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磁気特性評価装置

国内特許コード P130010186
整理番号 S2013-0951-N0
掲載日 2013年12月25日
出願番号 特願2013-100798
公開番号 特開2014-219371
出願日 平成25年5月11日(2013.5.11)
公開日 平成26年11月20日(2014.11.20)
発明者
  • 塚田 啓二
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 磁気特性評価装置
発明の概要 【課題】
異なる磁性特性を有する物質が混合された混合物中の任意の物質の濃度を計測可能とした磁気特性評価装置を提供する。
【解決手段】
対向させて配置して直流磁場及び交流磁場を印加する一対の磁石と、一対の磁石の間に配置して直流磁場及び交流磁場により当該測定試料が磁化することにより発生する磁場を検出する検出用コイルと、直流磁場及び交流磁場をそれぞれ制御する磁場制御手段と、検出コイルの出力信号を解析する解析手段とを備えた磁気特性評価装置であって、測定試料を一対の磁石間の任意の位置に止めた状態で所定の直流磁場を印加するとともに交流磁場を重畳させて印加して測定試料の直流バイアス交流磁化測定を行うモードを有し、前記解析手段は、検出用コイルの出力信号から、印加する交流磁場と同じ周波数を基本周波数としてその高調波成分を検知する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



物質に磁場を印加した時の磁化特性を評価する磁気特性評価装置には、その計測原理として電磁誘導法を使ったものや、力学的方法がある(非特許文献1)。





電磁誘導法は、均一磁場中に計測試料を入れ、計測対象に発生した磁化を検出コイルで検出するものである。検出コイルによって、計測試料の磁化によって発生した磁束Φの変化を検出する方法がとられる。





この磁束変化を得る方法としては、引き抜き法と、振動法がある。引き抜き法は対向する一対の検出コイルの間で測定試料を往復運動させ、磁束変化を発生させる。





ここで、検出コイルの材料として抵抗があるCu等の常伝導体を用いた場合、周波数が高いほど感度が高く、低周波では感度が低下する。そのため、検出コイルに超伝導コイルを用いると極低周波の磁束変化をとらえることができる。このため、液体He温度などの極低温で超伝導になる低温超伝導体を用いた超伝導検出コイルを用いて、その信号を同じく低温超伝導体によってできている超伝導量子干渉素子(SQUID)に伝達して計測する方法を用いると、最も高感度計測が可能な装置となって、強磁性体のみならず、常磁性体や反磁性体も計測できる。このため、研究機関などの基礎的な物質研究用として使われている。





振動法は往復運動を一定の振動数で高速に振動させる方法で、検出方法としては、検出コイルからの信号を振動数に合わせた周波数で検波するロックインアンプで検出する方法である。磁化率計としてこの振動法が、強磁性体の評価装置として一般に広く使われている。





磁化率として物質によっては周波数特性を持っているものが多く、そのため交流磁化率を測定するものもある。この場合、印加磁場を時間変動させるため、測定試料を動かす必要はなく、そのまま検出コイルでとらえた信号の実数成分と虚数成分を解析だけで良い。





力学的方法としては、磁気天秤磁力計がある。これは磁場勾配中では磁性体は磁化の大きさに応じた力を受ける。このため、この力を天秤のようにバランスさせてその時の力を読み取れば磁化を計測することができるものである。





SQUIDの材料として低温超伝導体を用いた場合、液体ヘリウム(絶対温度4K)等で極低温にする必要があった(特許文献1)。しかし、最近では高温超伝導体を用いたSQUIDが開発され、液体窒素温度(絶対温度77K)で動作SQUIDがでてきている。





この高温超伝導SQUIDを用いた磁化率計を、発明者らは報告してきている(非特許文献2)。この場合、高温超伝導体を用いた検出コイルはまだできていないため、高温超伝導体のSQUIDと常伝導体の検出コイルを用いている。その感度も低温超伝導SQUIDを用いた磁化率計を検出感度に近くなってきている。





検知する信号として印加する交流磁場の周波数だけでなく高調波を分析する方法などがある(特許文献2)。高感度化する方法として、一対の反対巻きの検出コイルを組み合わせた微分コイルを用い、測定試料の振動のさせ方を従来の幅より大きくして振動数と同じ周波数の信号の他、2倍の高調波を検波する方法を報告した(非特許文献3)。これにより、検出する信号の周波数を上げることができるので、常伝導体の検出コイルでも高感度化が可能となった。





さらに高温超伝導SQUIDを用いた磁化率計での振動のさせ方として、振動させるのではなく測定試料を回転体に取り付け何度も検出コイルの上を通過させ、信号を加算平均とる方法も報告した(非特許文献4)。





磁化率計の応用として、物質の基礎評価だけでなく、磁化率の変化をとらえることによって水分量を測定する方法を発明者は報告した。この原理として、水は反磁性体で比較的その反磁性が強いので、水分量が多くなるとその反磁性特性が強くなることを利用している。例えば、お米の水分量を磁気特性により計測できることを報告した(非特許文献5)。





また、従来の広く用いられている標識方法として蛍光体を用いるのではなく磁気ナノ粒子を用いた方法も報告されている。この方法として磁気ナノ粒子をいったん強い磁界中におき、磁界から離した後、残った残留磁気を計測する方法が報告されている。これにより測定対象と結合した磁気ナノ粒子からの信号を検出して、測定対象の濃度を検出している(特許文献3)。あるいは、交流磁界を印加して結合した、または結合していない磁気ナノ粒子を検出する方法も報告されている(非特許文献6)。

産業上の利用分野



本発明は、理化学計測装置としての物質の磁性を評価する磁化率等を計測する磁気特性評価装置に関している。磁気特性評価としては多くは強磁性体のB-H曲線(磁界を印加した時に物質に発生する磁化を示す曲線)が計測されている。高感度ものものとしては、強磁性体のみならず、常磁性体や反磁性体の磁気特性を評価する装置もある。本発明はこの高感度な装置に関しており、磁化特性評価だけでなく混合物中の特定の磁性物質濃度を測定できる装置である。

特許請求の範囲 【請求項1】
対向させて配置して直流磁場及び交流磁場を印加する一対の磁石と、
当該一対の磁石の間で測定試料を振動させる振動手段と、
前記一対の磁石の間に配置して前記直流磁場及び前記交流磁場により当該測定試料が磁化することにより発生する磁場を検出する検出用コイルと、
前記直流磁場及び前記交流磁場をそれぞれ制御する磁場制御手段と、
前記検出コイルの出力信号を解析する解析手段と
を備えた磁気特性評価装置であって、
前記振動手段で当該測定試料を振動させながら、当該測定試料に印加する直流磁場を可変させて直流印加磁場に対する当該測定試料の直流磁化測定を行う第1のモードと、
当該測定試料を前記一対の磁石間の任意の位置に止めた状態で所定の直流磁場を印加するとともに交流磁場を重畳させて印加して当該測定試料の直流バイアス交流磁化測定を行う第2のモードと
を有し、
前記解析手段は、前記第2のモードにおいて、前記検出用コイルの出力信号から、印加する交流磁場と同じ周波数を基本周波数としてその高調波成分を検知することを特徴とする磁気特性評価装置。

【請求項2】
前記検出用コイルとして、巻方向が逆になっている一対のコイルを直列に接続した一次微分コイルを用いるとともに、当該一次微分コイルの検出面を、対向させている前記一対の磁石の対向方向に向けていることを特徴とする請求項1に記載の磁気特性評価装置。

【請求項3】
前記検出用コイルとして、巻方向が逆になっている一対のコイルを直列に接続した一次微分コイルであって、前記直流磁化検出用の第1の一次微分コイルと、前記直流バイアス交流磁化検出用の第2の一次微分コイルを設け、
前記第1の一次微分コイルの検出面を、対向させている前記一対の磁石の対向方向に向けるとともに、前記第2の一次微分コイルの検出面を、前記一対の磁石の対向方向に対して直交する方向に向けたことを特徴とする請求項1に記載の磁気特性評価装置。

【請求項4】
前記検出コイルは、超伝導量子干渉素子(SQUID)の入力コイル、若しくは低雑音アンプに接続して、電圧出力させたことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の磁気特性評価装置。

【請求項5】
前記振動手段は、前記一対の磁石の間だけで前記測定試料を往復振動させる往復振動機構、若しくは前記測定試料を載置した回転体を回転させて前記一対の磁石の間を何回も通過させる回転機構であることを特徴とする請求項1~4に記載の磁気特性評価装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2013100798thum.jpg
出願権利状態 公開
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