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膜厚方向に組成比が連続的に変化した薄膜の製造方法

国内特許コード P130010150
整理番号 H23-018
掲載日 2013年12月13日
出願番号 特願2012-087038
公開番号 特開2013-216933
登録番号 特許第5688664号
出願日 平成24年4月6日(2012.4.6)
公開日 平成25年10月24日(2013.10.24)
登録日 平成27年2月6日(2015.2.6)
発明者
  • 諸橋 信一
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 膜厚方向に組成比が連続的に変化した薄膜の製造方法
発明の概要 【課題】厚さ方向に組成の変化する薄膜、例えばルゲートフィルタ等を容易に作製し得る薄膜の製造方法を提供する。
【解決手段】一対のターゲットホルダーが対向して設けられ、各ターゲットホルダーには、それぞれ異なる材料よりなるTiターゲットとSiターゲットが配置され、各ターゲット上には、それぞれ磁束線のループを形成可能であり、且つ両ターゲット間にも磁束線形成可能である磁束分布可変型対向スパッタ装置を用い、各対向するターゲット上に形成されるループ状の磁束線及び両ターゲット間に形成される磁束線の強度割合を連続的に変化させつつスパッタリングすることを特徴とする、基板上において厚さ方向に組成が連続的に変化した傾斜型組成薄膜の製造方法である。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


従来、膜厚方向に組成の異なる薄膜は波長分割多重通信用や光学フィルターとして用いられている。これらは光通信容量の飛躍的な増大に対応する波長分割多重通信の用途や、蛍光分析装置の光学フィルターとして遺伝子解析等に用いられている。



従来、かかる目的で高屈析率層と低屈析率層の2種類の層を重ね合わせて構成するのが一般的であったが、誘電体多層フィルターは、波長多重数の増大を実現するために、より狭いバンド幅や温度変化に対する安定性などに難があった。また、光学フィルターとしても、阻止帯或以外で分光特性に不要な振動(リップル)が発生するので、これを低減するため、ローパスまたはハイパスフィルターを光学フィルターに重ねて用いる必要があった。特に、遺伝子解析等の重要な分析手段である蛍光分析装置の性能は、特定の波長の光のみを反射させ、それ以外の波長の光を透過させる光学フィルターの性能に依存し、これまでの光学フィルターでは遺伝子解析には不十分であった。



これらの欠点を解消する方式として、傾斜型組成薄膜よりなるフィルター、すなわちルゲートフィルターが提案されている。ルゲートフィルターは、薄膜の膜厚方向に連続的に且つ周期的に組成を変化させることにより、屈析率や電気抵抗が連続的に変化した薄膜層よりなるフィルターで、従来型のフィルターでは得られなかった特性を有する光分波能を有する。



ルゲートフィルターの製造方法としては、屈析率の異なる2種類の材料を連続的に組成を変化させながら、混合し薄膜状に基板等に堆積させることにより、両材料の中間の屈析率や電気抵抗が連続的に変化した薄膜とすることができる。



かかるルゲートフィルターとしては従来型の薄膜製造技術を改良したCVD法やスパッタ法が提案されているが、いずれも設計値に従って屈析率を連続的に、且つ高精度で制御することが困難であり、且つ装置も複雑となり高価であった。



たとえばスパッタ法において、スパッタリング中に2種の反応ガス例えば酸素と窒素などを用いて、その組成を変化させる方法(特許文献1)等は、ターゲットとなる金属成分は変えられず、ただ化合物が酸化物や窒化物となるに止まる。また、複数のターゲットを用いる方法もあり、基板を移動(回転)させて、それぞれの材料を所定時間堆積させる方法(特許文献2)は、材料の十分な混合が得られない。また、2種類の材料を同時に放電している2種類のスパッタリングターゲットへの投入パワーを変更し、混合比を変える方法(非特許文献1、非特許文献2)等では、低パワーとなるターゲットの放電維持が困難となる。また改良手段として両ターゲットに投入するパワーは一定に保って、各ターゲットに遮蔽マスクを設け、その開口部を変化させるという技術の提案もなされている(非特許文献2)。これらは、すでに述べた通り、制御に難性があるばかりでなく、マグネトロンスパッタを用いるためにγ電子や反跳アルゴンガス等により、薄膜がダメージを受け、層間の界面の乱れが大きくなり光学フィルターとしての性能が大きく損なわれる惧れがある。



そこで、より安価で、しかもダメージなく容易に精度よく傾斜型組成薄膜を製造する手段が求められていた。

産業上の利用分野


本発明は、スパッタ法により、膜厚方向に連続的に組成比が変化した薄膜(これを傾斜型組成薄膜という)の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一対のターゲットホルダーが対向して設けられ、各ターゲットホルダーには、それぞれ異なる材料よりなるターゲットが配置され、各ターゲット上にはそれぞれ磁束線のループを形成可能であり、且つ両ターゲット間にも磁束線形成可能である磁束分布可変型対向スパッタ装置を用い、各対向するターゲット上に形成されるループ状の磁束線及び両ターゲット間に形成される磁束線の強度割合を連続的に変化させつつスパッタリングする、基板上において厚さ方向に組成が連続的に変化した傾斜型組成薄膜の製造方法であって、
ターゲットが配置されたターゲットホルダーの一対が、前記ターゲット同士が対向するように配置され、各々の前記ターゲットホルダーの前記ターゲットの配置とは反対の裏面側には、それぞれ隣り合う磁極要素同士の磁極方向が交互に異なるように、前記磁極要素として永久磁石又は電磁石のいずれかが複数配置され、あるいは永久磁石と電磁石が組合わされて複数配置された磁束分布可変型対向スパッタ装置を用い、前記各々のターゲットホルダーの前記裏面側に配置された前記永久磁石の一部を連続的に移動させ、または前記電磁石へ供給する電流量を任意の電磁石について連続的に変化させることにより、各対向するターゲット上に形成されるループ状の磁束線及び両ターゲット間に形成される磁束線の強度割合を連続的に変化させつつスパッタリングを行うことを特徴とする傾斜型組成薄膜の製造方法

【請求項2】
前記各々のターゲットホルダーの前記裏面側に配置された前記永久磁石の一部を非対称に連続的に移動させ、または前記電磁石へ供給する電流量を任意の電磁石について非対称に連続的に変化させることにより、各対向するターゲット上に形成されるループ状の磁束線強度割合を非対称に連続的に変化させながら、かつ両ターゲット間に形成される磁束線強度割合を連続的に変化させながらスパッタリングを行う請求項1記載の傾斜型組成薄膜の製造方法。

【請求項3】
各対向するターゲット上に形成されるループ状の磁束線及び両ターゲット間に形成される磁束線の強度割合の変化を複数回周期的に行うことを特徴とする請求項1又は2記載の傾斜型組成薄膜の製造方法。

【請求項4】
一対のターゲットのうち、一方がチタン又はチタン酸化物であり他方がシリコン又はシリコン酸化物である請求項1乃至3のいずれかに記載の傾斜型組成薄膜の製造方法。

【請求項5】
それぞれのターゲットホルダーに印加する電力を異なる割合で変化させることを合せ行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の傾斜型組成薄膜の製造方法。

【請求項6】
前記各ターゲットホルダーには、それぞれ独立して電源が設けられる請求項1乃至5のいずれかに記載の傾斜型組成薄膜の製造方法。
産業区分
  • 表面処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012087038thum.jpg
出願権利状態 登録
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