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色素細胞性疾患のモデル動物及びその用途 新技術説明会

国内特許コード P130010115
整理番号 NU-0515
掲載日 2013年12月2日
出願番号 特願2011-253454
公開番号 特開2013-106554
登録番号 特許第5923785号
出願日 平成23年11月21日(2011.11.21)
公開日 平成25年6月6日(2013.6.6)
登録日 平成28年4月28日(2016.4.28)
発明者
  • 加藤 昌志
  • 飯田 真智子
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 色素細胞性疾患のモデル動物及びその用途 新技術説明会
発明の概要 【課題】ヒト皮膚における色素沈着を再現したモデル動物を提供する。
【解決手段】活性化型RET遺伝子が遺伝子導入されており且つメラニン産生能を有するヘアレス齧歯類遺伝子改変動物を提供。皮膚への紫外線照射によって、表皮基底層でメラニン産生が亢進して一時的色素沈着が生じた後、該色素沈着からの回復を経て遅延性色素沈着が生ずる、遺伝子改変動物。遺伝子改変動物を用いることを特徴とする、遅延性色素沈着の予防又は治療に有効な物質のスクリーニング方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


紫外線によって日焼けとともに生じる色素沈着(サンタン)や、肝斑をはじめとする自然回復が困難な色素沈着(シミ)は、美容上の大きな問題となっている(Torok,2006.)。例えば、現時点の肝斑の治療としては、トレチノイン、ステロイド、ハイドロキノン、トランサミン内服を組み合わせるのが一般的である(Sehgal et al., 2011)。しかし、再発の問題や、効果がでるまでに8週間から場合によっては1年を要するなど問題点も多く(Torok, 2006.)、治療法の改善が求められる。



色素沈着の発症メカニズムは不明な点が多い。色素沈着の発症メカニズムが解明されれば、色素沈着に有効な薬剤(予防剤・改善剤)の開発が可能となる。本来であればヒトを対象(被験者)として薬剤開発を進めるべきところではあるが、安全性や被験者数の確保、個人差によるデータのばらつきなどの問題があり、ヒトを用いた薬剤開発は非現実的である。



これまでに、皮膚の試験方法として、ヒト皮膚あるいはヒト皮膚培養三次元培養をヌードマウスに移植し、各種の評価を行う方法(特許文献1、非特許文献1)が報告されている。この方法はヒトの皮膚を用いて評価できるというメリットはあるものの、移植操作に多くの手間と時間を要する上、免疫応答等、非生理的な検査となることから、必ずしも薬剤スクリーニング系としては適当といえない。一方、ヘアレスマウス(HL-マウス)が紫外線により色素沈着を起こすことが報告されている(非特許文献2)。この報告によると、ヘアレスマウスに対して紫外線を1週間に3回の頻度で4週間に亘って照射すると遅延性のシミを発症する。つまり、遅延性のシミが現れるまでに、最初の紫外線照射から約28週をも必要とする。

産業上の利用分野


本発明は遺伝子改変動物に関する。詳しくは、ヒトの色素沈着を再現する遺伝子改変動物及びその用途等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
活性化型RET遺伝子が遺伝子導入されており、且つメラニン産生能を有し、
RET/o-トランスジェニックマウスとHos:HRMヘアレスマウスとの交配によって得られ、
皮膚への紫外線照射によって、表皮基底層でメラニン産生が亢進して一時的色素沈着が生じた後、該色素沈着からの回復を経て遅延性色素沈着が生ずる、ヘアレス遺伝子改変動物。

【請求項2】
活性化型RET遺伝子が、c-RET遺伝子とRFP遺伝子のハイブリットによって生じた癌遺伝子RFP-RET遺伝子である、請求項1に記載の遺伝子改変動物。

【請求項3】
活性化型RET遺伝子がメタロチオネインIプロモーターに連結している、請求項1又は2に記載の遺伝子改変動物。

【請求項4】
活性型RET遺伝子がヘテロ型に遺伝子導入されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の遺伝子改変動物。

【請求項5】
遺伝子型がhr/hr;Ret/Oのマウスである、請求項4に記載の遺伝子改変動物。

【請求項6】
色素沈着からの回復が、紫外線照射後1月前後に認められる、請求項1~5のいずれか一項に記載の遺伝子改変動物。

【請求項7】
RET/o-トランスジェニックマウスが、192系統RET/o-トランスジェニックマウス、242系統RET/o-トランスジェニックマウス、304系統RET/o-トランスジェニックマウス、又は304/B6系統RET/o-トランスジェニックマウスである、請求項1に記載の遺伝子改変動物。

【請求項8】
RET/o-トランスジェニックマウスが304/B6系統RET/o-トランスジェニックマウスであり、メラノサイト系良性腫瘍およびメラノーマを発症する、請求項1に記載の遺伝子改変動物。

【請求項9】
紫外線がUV-A及び/又はUV-Bである、請求項1~8のいずれか一項に記載の遺伝子改変動物。

【請求項10】
以下の(a)~(c)のいずれかの方法からなる、色素沈着モデルマウスの作製方法:
(a)活性化型RET遺伝子がヘテロ型に遺伝子導入されているRETトランスジェニックマウスと、遺伝子型がhr/hrのHos:HRMヘアレスマウスを交配して生まれたhr/+;RET/o-マウスを選抜した後、該hr/+;RET/o-マウスと遺伝子型がhr/hrのHos:HRMヘアレスマウスを交配して生まれたhr/hr;RET/o-マウスを選抜する;
(b)活性化型RET遺伝子がヘテロ型に遺伝子導入されており、且つ遺伝子型がhr/hrのHos:HRMヘアレスマウスと、遺伝子型がhr/hrのHos:HRMヘアレスマウスを交配して生まれたhr/hr;RET/o-マウスを選抜する;
(c)活性化型RET遺伝子がヘテロ型に遺伝子導入されており、且つ遺伝子型がhr/hrのHos:HRMヘアレスマウス同士の交配によって生まれたhr/hr;RET/o-マウスを選抜する。

【請求項11】
請求項1~のいずれか一項に記載の遺伝子改変動物を用いることを特徴とする、遅延性色素沈着の予防又は治療に有効な物質のスクリーニング方法。

【請求項12】
以下のステップ(1)~(3)を含んでなる、請求項11に記載のスクリーニング方法:
(1)請求項1~のいずれか一項に記載の遺伝子改変動物の皮膚に紫外線を照射するステップ;
(2)ステップ(1)の前及び/又は後に、前記遺伝子改変動物に被験物質を投与するステップ;
(3)前記遺伝子改変動物が発症する遅延性色素沈着に対して被験物質が予防又は治療効果を示すか否かを評価し、評価結果に基づき被験物質の有効性を判定するステップ。

【請求項13】
ステップ(3)における評価が、遅延性色素沈着が生ずるまでの時間、遅延性色素沈着のサイズ、遅延性色素沈着部位の皮膚色、色彩色差計のL*a*b*の値、皮膚メラニン量、皮膚メラノサイトの量、皮膚メラノファージの量、遅延性色素沈着のサイズの変化、遅延性色素沈着部位の皮膚色の変化、色彩色差計のL*a*b*の値の変化、皮膚メラニン量の変化、皮膚メラノサイトの量の変化、皮膚メラノファージの量の変化、及びこれらの変化が解消されるまでに要する時間からなる群より選択される一以上の項目についての評価である、請求項12に記載のスクリーニング方法。

【請求項14】
ステップ(1)の後であって且つ遅延性色素沈着を認めた後にステップ(2)を実施し、
ステップ(3)における評価が、遅延性色素沈着のサイズの変化、遅延性色素沈着部位の皮膚色の変化、色彩色差計のL*a*b*の値の変化、皮膚メラニン量の変化、皮膚メラノサイトの量の変化、皮膚メラノファージの量の変化及びこれらの変化が解消されるまでに要する時間からなる群より選択される一以上の項目についての評価である、請求項12に記載のスクリーニング方法。

【請求項15】
遅延性色素沈着が肝斑、雀卵斑又は日光黒子である、請求項12~14のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。

【請求項16】
請求項1~のいずれか一項に記載の遺伝子改変動物を用いることを特徴とする、一時的色素沈着の予防又は治療に有効な物質のスクリーニング方法。

【請求項17】
以下のステップ(1)~(3)を含んでなる、請求項16に記載のスクリーニング方法:
(1)請求項1~のいずれか一項に記載の遺伝子改変動物の皮膚に紫外線を照射するステップ;
(2)ステップ(1)の前及び/又は後に、前記遺伝子改変動物に被験物質を投与するステップ;
(3)前記遺伝子改変動物が発症する一時的色素沈着に対して被験物質が予防又は治療効果を示すか否かを評価し、評価結果に基づき被験物質の有効性を判定するステップ。

【請求項18】
請求項1~のいずれか一項に記載の遺伝子改変動物を用いることを特徴とする、一時的色素沈着又は遅延性色素沈着の発症又は進展機構の解析方法。

【請求項19】
以下のステップ(1)及び(2)を含んでなる、請求項18に記載の解析方法:
(1)請求項1~のいずれか一項に記載の遺伝子改変動物の皮膚に紫外線を照射するステップ:
(2)紫外線照射部位の皮膚組織を試料として、遺伝子発現・活性解析、形態学的解析、生化学的解析、分子生物学的解析、細胞生物学的解析、生理学的解析からなる群より選択される一以上の解析を行うステップ。

【請求項20】
同一の個体において紫外線照射部位と紫外線非照射部位との間の比較解析をステップ(2)で行う、請求項19に記載の解析方法。

【請求項21】
紫外線照射前の皮膚組織を採取しておき、該皮膚組織と、紫外線照射後に採取した前記皮膚組織との間の比較解析をステップ(2)で行う、請求項19に記載の解析方法。
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