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高周波用配線構造体、高周波用実装基板、高周波用配線構造体の製造方法および高周波信号の波形整形方法

国内特許コード P130010172
整理番号 S2012-0327-N0
掲載日 2013年12月20日
出願番号 特願2012-130188
公開番号 特開2013-255128
登録番号 特許第5360786号
出願日 平成24年6月7日(2012.6.7)
公開日 平成25年12月19日(2013.12.19)
登録日 平成25年9月13日(2013.9.13)
発明者
  • 安 永 守 利
出願人
  • 国立大学法人 筑波大学
発明の名称 高周波用配線構造体、高周波用実装基板、高周波用配線構造体の製造方法および高周波信号の波形整形方法
発明の概要


【課題】クロストークが生じ得る複数の伝送線上の信号の歪みやクロストークによるノイズを低減する。
【解決手段】高周波用配線構造体1上に形成された複数の配線パターン2,3のそれぞれは、固有の特性インピーダンスおよびセグメント長をそれぞれが有する複数のセグメントを連続的に繋げたものである。隣接配置される複数の配線パターンのうち、隣り合う2本の配線パターンは、クロストークによるノイズが発生する距離内に配置される。複数の配線パターンのそれぞれが有する複数のセグメントのそれぞれの特性インピーダンスおよびセグメント長は、隣接する二つのセグメント同士の境界で発生された反射波がノイズに重畳して互いに打ち消し合うことで複数の伝送線を伝搬する信号の波形が成形されるように定められる。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


複数本の伝送線を近接して配置すると、伝送線同士が互いにノイズを及ぼし合うクロストークと呼ばれる現象が生じる。クロストークによって、無信号の伝送線に電流が流れたり、信号を伝送している伝送線同士が信号の電圧波形を歪ませ合ったりする。クロストークが生じる原因は、伝送線に信号を入力すると、この信号によって電磁力が生じて、電磁力線が隣接する伝送線に誘導起電力を発生させることである。クロストークによるノイズは、高周波になるほど大きくなる性質を持つ。



図31はクロストークを起こす2本の伝送線11,12をモデル化した回路図である。2本の伝送線11,12のうち1本を信号を伝送するアクティブ線路11とし、他の1本を無信号の静止線路12とする。図31中のRdはダンピング抵抗、Rtは終端抵抗であり、いずれの抵抗もインピーダンス整合のために接続されている。



図32は図31のアクティブ線路11に250MHzの低周波信号と5GHzの高周波信号を入力した場合の、それぞれのクロストークのシミュレーション波形図である。図32に示すように、アクティブ線路11に低周波信号を入力した場合は、アクティブ線路11と静止線路12の双方ともノイズの影響は小さく、アクティブ線路11の信号波形はほとんど歪んでおらず、静止線路12に生じるノイズ成分も小さい。これに対して、アクティブ線路11に高周波信号を入力すると、クロストークの影響が大きくなってしまい、アクティブ線路11の信号波形は歪み、静止線路12には大きなノイズ信号が現れる。



クロストークに対する最も有効な対策は伝送線同士の間隔を広げることであるが、LSI等の高集積部品同士を配線する場合、配線間の距離を広げるのは容易ではなく、他の対策が必要となる。



本発明者は、過去に、配線パターン上のインピーダンス不整合点における反射波が及ぼす波形歪みに対する対策として、配線パターンを複数のセグメントに分割して、各セグメントの境界で反射波を発生させて、反射波同士を重ね合わせて互いに消し合うことで、信号波形整形を行うセグメント分割伝送線(STL:Segmental Transmission Line)を考案した(特許文献1参照)。

産業上の利用分野


本発明は、高周波信号の信号波形を成形する高周波用配線構造体、高周波用実装基板、高周波用配線構造体の製造方法および高周波信号の波形整形方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
それぞれに高周波信号が伝送可能とされ隣接配置される複数の伝送線に対応する複数の配線パターンを備えた高周波用配線構造体であって、
前記複数の配線パターンのそれぞれは、固有の特性インピーダンスおよびセグメント長をそれぞれが有する複数のセグメントを連続的に繋げたものであり、
隣接配置される前記複数の配線パターンのうち、隣り合う2本の配線パターンは、クロストークによるノイズが発生する距離内に配置され、
前記複数の配線パターンのそれぞれが有する前記複数のセグメントのそれぞれの前記特性インピーダンスおよびセグメント長は、隣接する二つの前記セグメント同士の境界で発生された反射波が前記ノイズに重畳して互いに打ち消し合うことで前記複数の伝送線を伝搬する信号の波形が当該伝送線上の観測点において整形されるように定められることを特徴とする高周波用配線構造体。

【請求項2】
隣接配置される前記複数の配線パターンのそれぞれについて、各配線パターンを前記複数のセグメントに分割するパターン領域においては、異なる配線パターン同士の対応する複数のセグメントの幅を一致させ、かつセグメント長も一致させることを特徴とする請求項1に記載の高周波用配線構造体。

【請求項3】
前記複数の配線パターンのそれぞれにおける前記複数のセグメントのそれぞれの前記特性インピーダンスおよびセグメント長が、前記複数の配線パターンの少なくとも1本にクロック信号を入力した状態で、前記複数の配線パターンのそれぞれにおける隣接する二つの前記セグメント同士の境界で発生された反射波が重複し合って前記ノイズを含めて互いに打ち消し合うように定められることにより、前記クロック信号が入力される配線パターン上の観測点の信号は、前記複数のセグメントを形成しなかった場合に比して、本来伝送すべき信号である前記クロック信号により近い波形に整形されることを特徴とする請求項1または2に記載の高周波用配線構造体。

【請求項4】
前記複数の配線パターンのそれぞれにおける前記複数のセグメントのそれぞれの前記特性インピーダンスおよびセグメント長が、前記複数の配線パターンの少なくとも1本に所定のシリアルビットパターンからなる孤立波信号を入力した状態で、前記複数の配線パターンのそれぞれにおける隣接する二つの前記セグメント同士の境界で発生された反射波が重複し合って前記ノイズを含めて互いに打ち消し合うように定められることにより、前記孤立派信号が入力される配線パターン上の観測点の信号は、前記複数のセグメントを形成しなかった場合に比して、本来伝送すべき信号である前記孤立派信号により近い波形に整形されることを特徴とする請求項1または2に記載の高周波用配線構造体。

【請求項5】
前記孤立波信号は、第1論理の1ビット信号の後に、この1ビット信号による干渉の影響がなくなるまで第2論理の複数ビット信号が続くシリアルビットパターンであることを特徴とする請求項4に記載の高周波配線構造体。

【請求項6】
請求項1乃至のいずれかに記載の高周波用配線構造体を絶縁基板上に形成したことを特徴とする高周波用実装基板。

【請求項7】
それぞれに高周波信号が伝送され隣接配置される複数の伝送線に対応する複数の配線パターンを基板上に形成する高周波用配線構造体の製造方法であって、
前記複数の配線パターンのそれぞれは、固有の特性インピーダンスおよびセグメント長をそれぞれが有する複数のセグメントを連続的に繋げたものであり、
隣接配置される前記複数の配線パターンの少なくとも1本に所定の信号波形を持つ教師信号を入力した状態で、前記複数の配線パターンを伝搬する前記教師信号に応じた高周波信号の波形歪みとノイズとを減少させる反射波が前記複数の配線パターンのそれぞれにおける隣接する二つの前記セグメント同士の境界で発生されて、前記反射波が前記ノイズに重畳して互いに打ち消し合うことで前記複数の伝送線を伝搬する前記高周波信号が当該伝送線上の観測点において整形されるように、最適化アルゴリズムを用いて前記複数の配線パターンのそれぞれにおける前記複数のセグメントのそれぞれの前記特性インピーダンスおよびセグメント長を設計することを特徴とする高周波用配線構造体の製造方法。

【請求項8】
前記教師信号は、所定周波数のクロック信号であることを特徴とする請求項に記載の高周波配線構造体の製造方法。

【請求項9】
前記教師信号は、第1論理の1ビット信号の後に、この1ビット信号による干渉の影響がなくなるまで第2論理の複数ビット信号が続く孤立波信号であることを特徴とする請求項に記載の高周波配線構造体の製造方法。

【請求項10】
前記孤立波信号からなる前記教師信号を前記複数の配線パターンの少なくとも1本に入力した状態で、前記複数の配線パターン上の所定位置に設けられる観測点で観測される信号波形と前記教師信号の信号波形とのずれが低減されるように、前記教師信号の立ち上がり部分をオーバーシュートさせるとともに、前記教師信号の立ち下がり部分をアンダーシュートさせることを特徴とする請求項乃至の何れかに記載の高周波配線構造体の製造方法。

【請求項11】
高周波信号が伝送される複数の伝送線に対応する複数の配線パターンが形成された高周波用配線構造体により前記複数の伝送線上の前記高周波信号を波形整形する方法であって、
前記複数の配線パターンのそれぞれは、固有の特性インピーダンスおよびセグメント長をそれぞれが有する複数のセグメントを連続的に繋げたものであり、
隣接配置される前記複数の配線パターンの少なくとも1本に所定の信号波形を持つ教師信号を入力した状態で、前記複数の配線パターンを伝搬する前記教師信号に応じた高周波信号の波形歪みとノイズとを減少させる反射波が前記複数の配線パターンのそれぞれにおける隣接する二つの前記セグメント同士の境界で発生されて、前記反射波が前記ノイズに重畳して互いに打ち消し合うことで前記複数の伝送線を伝搬する前記高周波信号が当該伝送線上の観測点において整形されるように、最適化アルゴリズムを用いて前記複数の配線パターンのそれぞれにおける前記複数のセグメントのそれぞれの前記特性インピーダンスおよびセグメント長を設計することを特徴とする高周波信号の波形整形方法。
産業区分
  • 伝送回路空中線
  • 電子部品
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012130188thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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