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血栓症のリスク検査法 コモンズ

国内特許コード P130010189
整理番号 NU-0520
掲載日 2013年12月27日
出願番号 特願2013-182541
公開番号 特開2015-047141
出願日 平成25年9月3日(2013.9.3)
公開日 平成27年3月16日(2015.3.16)
発明者
  • 高木 明
  • 小嶋 哲人
  • 高木 夕希
  • 村田 萌
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 血栓症のリスク検査法 コモンズ
発明の概要 【課題】血栓症のリスクの判定等に有用な変異を明らかにし、精度や信頼性の一層高いリスク判定を実現することを課題とする。
【解決手段】
プロトロンビンの540番アミノ酸、541番アミノ酸、596番アミノ酸、599番アミノ酸、600番アミノ酸の置換を伴う新たな遺伝子変異を同定した。当該遺伝子変異を利用して、被検者の血栓症の易罹患性を検査する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



静脈血栓症は多因子疾患として知られ、環境的リスクと遺伝的リスクなどが重なり起こる病気である。遺伝的リスクにはアンチトロンビンやプロテインC、プロテインSなどの生理的凝固抑制因子の遺伝子異常がある。これまでに多くの遺伝性血栓症でこれらの遺伝子異常が見つかっているものの、いまだに原因が不明なものも少なくない。本願発明者らの研究グループでは、これまで原因が不明であった静脈血栓症患者において、通常は出血傾向となるプロトロンビン(凝固因子の一つでトロンビンの前駆体)異常症が、逆に血栓症の原因となる遺伝子異常を発見した。この知見に基づき、プロトロンビンの変異がその制御因子(アンチトロンビン)の作用を受けにくく、静脈血栓塞栓症の原因になるという新規の疾患概念「アンチトロンビン抵抗性」を提唱し、「アンチトロンビン抵抗性」の測定法を報告した(特許文献1、非特許文献1)。その中で、高齢化や災害時の運動不足や下肢のうっ血などにより発症リスクが増大する静脈血栓塞栓症発症リスクの測定法および発症リスク陽性のコントロールとして特定のプロトロンビン遺伝子変異(596番アミノ酸アルギニンのロイシンへの置換を伴う、1787位塩基のGからTへの変異)を使用できることを示した。尚、プロトロンビン遺伝子については別の変異(596番アミノ酸アルギニンのグルタミンへの置換を伴う変異)も報告されている(非特許文献2)。

産業上の利用分野



本発明は、血栓症の易罹患性(リスク)を検査する方法などに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被検者のプロトロンビン遺伝子について、以下の(1)~(28)からなる群より選択される一以上の変異の有無を調べることを特徴とする、被検者の血栓症の易罹患性を検査する方法:
(1) 1618位塩基のAからGへの変異、(2) 1618位塩基のAからTへの変異、(3) 1618位塩基のAからCへの変異、(4) 1619位塩基のCからGへの変異、(5) 1619位塩基のCからAへの変異、(6) 1619位塩基のCからTへの変異、(7) 1621位塩基のCからGへの変異、(8) 1621位塩基のCからTへの変異、(9) 1622位塩基のGからAへの変異、(10) 1622位塩基のGからTへの変異、(11) 1622位塩基のGからCへの変異、(12) 1786位塩基のCからTへの変異、(13) 1786位塩基のCからGへの変異、(14) 1787位塩基のGからCへの変異、(15) 1787位塩基のGからAへの変異、(16) 1795位塩基のAからCへの変異、(17) 1795位塩基のAからGへの変異、(18) 1796位塩基のAからTへの変異、(19) 1796位塩基のAからCへの変異、(20) 1796位塩基のAからGへの変異、(21) 1797位塩基のAからCへの変異、(22) 1798位塩基のTからGへの変異、(23) 1798位塩基のTからAへの変異、(24) 1798位塩基のTからCへの変異、(25) 1799位塩基のAからGへの変異、(26) 1799位塩基のAからTへの変異、(27) 1799位塩基のAからCへの変異、(28) 1798位塩基のTからCへの変異及び1799位塩基のAからCへの変異。

【請求項2】
前記(1)~(28)の中のいずれかを検出した場合に血栓症のリスクが高い、との判定基準で血栓症の易罹患性を判定する、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記(1)~(6)、(12)~(21)、(23)、(27)及び(28)の中のいずれかを検出した場合は血栓症のリスクが高く、前記(7)~(11)、(24)及び(26)の中のいずれかを検出した場合は血栓症のリスクが中程度である、との判定基準で血栓症の易罹患性を判定する、請求項1に記載の方法。

【請求項4】
前記(1)~(6)の中のいずれか、前記(7)~(11)の中のいずれか、前記(12)~(15)の中のいずれか、前記(16)~(21)の中のいずれか、前記(22)~(28)の中のいずれか、からなる群より選択される二以上の変異を検出した場合に血栓症のリスクが特に高い、との判定基準で血栓症の易罹患性を判定する、請求項1に記載の方法。

【請求項5】
前記(1)~(6)の中のいずれか、前記(7)~(11)の中のいずれか、前記(12)~(15)及び(29) 1787位塩基のGからTへの変異の中のいずれか、前記(16)~(21)の中のいずれか、前記(22)~(29)の中のいずれか、からなる群より選択される二以上の変異を検出した場合に血栓症のリスクが特に高い、との判定基準で血栓症の易罹患性を判定する、請求項1に記載の方法。

【請求項6】
凝固因子として作用する異常トロンビンを検出するためのトロンビン不活化動態の測定方法であって、
被検者の血漿に由来する成分を少なくとも含む試料にプロトロンビン活性化剤を加えてプロトロンビンをトロンビンに変換し、次に、正常トロンビンを不活化する凝固阻止因子を前記試料に加え、所定の反応時間後における前記試料の残存トロンビン活性を、以下の(1)~(3)、(5)~(29)から選択される二以上の陽性コントロールの値と比較して測定することを特徴とする、測定方法:
(1) 540番アミノ酸のAlaへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(2) 540番アミノ酸のSerへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(3) 540番アミノ酸のProへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(5) 540番アミノ酸のAsnへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(6) 540番アミノ酸のIleへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(7) 541番アミノ酸のGlyへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(8) 541番アミノ酸のTrpへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(9) 541番アミノ酸のGlnへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(10) 541番アミノ酸のLeuへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(11) 541番アミノ酸のProへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(12) 596番アミノ酸のTrpへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(13) 596番アミノ酸のGlyへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(14) 596番アミノ酸のProへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(15) 596番アミノ酸のGlnへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(16) 599番アミノ酸のGlnへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(17) 599番アミノ酸のGluへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(18) 599番アミノ酸のIleへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(19) 599番アミノ酸のThrへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(20) 599番アミノ酸のArgへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(21) 599番アミノ酸のAsnへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(22) 600番アミノ酸のAspへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(23) 600番アミノ酸のAsnへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(24) 600番アミノ酸のHisへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(25) 600番アミノ酸のCysへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(26) 600番アミノ酸のPheへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(27) 600番アミノ酸のSerへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(28) 600番アミノ酸のProへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性、(29) 596番アミノ酸のLeuへの置換を含む変異型プロトロンビンを使用した場合の残存トロンビン活性。

【請求項7】
陽性コントロールとして、前記(1)~(3)、(5)、(6)、(12)~(21)、(23)、(27)、(28)及び(29)からなる群より選択される一以上と、前記(7)~(11)、(24)及び(26)からなる群より選択される一以上を用いることを特徴とする、請求項6に記載の測定方法。

【請求項8】
前記残存トロンビン活性を、前記陽性コントロールの値及び正常値と比較して測定することを特徴とする、請求項6又は7に記載の測定方法。

【請求項9】
前記凝固阻止因子に、アンチトロンビン、アンチトロンビンとヘパリンの組合せ、アンチトロンビンとヘパラン硫酸の組合せ、又はトロンボモジュリンを用いることを特徴とする、請求項6~8のいずれか一項に記載の測定方法。

【請求項10】
前記プロトロンビン活性化剤に、蛇毒に由来するプロトロンビン活性化剤(該プロトロンビン活性化剤を生成する遺伝子を導入した生物(人を除く)から生成されるプロトロンビン活性化剤を含む)を用いることを特徴とする、請求項6~9のいずれか一項に記載の測定方法。

【請求項11】
トロンビンに対して感受性を有する合成基質、又はフィブリノゲンを前記反応時間後に加えて前記試料の残存トロンビン活性を測定することを特徴とする、請求項6~10のいずれか一項に記載の測定方法。

【請求項12】
凝固因子として作用する異常トロンビンを検出するためのトロンビン不活化動態の測定キットであって、
被検者の血漿に由来する成分を少なくとも含む試料に加えてプロトロンビンをトロンビンに変換するためのプロトロンビン活性化剤と、
正常トロンビンを不活化する凝固阻止因子であって前記プロトロンビン活性化剤を加えた後に前記試料に加えるための凝固阻止因子と、
所定の反応時間後における前記試料の残存トロンビン活性を測定するための活性測定用試薬と、
以下の(1)~(3)、(5)~(29)からなる群より選択される二以上の変異型プロトロンビンを含む、測定キット:
(1) 540番アミノ酸のAlaへの置換を含む変異型プロトロンビン、(2) 540番アミノ酸のSerへの置換を含む変異型プロトロンビン、(3) 540番アミノ酸のProへの置換を含む変異型プロトロンビン、(4) 540番アミノ酸のSerへの置換を含む変異型プロトロンビン、(5) 540番アミノ酸のAsnへの置換を含む変異型プロトロンビン、(6) 540番アミノ酸のIleへの置換を含む変異型プロトロンビン、(7) 541番アミノ酸のGlyへの置換を含む変異型プロトロンビン、(8) 541番アミノ酸のTrpへの置換を含む変異型プロトロンビン、(9) 541番アミノ酸のGlnへの置換を含む変異型プロトロンビン、(10) 541番アミノ酸のLeuへの置換を含む変異型プロトロンビン、(11) 541番アミノ酸のProへの置換を含む変異型プロトロンビン、(12) 596番アミノ酸のTrpへの置換を含む変異型プロトロンビン、(13) 596番アミノ酸のGlyへの置換を含む変異型プロトロンビン、(14) 596番アミノ酸のProへの置換を含む変異型プロトロンビン、(15) 596番アミノ酸のGlnへの置換を含む変異型プロトロンビン、(16) 599番アミノ酸のGlnへの置換を含む変異型プロトロンビン、(17) 599番アミノ酸のGluへの置換を含む変異型プロトロンビン、(18) 599番アミノ酸のIleへの置換を含む変異型プロトロンビン、(19) 599番アミノ酸のThrへの置換を含む変異型プロトロンビン、(20) 599番アミノ酸のArgへの置換を含む変異型プロトロンビン、(21) 599番アミノ酸のAsnへの置換を含む変異型プロトロンビン、(22) 600番アミノ酸のAspへの置換を含む変異型プロトロンビン、(23) 600番アミノ酸のAsnへの置換を含む変異型プロトロンビン、(24) 600番アミノ酸のHisへの置換を含む変異型プロトロンビン、(25) 600番アミノ酸のCysへの置換を含む変異型プロトロンビン、(26) 600番アミノ酸のPheへの置換を含む変異型プロトロンビン、(27) 600番アミノ酸のSerへの置換を含む変異型プロトロンビン、(28) 600番アミノ酸のProへの置換を含む変異型プロトロンビン、(29) 596番アミノ酸のLeuへの置換を含む変異型プロトロンビン。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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