHK-1受容体機能のアンタゴニスト活性を評価するステップ;
を含む、上記方法。

【請求項4】
被験物質を投与されたGPR83の機能が阻害されていない非ヒト動物の痒み行動が抑制された場合に、被験物質のHK-1受容体機能のアンタゴニスト活性がGPR83のHK-1受容体機能のアンタゴニスト活性よりも高いと判断するステップ;
をさらに含む、請求項3に記載の方法。

【請求項5】
GPR83が、配列番号17~20のいずれかで表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドである、請求項1~4のいずれかに記載の方法。

【請求項6】
GPR83の機能阻害がsiRNAによって行われる、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
産業区分
  • 試験、検査
  • 高分子化合物
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録


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