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加齢性白髪のモデル動物 新技術説明会

国内特許コード P130010117
整理番号 NU-0517
掲載日 2013年12月2日
出願番号 特願2012-010573
公開番号 特開2013-146243
登録番号 特許第6043988号
出願日 平成24年1月23日(2012.1.23)
公開日 平成25年8月1日(2013.8.1)
登録日 平成28年11月25日(2016.11.25)
発明者
  • 加藤 昌志
  • 飯田 真智子
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 加齢性白髪のモデル動物 新技術説明会
発明の概要 【課題】ヒトの加齢性白髪を良好に再現し、白髪の予防ないし改善剤のスクリーニング等に有用なモデル動物を提供する。
【解決手段】エンドセリンレセプターBの機能及びc-kitの機能が抑制されており、加齢性白髪を発症する齧歯類遺伝子改変動物。更に、遺伝子改変動物を用いることを特徴とする、白髪の予防又は改善に有効な物質のスクリーニング方法。詳しくは、ヒトの白髪(加齢性白髪)を再現する遺伝子改変動物及びその用途等に関する。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


白髪は加齢の象徴であり、50歳の人の50%が50%程度の白髪を保有すると考えられている(Keogh EV and Walsh RJ, 1965)。現時点での白髪に対する解決策としては白髪染めが最も一般的である。しかし、白髪染めの主成分であるパラフェニレンジアミン(PPD)はアレルギー誘発性や発癌毒性等があることから(Fukunaga T. et al., 1996; Sahoo B, 2000)、一般使用が禁止されている国もある。また、加齢とともにPPDに対する感受性が上がるという報告もある(Almeida PJ et al., 2011)。従って、より健康で安全な白髪対策は、白髪になる前に予防するか、白髪初期の状態を改善することである。しかし、現時点で科学的根拠基づいた白髪予防効果のある製品は存在しない。白髪予防剤/改善剤の開発においては、本来ならばヒトでスクリーニングを行うのが最善だが、白髪は数十年という非常に長い期間かけて進行するため、ヒトで薬剤の白髪予防・改善の効能を検証するのは大変困難である。さらに、ヒトでの試験は、安全性の問題や個人差の問題が大きく、現実的ではない。



一方、ヒトの白髪を再現する白髪発症モデル動物が存在すれば、例えば白髪予防効果のある食品や薬剤をスクリーニングすることができる。本発明者らの研究グループは、活性化型RET遺伝子がヘテロに遺伝子導入され、かつ、Ednrb遺伝子がヘテロ型に欠損する遺伝子型(RET/+・Ednrb(+/-))をもつ加齢性白髪モデルマウスの作製を報告した(特許文献1)。当該マウスは、人為的に作製された活性型RETのコンストラクトが導入されたトランスジェニックマウスであり、ヒトには存在しないタイプのRET癌遺伝子(活性型RET遺伝子)を保有する(非特許文献1)。また、このRET/+・Ednrb(+/-)マウスは、RET癌遺伝子の働きにより皮膚や目にメラノーマ(悪性黒色腫)等の腫瘍を発症する(非特許文献2)。さらに、RET/+・Ednrb(+/-)マウスは、皮膚に異所性のメラノサイト・メラニン・メラノファージが大量に存在するので、メラノサイトを対象とした解析の障害になるだけでなく、ヒトの白髪の生理的状態とは異なる。ヒトに存在するタイプのRET遺伝子は、色素細胞に発現することは知られていないことを合わせて考えると、RET/+・Ednrb(+/-)マウスに発症する白髪はヒトの白髪とは発症機構が異なった非生理的な状態であると考えられる。



他にも、ヒトの白髪化に関連する遺伝子をターゲットに作製された白髪モデルマウスが存在する。例えば、Mitfvit/vitマウス(非特許文献3、4)が該当するが、このマウスは加齢性に白髪を発症するものの、もともと大きな白斑が腹部から背部にかけて存在するため、白髪予防剤等のスクリーニングには適さない。

産業上の利用分野


本発明は遺伝子改変動物に関する。詳しくは、ヒトの白髪(加齢性白髪)を再現する遺伝子改変動物及びその用途等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
エンドセリンレセプターB遺伝子をヘテロ型に欠損することによってエンドセリンレセプターBの機能が抑制されており、変異型c-kit遺伝子をヘテロ型に保有することによってc-kitの機能が抑制されており、加齢性白髪を発症する齧歯類遺伝子改変動物。

【請求項2】
前記変異型c-kit遺伝子がWv変異型遺伝子である、請求項1に記載の遺伝子改変動物。

【請求項3】
齧歯類がマウスである、請求項1又は2に記載の遺伝子改変動物。

【請求項4】
遺伝子型がEdnrb(+/-);WV/+のマウスである、請求項1に記載の遺伝子改変動物。

【請求項5】
遺伝子型がEdnrb(+/-);Wv/+; dct-LacZ/oのマウスである、請求項1に記載の遺伝子改変動物。

【請求項6】
毛周期依存的な白髪化を示す、請求項1~5のいずれか一項に記載の遺伝子改変動物。

【請求項7】
加齢性白髪が、毛根メラノサイト幹細胞の消失に伴う白髪化である、請求項1~6のいずれか一項に記載の遺伝子改変動物。

【請求項8】
以下の(a)~(d)のいずれかの方法からなる、加齢性白髪を発症するマウスの作製方法:
(a) Ednrb(+/-)マウスとWV/+マウスを交配して生まれたEdnrb(+/-);WV/+マウスを選抜する;
(b) Ednrb(+/-);WV/+マウスと野生型マウスを交配して生まれたEdnrb(+/-);WV/+マウスを選抜する;
(c) Ednrb(+/-);WV/+マウスとEdnrb(+/-)マウスを交配して生まれたEdnrb(+/-);WV/+マウスを選抜する;
(d) Ednrb(+/-);WV/+マウスとWV/+マウスを交配して生まれたEdnrb(+/-);WV/+マウスを選抜する。

【請求項9】
請求項1~7のいずれか一項に記載の遺伝子改変動物を用いることを特徴とする、白髪の予防又は改善に有効な物質のスクリーニング方法。

【請求項10】
以下のステップ(1)及び(2)を含んでなる、請求項9に記載のスクリーニング方法:
(1)請求項1~7のいずれか一項に記載の遺伝子改変動物に被験物質を投与するステップ;
(2)前記遺伝子改変動物が発症する白髪に対して被験物質が予防又は改善効果を示すか否かを評価し、評価結果に基づき被験物質の有効性を判定するステップ。

【請求項11】
ステップ(2)における評価が、白髪化のスピード、白髪化の程度、白髪化のスピードの変化、白髪から黒毛等の有色毛への変化、メラニン量の変化、メラノサイト・メラノサイト幹細胞の変化、ヘアサイクルの変化、白髪に伴う脱毛の変化、白髪に伴う毛の光沢及び/又は弾性の変化、計測器を用いた毛髪の色調変化、白髪誘発処理(過酸化水素投与、氷水につける、或いは抗c-Kit抗体の投与等の処理)の後に発症した白髪が黒毛等の有色毛に戻るまでのスピード、からなる群より選択される一以上の項目についての評価である、請求項10に記載のスクリーニング方法。

【請求項12】
以下のステップ(i)~(iii)を含んでなる、請求項9に記載のスクリーニング方法:
(i)請求項1~7のいずれか一項に記載の遺伝子改変動物の体毛の一部を脱毛するステップ;
(ii)ステップ(i)の前及び/又は後に、前記遺伝子改変動物に被験物質を投与するステップ;
(iii)前記遺伝子改変動物における、脱毛後に生えてきた体毛における白髪化を評価し、評価結果に基づき被験物質の有効性を判定するステップ。

【請求項13】
以下のステップを更に含んでなる、請求項12に記載のスクリーニング方法:
(iv)ステップ(iii)で有効性を示した被験物質を、請求項1~のいずれか一項に記載の遺伝子改変動物に投与するステップ;
(v)前記遺伝子改変動物が発症する白髪に対して被験物質が予防又は改善効果を示すか否かを評価し、評価結果に基づき被験物質の有効性を判定するステップ。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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